公開から12年「劇場版『進撃の巨人』前編」梶裕貴、荒木哲郎、澤野弘之が裏話を披露

左から澤野弘之、梶裕貴、荒木哲郎監督

諫山創原作による「劇場版『進撃の巨人』前編~紅蓮の弓矢~」SCREENXの公開記念舞台挨拶が、本日10月25日に東京・TOHOシネマズ池袋で開催され、エレン・イェーガー役の梶裕貴、監督の荒木哲郎、音楽担当の澤野弘之が登壇した。

公開から早12年

「劇場版『進撃の巨人』前編~紅蓮の弓矢~」は、2013年4月から9月まで放送されたTVアニメSeason 1の全25話を再編集した劇場版2部作の前編。10月23日より、シリーズ初となるSCREENXのほか、4DX、ULTRA 4DXでも上映されている。同作が公開されてから、12年の月日が流れたことに驚きを隠せない面々。梶は当時の自身の声の若さに感慨を覚えた様子を見せる。もともと原作ファンだった荒木監督は、自身が監督を務めるならどう映像化するかと当時妄想していた過去を述べつつ、「進撃の巨人」のアニメ化にあたっては多数の制作会社による争奪戦が繰り広げられていたという裏話を披露。監督に決まった瞬間の喜びを熱っぽく伝えた。

一度オファーを断ってしまった

さらに、当時タイトルを伏せて行われたイベントで、アニメ化を発表した際の初公開映像についてトークを展開。“超大型巨人”と“立体機動装置”という2つの要素が入っていたものの、その時点ではまだ澤野の音楽が使われておらず、エレンの声も梶のオーディションのときの音声が使われたという秘話が飛び出した。また、劇伴のオファーを受けたときの感想を聞かれた澤野は、「ほかの作品のスケジュールがわからず、引き受けられないと思って、一度オファーを断ってしまったんですよ。でももう一度、荒木監督とプロデューサーが当時の事務所までわざわざ来てくださって、なんとしてもやりたいなと」と振り返り、もしオファーを受けていなかったら、今の地位はなかったと続ける。

また、音楽のディレクションについて質問がおよぶと、荒木監督は音響監督の三間雅文と話し合いつつ、澤野の楽曲をフィルムにあてるのが人生の趣味と断言。澤野の制作したサウンドトラックを日々聴き込み、脳内にインストールし、シーンごとの最適な選曲を行っていたのだという。荒木監督はそんな澤野を“遊び道具をくれる人”と表現。澤野は、「作った曲をどう荒木さんに遊んでもらえるかを楽しみにしながら観ています。意外だったのは、戦闘曲の1曲として作った『The Reluctant Heroes(ザリラクタントヒーローズ)』がリヴァイの登場のシーンに使われていたこと。リヴァイ用の楽曲として作った曲ではなかったので、意外でしたね」と、驚きを語った。

梶は“狂気を持っているいい人”

エレンの声を初めて聞いたときの印象を尋ねられると、荒木監督はまず梶を“狂気を持っているいい人”と説明。前の出演作から演技を聞いていたこともあり、梶がエレンに合うことは予想していたと述べる。それまでアルミンのようなタイプの役が多かったという梶は、オファーを受けた際は意外だったとしながらも、「エレンは演じれば演じるほど、自分の中に『ああ、いるわこいつ』という感覚になっていって。監督は早いところ、その狂気を感じ取っていてくださったんだなって」と腑に落ちた様子を見せる。それを受けて荒木監督は、「シリーズ後半になってくると、梶さんや(アルミン役の)井上(麻里奈)さんから、直接(キャラクター)本人の意見を聞くって気持ちで意見を聞いてました。梶さんがここで叫ぶ気持ちにならないなら(エレンも)そうなんだなと」と、キャスト陣への強い信頼を覗かせる。梶は「現場でどうディスカッションしてゴールにたどり着くか。作品をいいものにしようという熱量とベクトルが同じだったことが、いい形に落ち着いたという最大の要因」と、制作現場の結束力を称えた。

平和に結び付けてくれる作品

最後の挨拶で澤野は、今日ここに梶、荒木監督と3人で立てたことにうれしさを滲ませる。PCで「劇場版『進撃の巨人』前編~紅蓮の弓矢~」を見直してきたという荒木監督は、「すべてがうまくいっているとは言えないけど、原作が好きだから、この作品をいい形で届けよう、絶対に変なものにしてはいけないという気持ちを、自分でも(画面から)ビシビシ感じたんです。改めていいなって思えたので、皆さんにも観ていただけたら」とメッセージを寄せる。梶は12年という月日に思いを馳せながら、「世界中で挨拶をさせていただくときも言葉や文化、宗教を超えて、1つの作品をみんなが好きっていう気持ちで一堂に会する。その尊さもそうですし、戦いを描いていますが、平和に結び付けてくれる、そういうメッセージがある作品だなと感じています」と実感を込めて話す。そして、「心臓を捧げよ!」という恒例のコール&レスポンスでは、梶が実はエレンは1回も作中でそのセリフを発したことがないという意外なエピソードを明かし、イベントを締めくくった。

「劇場版『進撃の巨人』前編~紅蓮の弓矢~」

SCREENX、4DX、ULTRA 4DXにて、2026年10月23日(金)より公開中

「劇場版『進撃の巨人』完結編 THE LAST ATTACK」

SCREENX、4DX、ULTRA 4DXにて、2027年に公開

©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会