「ゆるキャン△」聖地で音楽祭開催、劇伴担当の立山秋航「全然ゆるくない!」

「秘密結社ブランケット音楽祭」の様子。

TVアニメ「ゆるキャン△」のイベント「第一回本栖高校学園祭」が、去る11月3日、山梨・旧下部中学校で開催された。

旧下部中学校は、作中で主人公たちが通う本栖高校のモデルとなった場所。校舎では「ゆるキャン△」に関する資料が展示され、校庭ではほうとうや厚切りベーコンといったフードやグッズを販売する店が並ぶ。充実した“聖地巡礼”を行ったファン、そして現地の身延町町民が集まる中、定刻の15時にチャイムが鳴り、メインイベントの「秘密結社ブランケット音楽祭」が始まった。

演奏に先立ち、本栖高校校長として身延町長の望月幹也氏が登場。原作者のあfろやアニメの製作委員会への感謝を述べ、「今日は晴れて本当に良かった」と作品のキャッチコピーを思わせるフレーズで挨拶を締める。続く本栖高校学園祭実行委員会委員長の深山光信氏は「クリキャン(クリスマスキャンプ)はあるんでしょうか。あるかもしれません」と語りつつ、「一度だけでなく何度でも身延町に来てほしい」とコメント。和やかな雰囲気の中、劇伴を担当した立山秋航率いるゆるキャン△アコースティックバンドの面々がステージに現れ、「キャンプ場のテーマ~本栖湖~」でライブをスタートさせた。

3曲を演奏し、立山は「まさかこんな機会が来るとは思っていなかった」と音楽祭の参加への経緯を語り始める。「ゆるキャン△」の音楽が好評だったため、立山はスタッフと「都内のライブハウスでおしゃべりを交えながら2、3曲やるようなゆるいコンサートでもできたらいいな」と話していたという。しかし山梨県の聖地で、500人以上の観客を前に最低1.5時間以上のライブをやることが急遽決定。「全然ゆるくない!」とコメントし、笑いを誘っていた。

「ゆるキャン△」はキャンプ場ごとにテーマ曲が作られており、音楽祭ではそのほかの劇伴を交えながら、作品で主人公たちが巡った順に演奏されていく。9人編成での演奏にはマンドリンやティンホイッスル、バンジョー、さらにキャンプ場で使うような鍋やフライパンまで使用され、ファンの耳を楽しませた。開始から1時間も過ぎた頃には日が落ち始め、雲も出てきて寒さを感じるように。すると立山の「野外は寒いし、演奏している方も疲れる。集中力が減ってきた。甘いものが欲しいな」という言葉を呼び水に、作中に登場しグッズとしても発売された「山梨銘菓しまりんだんご」のテーマ曲へ。「お団子お団子美味しい団子、もひとつもひとつちょうだいな」という中毒性の高いフレーズがリピートされた。

「キャンプ場のテーマ~朝霧高原~」の演奏が終わると、ステージに亜咲花が参加。「キャンプ行くよ!」という呼びかけからオープニングテーマ「SHINY DAYS」を生き生きと歌って大きな拍手を浴びる。続いてバンドにマンドリン担当として参加していた佐々木恵梨がセンターに立ち、歌ったのはエンディングテーマ「ふゆびより」。サプライズで登場した監督の京極義昭による挨拶を挟み、2人はアンコールに応じ揃ってステージに登場。「SHINY DAYS」をデュエットし、盛大に音楽祭の幕を下ろした。

音楽祭後には各務原なでしこ役の花守ゆみりからのビデオメッセージが上映される。「ゆるキャン△」が放送されたことで周囲の人とキャンプに行くようになり自分の世界が広がったこと、なでしこがいろんな人に愛される子になるよう演じたことなどを語りつつ、花守はファンへ深く感謝する。そしてイベントの最後の催しとなるキャンプファイヤーが開始。点火後、ステージに佐々木が現れ、ふたたび「ふゆびより」を歌唱。彼女の促しによってファンと町民が焚き火を囲みながら同曲を口ずさみ、聖地でのイベントは情緒たっぷりに締めくくられた。なお「秘密結社ブランケット音楽祭」の模様は、11月24日20時からYBSラジオにて放送される。

(c)あfろ・芳文社/野外活動サークル