弁天が“むき出し”に?「有頂天家族2」先行上映会で二代目との関係性語る
森見登美彦原作、久米田康治キャラクター原案によるテレビアニメ「有頂天家族2」の先行上映会が、去る4月7日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催された。
イベントでは「有頂天家族」の最終回となる第13話の上映からスタート。続けて「有頂天家族2」第1話と第2話の先行上映が行われ、会場からは拍手が贈られた。その後ステージには、たぬき姿の矢三郎のぬいぐるみを手にした弁天役の能登麻美子、キャラクターと同じく真っ白な洋服に身を包んだ二代目役の間島淳司、原作の森見登美彦、吉原正行監督が登場しトークが行われる。
第2期の弁天について、能登は「二代目と絡むシーンは今までクールでどこか掴みどころのない弁天が、感情をむき出すというか、人間らしくどこか生々しさを感じる部分が見えると思いました」とコメント。一方の間島は二代目を演じ「二代目は何を考えているのか分からない部分が多く、またそれがベースになる。そうなると感情を込められなくて芝居をしている気がしないんです(笑)。ベースのキャラクター作りが一番苦労しましたね。ただ赤玉先生との絡みでちょっとだけ感情が垣間見えたりもするので、そういう部分で徐々に変化をつけていきました」と振り返った。
森見は「二代目は第一部の弁天と同じ位置にいる人」とコメント。「(二代目は)第一部の弁天のように何がしたいのかよくわからない、自分もわかってないという人。そういう人と弁天を対峙させたとき、弁天がどう変わるか」「その関係は書きながら考えていったのですが、能登さんが感じられたように、弁天が感情をむき出すようになりました」と、弁天と二代目のキャラクター性について説明した。
また吉原監督は「(弁天と二代目より)4兄弟のほうが成長してる」と語り、「人間らしさをむき出してくれたキャラクターは重要で、もっと愛せるキャラクターになったんじゃないか」「二代目は特に、最終話にかけて好きになっていくし、そういうキャラクターだと思います」とファンに語りかけた。
その後壇上には、オープニング主題歌を担当するmilktubのボーカル・bambooが登場。「有頂天家族2」のオープニング曲「成るがまま騒ぐまま」を披露し、「『有頂天家族』の一ファンなので、オファーが来なくても第2期をイメージした曲を勝手に作ってアルバムに入れようと思っていました(笑)。でも縁があって任せていただくことになりました」と楽曲の制作秘話を語った。続けて「有頂天家族」のオープニング曲「有頂天人生」をパフォーマンスし、会場をさらに盛り上げた。
なおイベントでは、7月28日にアニメ第1話~第6話を収録した「有頂天家族2」Blu-ray BOXの上巻がリリースされることが発表に。また5月25日から6月6日までの期間、東京・pixiv Zingaroにて展覧会が開催されることも明かされた。最後には恒例となった「面白きことはー」「良きことなり!」の掛け合いが出演者と観客にて行われ、和やかなムードのままイベントは幕を閉じた。
アニメ「有頂天家族2」は、2015年に刊行された森見による小説の続編「有頂天家族 二代目の帰朝」が原作。京都を舞台に、下鴨神社・糺の森に暮らす狸の一家を中心とした、波乱万丈で家族愛溢れるコメディだ。アニメは4月よりTOKYO MXほかにて順次オンエアされている。
(c)森見登美彦・幻冬舎/「有頂天家族2」製作委員会