物語の冒頭だけ募集するジャンプの新マンガ賞、優秀作は松井優征も続きを考える

週刊少年ジャンプ31号に掲載された「ジャンプスタートダッシュ漫画賞」の告知ページ。(c)松井優征/集英社

物語の冒頭部分だけを募集する、週刊少年ジャンプ(集英社)の新マンガ賞「ジャンプスタートダッシュ漫画賞」が創設された。

「ジャンプスタートダッシュ漫画賞」では、マンガの冒頭3~7枚の原稿を募集。審査員は「暗殺教室」の松井優征が務め、優秀作に選ばれた作品の冒頭以降を松井が一緒に考えてくれるという特権も与えられる。松井は「読み切り漫画の心臓部は、『描き出し』だと思っています」とコメントした上で、「『この漫画、最後まで読んでみてえ!』と思わせられるか、それだけがこの賞の選考基準の全てです。このコンセプトに共感して頂けるのであれば、ぜひとも力作をお待ちしてます!!」とメッセージを送った。

鉛筆書きの原稿も受け付けており、郵送のほかTwitterからの応募も可能。少年ジャンプ漫画賞の公式Twitterアカウント(@jump_mangasho)をフォローし、「#スタートダッシュ漫画賞」のタグを付けて原稿を投稿しよう。なお入選、準入選作は週刊少年ジャンプ本誌、佳作は同誌の増刊に掲載される。応募の締め切りは8月31日。

松井優征コメント

読み切り漫画の心臓部は、「描き出し」だと思っています。なので、この賞の審査員のお話を頂いたとき、二つ返事でお受けしました。漫画新人賞の審査をさせて頂く時よく目にするのが、「展開が遅い」作品です。酷い時には、10ページを超えるまで主人公が出てこない時もあります。新人さんの読み切りでは、「この漫画はどういう漫画で、こういう要素が売りなんです」という事を始まってすぐに示せなければ、お客はすぐに読むのをやめてしまいます。だからこそ、読者を引き付ける強い「描きだし」が必要なのです。
もちろん、才能ある方はどんな描き出しだろうが最後まで読ませられると思います。ただ、「どんな手段を使ってでも世に出たい」と考えている新人さんがいらっしゃったら、手段のひとつとして、こういう賞にチャレンジされてみるのはいかがでしょうか。
ハッタリでも、出オチでも、勢いだけでも、後先考えてなくても構いません。とにかくインパクトのある描きだしを作ってみて下さい。整合性など後からどうとでもなります。そんな細かい事より、最初の数ページで読者を引き付ける事の方がずっと価値がある事だと思います。
「この漫画、最後まで読んでみてえ!」と思わせられるか、それだけがこの賞の選考基準の全てです。このコンセプトに共感して頂けるのであれば、ぜひとも力作をお待ちしてます!!