「10万分の1」公開、平祐奈「人との出会いも10万分の1の確率くらい大切なもの」
宮坂香帆原作による実写映画「10万分の1」の初日舞台挨拶が、本日11月27日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、桐谷蓮役の白濱亜嵐(EXILE / GENERATIONS from EXILE TRIBE / PKCZ)、桜木莉乃役の平祐奈、橘千紘役の優希美青、比名瀬祥役の白洲迅、桜木春夫役の奥田瑛二、三木康一郎監督が登壇した。
Cheese!(小学館)で連載されていた「10万分の1」は、難病のALSを発症しても前向きに生きる莉乃と、莉乃を支える蓮の姿を描いたラブストーリー。白濱は自身が演じた蓮について「終始莉乃のことを大切に思っているキャラクターなので、ずっと暖かい目で莉乃を見ているということを意識しました」と振り返る。難病を患う莉乃を演じた平は、撮影前にALSの患者に会い、話を聞いたことを明かす。「自分もALSという病気を知るところから始めましたが、1人でも多くの方に(この病気を)知るきっかけになっていただけたらいいなと思っています」と映画に込めた思いを語り、「ALSと莉乃と向き合うことを大切に毎日過ごしていました」と撮影の日々を思い返した。
奥田は「彼らはそのままの状態で(現場に)いましたから、そういう意味ではこの作品への理解を自分のものにして参加していた優秀な俳優陣」と若手のキャスト陣を評価。自身の演じる春夫の孫役の平に対しては、「本当に自分の孫のような気持ちにさせてくれた。しゃぼん玉のようなところもあるし、かと言って強さもあるし。とてもチャーミングで不思議な女優さんです」と表現した。青春恋愛映画でありながら難病を描いた本作。三木監督は「若い方に観てもらいたいというのが僕の中で大きかった。病気一辺倒になっても楽しめないのかなと思いながらも、しっかりと伝えたいという思いがあって、その辺のバランスを取るのを大事にしました。キュンキュンしながらドキドキしながらも、社会的な面も思っていただけたら」と観客へ語りかけると、会場からは温かな拍手が送られた。
最後に白濱は「ALSという病気は明日自分がなるかもしれないですし、明日自分の大切な人がなるかもしれないと考えると、とても怖いことではある。だけどこの映画の中で蓮と莉乃はそれを悲劇だと思わずに、2人で一歩一歩前に進んでいて、僕自身も勇気や元気をもらいました」とコメント。また白濱は配信番組の企画でGENERATIONSのメンバーと映画を鑑賞したと言い、「小森(隼)っていうのがいるんですけど、号泣してましたね」とメンバーの様子を明かした。
続く平は「ALSという難病は10万分の1の確率で発症すると言われていますが、人との出会いやつながりも、10万分の1の確率くらい大切なものなんだなとすごく思っていて。撮影前にお会いしたALS患者の方が『時間は有限だ』とおっしゃっていて、本当にそうだなと私も思い、背中を押してもらって撮影に挑めました。皆さんも今周りにいる方を大事に、一緒に人生を歩んでいっていただけたら。皆さんにとって記憶に残る、心に残る作品になっているとうれしいです」とメッセージを送った。
(c)宮坂香帆・小学館/2020映画「10万分の1」製作委員会