水瀬藍&くまがい杏子、20年ともに走った2人が原画展で約束「今後も手を取り合おう」
水瀬藍とくまがい杏子の合同原画展「水瀬藍&くまがい杏子画業20周年記念原画展~みなくま展~」が、本日1月9日から2月1日まで東京・有楽町マルイで開催される。前日には2人が会場を訪れ、記者の取材に応じた。
合同原画展はドッキリだと……
Sho-Comi(小学館)の看板作家として、長年誌面を牽引してきた2人。合同原画展の開催について、水瀬は「くまがい先生とは同期でデビュー当時からずっと一緒にやってきたので、20年経ってこうして一緒にイベントをできることがすごくうれしいです」とにこやかな表情で話す。一方のくまがいは、「ずっと実感がわかなくて、さっきまでドッキリを仕掛けられてるんじゃないかと疑っていました(笑)。でも実際に展示を見ると、『がんばってきてよかったな』と改めて思いますね。やっぱり、ずっと見てくれていた読者さんにこうして恩返しできることが何よりうれしいです」と喜びを噛みしめるように語った。
もう、全部がかわいい!
本展はバルーンや花々で彩られた「青春ヘビーローテーション」「チョコレート・ヴァンパイア」のフォトスポット、それぞれの違いが感じられる仕事机の再現コーナーなど、原画以外の見どころも多数。会場を巡った感想を聞くと、水瀬は「もう、全部がかわいい! 完成度というか、没入感がすごいです。少女マンガの世界を丁寧に表現してくださっていました」と感動を伝える。くまがいは「ここに来るまでは大丈夫かな……という不安な気持ちもあったんですが、実際に展示を目にすると本当に全部が素晴らしくって。一緒に写真が撮れたり、原画を鑑賞できるだけでなく、作品世界に没入できるような演出のコーナーがあったり……。“ときめき”を重視した、すごくいい空間だなと思いました」とコメントした。
修羅場を感じられる1枚の原稿
会場では読者が選んだベストシーンに加え、水瀬とくまがいが互いの作品から選んだ推しシーンの原画展示も楽しめる。ここで記者が、自分の作品ならどの原画を特に見てほしいかと質問。この問いに対し、水瀬は「『なみだうさぎ』や『ハチミツにはつこい』は、新人に近い頃に全力投球で描いた作品なので、そのときにしか描けなかった原稿になっているのかなと思います。特に『なみだうさぎ』の原稿はぜひ注目してほしいです」と答える。続けて、くまがいは「原画を改めて見て気づいたんですが、『片翼のラビリンス』で司の顔にカッターの切り込み線が入ってるんですよ。というのも当時は本当に修羅場で、髪の毛の艶ベタとそれより下のトーンを別々のアシスタントさんにお願いするため、顔の真ん中でスパッと原稿を切ったんです。本当にヤバかったんだなというのが感じ取れると思うので、そこも含めて見ていただきたいです」と明かし、笑いを誘った。
20年で変わったこと、変わらないこと
「なみだうさぎ~制服の片想い~」「ハチミツにはつこい」「青春ヘビーローテーション」、そして「あやかし緋扇」「チョコレート・ヴァンパイア」「東京§神狼」と、これまで数々の作品を発表してきた水瀬とくまがい。画業20年で変わったこと、変わらないことを聞かれると、水瀬は「変わったところは、力を抜ける部分は抜けるようになったことでしょうか。変わらないのはやっぱり、“少女マンガ”であること。『これは少女マンガなんだ』っていうキラキラさは、ずっと大事にしていると思います」と自身の信念を口にする。くまがいも水瀬の発言に「肩の力は抜けるようになった」と大きく共感。改めて水瀬は、「力を抜くというのは、ある種の“余裕”がないとできないこと。それはやっぱり、20年経った今だからこそできるようになった気がします」と実感を込めて語った。
出会った頃の思い出
最後に互いの存在について尋ねると、2人からは「当たり前にいるというか……なんというか、当たり前にいなくならない存在」「周りの顔ぶれが変わっていく中でも、ずっと変わらずにいてくれる」と、言葉を選びながら、確かな絆を感じさせるような答えが返ってくる。初めての出会いに話がおよぶと、水瀬は「最初の担当編集者さんが同じだったから、よく話したんだよね。くまがい先生が山口出身で同じ中国地方だって知って心を開いたんだよ。『わー、一緒! こっち(西日本)の国だ!』って。海に行ったらタモで魚獲るよね、っていう話で盛り上がったじゃん」と懐かしそうにエピソードを披露する。
休みたくなったら、そのときも一緒に
現在もマメに連絡し合うわけではないが、原稿が大変なときには励まし合うという2人。水瀬が「くまがい先生がいなかったら、私は今ここにいないかもしれない。くまきょーがいるから、私もまだがんばろうって思える」と語ると、くまがいも「うんうん」と深く頷く。どちらかが走り続ける限りは、この先30周年、40周年の合同展も期待できるのではと記者が投げかけると、水瀬は「どうかなー?」と困ったような表情で笑いつつ、「ちょっと疲れたら『休もうよ』って引っ張っちゃうかも」とおどけてみせる。くまがいも「『よし、休もう!』ってね」と乗っかると、水瀬が「手を取り合ってね」と応え、2人は今後も一緒に歩んでいくことを約束した。
「水瀬藍&くまがい杏子画業20周年記念原画展~みなくま展~」
期間:2026年1月9日(金)~2月1日(日)
時間:11:00~20:00 ※最終日2月1日は17:00閉場
会場:有楽町マルイ8F イベントスペース
