ジブリパークの開園日が11月1日に、スタジオジブリが初めて手がける観光動画も公開

左から愛知県知事・大村秀章、鈴木敏夫。

ジブリパークの開園日が11月1日になると発表された。

これは本日1月27日、愛知の愛・地球博記念公園で行われたジブリパークのメディア向け発表会で明らかになったもの。まず「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」の3エリアが11月1日にオープンし、その約1年後の開園を目指して「もののけの里」「魔女の谷」の2エリアが展開される。

また各エリアの詳細も明らかに。「ジブリの大倉庫」ではかつて温水プールだった施設の大空間を活かし、屋内ながら街かのような演出となる。広さは東京・三鷹の森ジブリ美術館の約3倍に。「借りぐらしのアリエッティ」に登場するアリエッティとその家族が暮らす家、彼女たちの目線でみた植物が再現される。また「天空の城ラピュタ」より、廃墟となったラピュタの庭園を再現した「天空の庭」も登場。空飛ぶ巨大な船は全長およそ6mにもおよぶ。そのほか子供たちが「となりのトトロ」の世界で遊べる部屋も設けられる。

「青春の丘」では「耳をすませば」の地球屋やロータリー広場を再現。「猫の恩返し」に登場する猫の事務所も木造平屋建てで再現し、家具や小物がミニチュアサイズで制作される。「どんどこ森」は「となりのトトロ」のサツキとメイの家を中心とし、昭和の田園景観をイメージしたエリアに。サツキとメイの家の裏山には、「どんどこ堂」と呼ばれる木製遊具が新たに誕生することも告知された。

開園日の発表と併せて、スタジオジブリが制作した観光動画とキービジュアル「風になって、遊ぼう。」も公開に。観光動画は“ジブリパークのある愛知”をアピールする内容で、愛知県内の観光スポットを取り上げ、ジブリパーク来場者に県内周遊を呼びかけている。なおスタジオジブリは今回初めて観光動画を手がけた。

2部構成で実施されたイベントの第1部には、愛知県の大村秀章知事と、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが登壇。大村知事は「公園内では、スタジオジブリ作品の世界観を忠実に表現した数多くの美術品やセットに囲まれて、来場者の皆様には映画の主人公になったような気分でエリア内を楽しんでいただける演出となっています」とジブリパークを紹介し、「観光動画・キービジュアル『風になって、遊ぼう。』は、スタジオジブリさんの制作で、愛知県にあるさまざまな地域の魅力をジブリの世界観で描き出していただきました。ジブリパークおよび県内各地を訪れていただくべく積極的に発信をしていきたいです。日本が世界に誇るスタジオジブリの世界観を表現した唯一無二の公園施設として、子供から大人まで多くの方に来園していただき、将来の長きに渡って愛され、後世に引き継がれる公園となり、皆様に笑顔溢れる日々をお届けできる日を待ち望んでおります」と話す。

鈴木プロデューサーは「風になって、遊ぼう。」の映像を観て、「スタジオジブリがアニメーションではない実写の作品を作るのは珍しいけれど、観てみるとけっこういいじゃん(笑)」とコメント。ジブリパークについて「いわゆるテーマパークじゃない。基本的には公園であることを崩してはいけない。でも来たら楽しい場所にしたい」と明かしていたという宮崎吾朗監督の構想に触れ、「絵に描いた餅ではないかとも考えていたが、今日見たらよかったんですよ。本当に」としみじみ語る。さらに「この仕事を本当にやってよかったなと感じています。ここには三鷹の森ジブリ美術館の精神が活きている。百聞は一見に如かず。ぜひ見てほしいです」とパークの仕上がりに手応えを感じている様子を見せた。

第2部ではジブリパークの宮崎吾朗監督、岡村徹也プロデューサーが登壇し、「ジブリパーク構想」と題してパークに対する思いや見どころなどをトーク。宮崎吾朗監督はジブリパークについて「テーマパークを作らないかというご提案は各所からスタジオジブリにいただいていました。しかしジブリ作品はファンタジーの側面を持ちつつも、現実に立脚するものであり、所謂テーマパークとして再現することに違和感がありました。そんな中、愛知県さんからいいお話を頂いたという背景があります。今回、愛・地球博記念公園内の未利用の土地などにジブリパークが入らせてもらっています。公園に思い出や思い入れがある人はたくさんいるので、ジブリパークができることでそれらを壊したくはなかったのです」と語る。

また発表会の中では、宮崎吾朗監督自らが案内役となって工事現場を初公開する一幕も。ジブリの大倉庫では「子どもだけで楽しめるエリアがあります。また、ここからは見えませんが、かつての更衣室を改装し、企画展示室にしています。その場所に行く方法をお客様には、ぜひ探していただきたいです」と紹介した。