「映画たんプリ」アランとレインは初期原案ではオッドアイ、スタッフトークで限定公開
「映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密」のスタッフトーク付き応援上映第2弾が、10月29日に東京・新宿バルト9にて開催された。上映後のステージには、上田華子監督、東映アニメーションの中川真緒プロデューサー、ABCアニメーションの多田香奈子プロデューサーが登壇した。
温かい拍手に包まれながら3人が姿を見せると、まずは最新の興行成績が発表された。10月28日時点で興行収入13.1億円、動員数103万人を突破し、映画「プリキュア」シリーズの単独作品として歴代最高の興行収入を記録したと明かされる。中川プロデューサーは「こんなにも早くうれしい知らせが届くとは思っていなかったので、本当に胸がいっぱいです」と喜びを口にした。
かりん、アラン、レインの初期原案を限定公開
トークパートでは、事前にSNSで募った質問に答える形式で進行。映画オリジナルキャラクターであるかりん、アラン、レインのデザインについて問う質問には、キャラクターデザイン・総作画監督を務める宮本絵美子の回答が紹介された。かりんはプリキュアになれるほどのかわいらしさを意識し、アランは一見爽やかな好青年の内面に抱える迷いとのギャップを重視。またその迷いから生まれたレインには、アランの真っ直ぐな思いを反映させつつ、どちらが事件の鍵を握るのか外見だけでは判断できないバランスを目指したという。
続いて、上田監督の手がけた3人の初期デザイン原案がスクリーンに映し出されると、会場からはどよめきが。上田監督が「DVDやBlu-rayのブックレットにも載らない、完全未公開のものです」と紹介するや、客席からは大きな歓声が上がった。初期案ではアランとレインにそれぞれオッドアイが採用されており、中川プロデューサーも「このレインも好きだった」と当時を振り返った。また当初はおとなしい印象だったかりんに対し、制作を進める中で、上田監督が「もう少し元気さや芯のある感じを」とオーダーした経緯を説明。中川プロデューサーも「プリキュアに変身すると思って描いてください」と後押ししたエピソードを明かし、上田監督は「心情の描写が難しいキャラクターだからこそ、皆さんに愛されてほしいという思いがありました」と語った。
劇中に登場する挿入歌、エンディング主題歌についての質問には、音楽を担当した馬瀬みさきからのコメントを紹介。作品のキーワードである「一歩踏み出す」に着目し、挿入歌には前へと進む力を、エンディング主題歌にはその一歩を支え観客の明日へと寄り添う思いを込めたと明かした。上田監督も発注時のこだわりを紹介。挿入歌「First Step」にはかりんのもとへ走るプリキュアを力強く後押しする疾走感を、エンディング主題歌「FIRST PRISM」には穏やかな余韻から徐々にアップテンポへ転じ、かわいらしいダンスへとつながる曲調をリクエストしたという。中川プロデューサーも「好きすぎて自分でリリックビデオを制作しました。ぜひたくさん再生してください」と客席へ呼びかけた。
フューチャーフォームのおすすめポイントを紹介「少しお姉さんっぽさも意識」
また、SNSの質問募集には、TVシリーズでキャラクターデザインを手がける矢野茜からの投稿があったことが明かされた。映画限定「フューチャーフォーム」のお気に入りポイントを尋ねる内容に、まずは宮本からのメッセージを代読。「こだわったのは軽さ。一歩前へ、というテーマに合わせた軽やかさと、少しお姉さんっぽさを意識しました」との回答が紹介された。続けて登壇者3人もそれぞれのお気に入りポイントを披露。上田監督がキュアアンサーのツインテールに忍ばせたハート型の隙間を挙げれば、中川プロデューサーはキュアミスティックの三つ編みのボリューム感を、多田プロデューサーはキュアエクレールの存在感ある大きなハットをアピールした。
続いて、上田監督によるティザービジュアルの初期ラフ案5点も公開。「サンキャッチャーを活かしつつ、ストーリーを推理してもらえる構図を意識した」と語る上田監督に対し、中川プロデューサーは「5案上がってきたときはどれもよすぎて選べなかった」と振り返る。最終案の決定に際し、多田プロデューサーは「妖精たち、主にジェット先輩が後頭部しか見えていなくてかなり話し合った」と笑いを誘うと、上田監督は「ティザーだし、思い切ってインパクトを重視しようと決断しました」と採用までの舞台裏を語った。
「誰かに悩みを打ち明けるための一歩になれば」
宮本、馬瀬のメッセージの代読を経て、登壇者たちが最後の挨拶へ。長年シリーズに携わってきた多田プロデューサーは「なぜプリキュアは20年以上も愛され続けているのか。その最大の理由は『ずっと綺麗事を言い続けているから』だと思う。世界を少しずつよい方向に変えていく理想を、胸を張って周りに伝えていってほしい」と力強く呼びかけた。中川プロデューサーは、自身が「ふたりはプリキュア」世代だということを明かし、「ダメな自分でもいい、そこから一歩踏み出せばいいんだと思える作品。皆さんにとっても日々の生活で『ちょっとがんばってみよう』と思えるきっかけになれば」と思いを伝えた。最後に上田監督は手紙を取り出し、「現代は情報が溢れ、自分の意見を持つことが難しい時代。だからこそ自分をダメだと思ってしまう心という葛藤に挑んだ」と製作時の苦悩を回想。「企画立ち上げから支えてくれた中川プロデューサーのおかげで、不安を分け合う大切さを学べた。この映画が誰かに悩みを打ち明けるための一歩になればうれしい」と温かい言葉で締めくくり、イベントは大きな拍手の中で幕を閉じた。
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