「庵野秀明展」明日開幕、中学時代の油彩画からシン・仮面ライダーまで膨大な資料展示
庵野秀明の展覧会「庵野秀明展」のプレス向け内覧会が、本日9月30日に東京・国立新美術館にて開催。併せて「シン・仮面ライダー対庵野秀明展」と題した合同記者会見が実施され、庵野監督が出席した。
明日10月1日から12月19日まで東京・国立新美術館で開催される「庵野秀明展」は、庵野がアニメーター時代に参加した過去作品や、監督・プロデューサーとして活躍する最新の仕事までを網羅した展覧会。「庵野秀明をつくったもの」「庵野秀明がつくったもの」「そして、これからつくるもの」という3つのコンセプトで構成され、アニメ、特撮作品の貴重な原画やミニチュア、直筆の膨大なメモやイラスト、脚本、設定、イメージスケッチ、画コンテ、レイアウトなど、総展示数は1500点以上に及ぶ。
展示は「第1章 原点、或いは呪縛」「第2章 夢中、或いは我儘」「第3章 挑戦、或いは逃避」「第4章 承継、そして再生」「第5章 感謝、そして報恩」の全5章に分けて展開された。第1章「原点、或いは呪縛」では庵野が幼少期から大学時代まで傾倒し、現在も敬愛が続いているアニメ・特撮作品・マンガ作品の立体造形物や原画などの資料を展示。モスラの模型、ウルトラマンのスーツや仮面ライダーのマスク、「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」の原画や資料、肖像画に至るまで会場内に所狭しと披露された。
続く第2章「夢中、或いは我儘」は、アマチュア時代の作品から「新世紀エヴァンゲリオン」制作に至るまで、庵野の手がけた作品がお目見え。「ナカムライダー」「じょうぶなタイヤ!SHADOタイヤ」「DAICON III オープニングアニメーション」といったアマチュア時代の作品のほか、「超時空要塞マクロス」「王立宇宙軍 オネアミスの翼」「風の谷のナウシカ」「トップをねらえ!」「ふしぎの海のナディア」といった初期の作品が一堂に会した。また中学・高校時代の油彩画や実家に残っていた私物など、貴重な展示も多数用意された。
第3章「挑戦、或いは逃避」では「新世紀エヴァンゲリオン」制作後、アニメによる映像制作から、新たな試みとして実写・特撮作品を手がけることにとなる庵野の活動に着目。「ラブ&ポップ」「式日」「シン・ゴジラ」などの実写映画、「彼氏彼女の事情」「シュガシュガルーン」といったアニメ作品、そして今年公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版」まで、直筆資料や作品制作を担ったスタッフによる作画資料などで紹介する。
そして第4章「承継、そして再生」には今後公開を予定している映画「シン・仮面ライダー」「シン・ウルトラマン」より、現在公開可能な資料の一部を披露。ゴジラ、仮面ライダー、ウルトラマンの大型造形物も見どころだ。最後、第5章「感謝、そして報恩」は、庵野がアニメ・特撮文化を引き継ぎ次世代に渡す「アニメ特撮アーカイブ機構」と「でほぎゃらりー」などが紹介され、展示は締めくくられた。
本日の記者会見に出席した庵野は、展示内容について「残ってるものをなんとかかき集めましたけど、ほんの一部です(笑)。展示は日々増えていくと思うので、初日が一番少ないです。初日に来られた方は、ぜひ後半も見に来てもらえたら」とコメント。また「シン・仮面ライダー」で本郷猛役を演じる池松壮亮と緑川ルリ子役の浜辺美波も展示の感想を語り、池松は「ものすごい数の展示。天才の頭の中、お部屋の中、おもちゃ箱を存分に見れるんじゃないかと思いました」、浜辺は「もっとじっくり見たいなという気持ちが強いです。どういう脳の動きをしたらこういうものが思いついて出てくるんだろうと、不思議な気持ちでたまりませんでした」と語った。
「庵野秀明展」
期間:2021年10月1日(金)~12月19日(日)※毎週火曜日は休館、ただし11月23日は開館。
時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで。
会場:東京都 国立新美術館 企画展示室1E