「ワールドトリガー」一挙上映会で梶裕貴と中村悠一が“持たざるメガネ”を賞賛

左から梶裕貴、中村悠一、齊藤優氏、吉野弘幸。

葦原大介原作によるTVアニメ「ワールドトリガー」のオールナイト上映会「ワールドトリガー復活ナイト」が、12月7日、8日に東京・新宿バルト9と大阪・梅田ブルク7にて開催された。コミックナタリーは12月7日に新宿バルト9で上映前に行われたトークショーの模様をレポートする。

原作「ワールドトリガー」の連載再開を記念して行われた同イベント。7日はアニメの「大規模侵攻編」、8日は「B級ランク戦編」が一挙に上映され、7日のトークショーには三雲修役の梶裕貴、迅悠一役の中村悠一、葦原の担当編集・齊藤優氏、アニメでシリーズ構成を担当した吉野弘幸、東映アニメーションの永富大地プロデューサーが登壇した。

原作を読み返している最中だという梶は、連載再開について「すごくうれしかったです。アニメにかかわらせていただいた身なので、これから原作が続いていけばまたアニメも帰ってこられるんじゃないか」とアニメの再開にも期待感を募らせる。連載再開について空閑遊真役の村中知とも話したという中村は「続きが読めるという楽しみが増えましたし、来年以降『ワールドトリガー』がより盛り上がっていくんだろうなと思っています」とコメント。休載期間中も毎週葦原と連絡を取っていたという齊藤氏は、「連載について中途半端なことを言うのもなと思って、直前まで何も告知できず申し訳ありませんでした」と謝罪しながら、「ユニクロから『ワールドトリガー』のTシャツが発売されたときには連載再開が決まっていたので、『どうせ使うだろう』と10枚くらい買いだめしておいたんです」と、この日偶然梶とお揃いで着用していたユニクロの「ワールドトリガー」Tシャツを紹介した。

その後会場はさまざまなお題に沿って、トークを展開。「『大規模侵攻編』で印象的だったキャラクターは?」というお題に対して、古川登志夫演じるエネドラを挙げた中村は「古川さんの演技が良すぎて、こういう言い方が正しいのかわからないですが『原作を超えてきている』という気すらしました」と語る。これに対し永富プロデューサーは、「エネドラが死んだときのアフレコで、古川さんに『これで最後なので』と花束を渡して、盛大に送り出したんです。古川さんもすごく喜んでくれたんですが、その翌週くらいに原作のほうで(エネドラのその後の姿である)エネドラッドが出てきちゃって。その後古川さんとアフレコ現場であったとき、(気まずくて)お互い下を向いていました(笑)」と明かす。

三雲修というキャラクターについて問われた梶は、「“持たざるメガネ”なんて言われることもありますが、すごく考えている人で自分が『こうあるべきだ』と思ったら曲げないところがあって。だからカッコいいしみんながついてくるんだと思うんです。僕は『ワールドトリガー』は空閑と修のダブル主役という気持ちでいますが、修は『主人公ってこうあってほしい』という存在。強い力がなくても、彼の言うことや考えることにみんながついてきて力を貸したくなるような人物だなと感じています」と思いを吐露する。中村は梶のコメントに対し、「“持たざるもの”である修が作品の真ん中にいるのはすごく大事だと思うんです。ほかのキャラはみんな戦闘において秀でたものを持っていますが、それゆえに余裕がありすぎるので(修のように)死に物狂いでいる人がいないと、観ている人の気持ちを揺さぶれないし引っ張れないと思うんです。それを梶くんは(アフレコで)しっかりとぶつけてくれていて、梶くんの修が作品をすごく動かしてくれていました」と続ける。また「制作現場での思い出は?」という問いに対し中村は、「東映のスタジオは(都心から)遠いんですよ。我々の中で一番遠いとされているスタジオと同じくらい遠くて。そこにあれだけの人数の声優を集めた根性が素晴らしい(笑)」とぼやいた。

このほか会場では葦原のサイン入りグッズを賭けたクイズ大会や、アニメ内で放送されていた「ワールドトリガーを『100倍楽しむ講座』」の傑作選などを上映。最後に梶と中村は「またアニメもやれればいいな」と口を揃えて挨拶しトークイベントは終了した。