実写映画「ファンシー」公開、舞台挨拶で窪田正孝がペンギンを演じるコツ明かす
山本直樹原作による実写映画「ファンシー」の公開記念舞台挨拶が、本日2月8日に東京・テアトル新宿で行われた。
「ファンシー」はとある地方の温泉街を舞台に、元彫師の郵便配達員・鷹巣明と、ロマンティストな詩人のペンギン、ペンギンに心酔するファン・月夜の星という男女3人の奇妙な関係を描いた作品。鷹巣役は永瀬正敏、ペンギン役は窪田正孝、月夜の星役は小西桜子が演じている。
舞台挨拶には永瀬、窪田、小西、そして監督の廣田正興が登壇。廣田監督は「この日を迎えられ本当にうれしいです。自分が観たかった映画を撮れました」と笑顔で述べる。永瀬と廣田監督はアレックス・コックス監督作「スリー・ビジネスメン」の現場で出会って以来、20年来の関係だそうで、永瀬は「16~17年前、廣田監督が『商業映画デビューするんだったらこの映画でデビューしたい』と山本さんの『ファンシー』を読ませてくれて。そのときに『その際はぜひ出てください』と言われたので、軽く『いいよ』と答えてしまって……」と当時を回顧。続けて「17年経って約束を守れてよかったというのと、監督が諦めなかった、ずっとその思いを持ち続けていらっしゃったのが素晴らしい」と言葉を贈った。
窪田が演じたペンギンは、原作では動物のペンギンという設定。窪田は「企画のお話をいただいたときに、『ペンギン役』と書いてあって。原作を読ませていただいても(動物の)ペンギンしかいなかったから、『特殊メイクかな?』とか思っていたら、『このままで』と言われて……」と戸惑ったことを振り返る。ペンギンを演じるポイントを聞かれると、窪田は「とにかく冷やす」とコメント。窪田は「だからかはわかりませんが、撮影中に高熱を出してしまって」と続け、「体調を崩しやすい役だったので、リンクしてたのかわからないですけど……撮影を止めてしまってすみませんでした!」と裏話を明かす。永瀬はそんな窪田のことを「鳥類を演じられる役者は世界に2、3人しかいないんじゃないですか。最初のシーンから自分の“ペンギン像”をしっかり持っていたようで、どんどんペンギンにしか見えなくなったので、すごいなと」と称賛した。
また永瀬は、商業映画初出演となる小西に対しても「原作から飛び出してきたよう」と賛辞を贈る。窪田も「桜子ちゃんの透明な心がそのまま役に浸透していた」と述べ、「その演技を真正面で受けたとき『あ、汚れてる。ダメだ俺』って思ったくらい。まっすぐなピュアさに救われました」と労いの言葉をかける。小西も永瀬、窪田との共演を「緊張しました。ずっと映画で観ていた方々だったので。こんな日が来るとは思っていなかったです」と夢見心地で述懐。「窪田さんは緊張をほぐしてくださって、永瀬さんもお優しくて。おふたりがお相手で本当によかったです」と微笑んだ。
実写映画「ファンシー」は東京・テアトル新宿ほかにて上映中。全国でも順次上映される。
(c)2019「ファンシー」製作委員会