「ガンダムW」緑川光が役を射止めたときを振り返る 楽曲の生演奏や5人の生アフレコも

左から永岡ゆきお、石野竜三、関俊彦、緑川 光、折笠愛、中原茂、大谷幸、室屋光一郎

アニメ「新機動戦記ガンダムW」の30周年を記念したディナーショー「新機動戦記ガンダムW 30周年記念ディナーショー -Operation Reunion-(オペレーション・リユニオン)」が、去る12月27日に東京のザ・プリンスパークタワー東京で開催され、ヒイロ・ユイ役の緑川光、デュオ・マックスウェル役の関俊彦、トロワ・バートン役の中原茂、カトル・ラバーバ・ウィナー役の折笠愛、張五飛役の石野竜三、音楽を手がけた大谷幸、バイオリン担当の室屋光一郎が集結。MCは「ガンダム」ファンの永岡ゆきおが務めた。

昼の部は「新機動戦記ガンダムW Original Soundtrack – Operation 1」より、大谷と室屋による「永遠と無限をこの手に」の生演奏からスタート。続いてリリーナがスクリーンに映し出され、開幕の挨拶の後に「ヒイロ……あとをお願いします」とメッセージを送る。すると「……任務了解!」というセリフを皮切りに、会場後方からドレスアップした緑川、関、中原、折笠、石野が姿を現した。会場が大きな拍手に包まれる中、TWO-MIXのオープニングテーマ「RHYTHM EMOTION」に乗せ、声優陣がそれぞれ熱い掛け合いを披露。約30年の時を経ても変わらぬ声に、客席から歓喜の声が湧き上がる。また緑川がディナーショーのタイトルでもある「Operation Reunion」と書かれた封筒を受け取ると、「ディナーショー? そんなものに俺は参加はしない……」と言いながら招待状を破るという、TVシリーズ第1話をオマージュしたリアクションを見せると、会場も大いに盛り上がった。

「リリーナの頼みか……仕方ない……Operation Reunion、任務開始(ミッションコメンス)……」というヒイロのセリフの後、テーブルの間を手を振りながらステージへ進んだ5人が、改めて来場したファンへ挨拶。トップバッターの緑川は「最近、なかなか厳しくて言えないこのセリフ、お届けします」と前置きしてから、ヒイロの名セリフ「……お前を殺す」と口にすると、大きな歓声が沸き起こった。関も「皆さん、ようこそお越しくださいました!」と、デュオらしく元気いっぱいにコメント。続く中原は、「今日は30周年を一緒に楽しくお祝いしましょう!」と呼びかけた。折笠は「今日、みんなと楽しめるかどうか、宇宙の心が教えてくれる!」と、カトルの名セリフを交えて挨拶。石野も「聞こえているか、女! それと男! それ以外!楽しむ限り、俺はお前を殺さない」という五飛のセリフをアレンジした声掛けで盛り上げた。

続いて、コックコート姿のガンダムパイロットたちが、本日提供されるスペシャルメニューを紹介するコーナーへ。前菜には、トロワがステージで使うピエロの仮面をイメージした「生ハムの仮面を付けたトラウトサーモンのタルタルにモッツアレラチーズのカプレーゼをしのばせて」が用意された 。トロワの「食べ終わったあと、もし気にいってくれたなら、拍手とブラボーをお願いする」というメッセージに、すかさずカトルが「半分の仮面だけでも、もうブラボーですよ」と答える、2人の仲の良さが伺えるやりとりも。スープには、五飛の遠い故郷を思い起こさせる「ズワイ蟹入りフカヒレスープ アルトロングリーンソース仕立て」が用意され、五飛は「ソースがオレのイメージカラーであるところのグリーンをアピールしているのだ!」と力強く発言する。ヒイロは、チコリーをウイングガンダムゼロの羽根に見立てたメインディッシュ「真鯛のソテー ブールブランソース チコリーのウイング」を紹介。ヒイロがこのメニューに「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」での名セリフから「確認する……シェルターは完璧なんだな? シェルターは完璧なんだな?」と勝手に命名したことを明かすと、会場のそこかしこから笑い声が漏れた。続くデュオももう1つのメインディッシュ「牛フィレの肉のポワレ モンドール風 デスサイズの鎌に見立てた野菜添え芳醇なマデラワインソース」を、勝手に「天国への招待状」と命名したと告げる。最後のデザートは、カトルをイメージした「フォンダンショコラ デュカスパイス香るアングレーズソース 音符のしらべ」。ト音記号のチョコが、音楽好きな彼のために添えられたとのことで、カトルはシェフとパティシエへ感謝を述べた。

緑川による乾杯の後は、TWO-MIXが今日のためだけにミックスした「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」の主題歌「WHITE REFLECTION」が流れる中、再びキャスト陣がテーブルラウンドを実施。観客はキャスト陣が選んだアニメシリーズの名シーンとともに、豪華なディナーを心ゆくまで楽しんだ。食事の後は、5人によるクロストークのコーナーへ。当時のアフレコ収録から揃うことはなかなかなかったという5人は、30年の時を経て一堂に会したことに感慨深げな様子を見せる。オーディションの話題では、ヒイロ役を射止めた緑川が、小学生の頃から「機動戦士ガンダム」に憧れて、シリアスなロボットアニメの主人公を演じてみたいと願っていたものの、オーディションではあまりにもライバルが多く主役は難しいと考え、五飛役にターゲットを絞ったことを明かす。しかし、ヒイロ役の演技中に五飛に用意していた演技プランを放出したことから、絶対落ちたと思い落ち込んで帰ったという緑川。自身がヒイロ役に決定したことは、トレーズ役の置鮎龍太郎から、別作品の打ち上げの場で聞かされたそうで、思いがけない場での連絡に戸惑いを隠せなかったと言い、会場の笑いを誘った。最後にキャスティングされたという折笠は、音響監督の浦上靖夫にスタジオに呼ばれ、カトル役に選ばれたことを告げ、「ガンダムには敵役の、ちょっと強い女性役で出演したかった」と続ける。関は登場キャラクターが多いため、デュオの出番が久しぶりにあるタイミングでの取材で、アニメ誌の記者に「今、どんな状況なんですか?」と、ストーリーについて聞いたエピソードを語った。中原はアフレコ終了後に、サンライズの富岡秀行プロデューサーや、シリーズ構成の隅沢克之と飲みに行っていたと言い、石野は病気後の復帰作だったこともあり、毎回のアフレコで必死だったと振り返った。

シリーズ構成・隅沢克之とTWO-MIXからは祝電が到着。置鮎からのビデオレターも上映され、トレーズのキャラクターソング「星屑の戦士たち」の一節を口ずさむサービスに、ファンたちは歓声を上げた。「さあ、人々に『安らぎ』を! 戦士には『栄光』を! 敗者には『慰め』を!エレガントにレディ……」というトレーズの口上を挟み、大谷によるライブコーナーへ。ディナーショー用に書き下ろされたという新曲「Hymn for GUNDAM W.戦争への不安、恐怖、狂気そして祈り」に加え、「任務遂行」「思春期を殺した少年の翼」がアニメ映像と一緒に届けられた。大谷は新曲について、放送から30年経った今も変わらない戦争への恐怖や不安、そしてすべての人が抱く平和への祈りを込めたことを伝える。ゼクス・マーキス役の子安武人からのお祝いのボイスメールを公開。子安の紹介で、数少ないガンダムパイロットたちが共闘する第44話以後のストーリーに、本編未公開の“発進シークエンス”を盛り込んだ生アフレココーナーが展開された。そしてリリーナ役の矢島晶子からの映像コメントを上映。矢島のリクエストにより、最終第49話の生アフレコが実現した。アニメ映像と連動した派手な照明の演出を添え、熱いストーリーを演じきった5人のキャストに、会場からは大きな拍手が贈られた。

最後には、5人からの少し遅いクリスマスプレゼントとして「WHITE REFLECTION」のスペシャルライブが実現。色とりどりのペンライトが輝く会場で、5人は熱い歌声を響かせた。緑川は自爆スイッチを押し、関、折笠、中原、石野がバズーカ砲を放つというサプライズも届けられ、ディナーショーは盛況の内に幕が降ろされた。なおディナーショーで販売されたグッズは事後物販を予定。その詳細は後日発表される。

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