「遠野物語」を「言葉の獣」の鯨庭がマンガ化、名著コミカライズ企画「KMC」の第2弾
柳田国男「遠野物語」を、「言葉の獣」の鯨庭がコミカライズ。本日9月20日にKADOKAWAのレーベル・KADOKAWA Masterpiece Comics(KMC)から発売された。
「遠野物語」は、岩手・遠野郷に残る言い伝えを民話蒐集家の佐々木喜善が語り継ぎ、それを柳田が筆記し、現地での調査を経て編纂する形で出版された逸話集。日本人の死生観や自然観が凝縮された物語の数々は「日本民俗学の出発点になった」とも称される。コミカライズ版には「馬と花冠」「河童の子」「狐は夢」「おおかみがいた」の4編と、プロローグ、エピローグ、柳田國男研究を行っている大学教授・石井正己の各話解説が収められた。
同作をリリースするKMCは、世界中で愛されてきた名著や隠れた名作など、100年後も“マスターピース”間違いなしの物語を厳選し、現代性やエンターテイメント性にこだわったコミカライズ版を制作するシリーズ企画。第1弾作品としてポール・ギャリコ原作による沙嶋カタナ「猫語の教科書」が刊行されており、11月には第3弾作品のパウロ・コエーリョ原作による中村環「アルケミスト」の発売が控えている。
KMCは「遠野物語」の発売を記念したプレゼントキャンペーンを公式Xアカウントで開催。対象ポストのリポスト数に応じて賞品が追加されていく仕組みで、図書カードネットギフト1000円分、原作文庫「新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺」、鯨庭描き下ろし特別壁紙データ、KMC第3弾タイトル「アルケミスト」の単行本が抽選で当たる。応募期間は10月11日まで。応募方法や詳細はKMC公式Xアカウントの告知で確認を。
ロバート キャンベル(日本文学研究者)推薦コメント
おぼろげな目線の先に、色んな境目が見える。狐の脚も、少女の目も、草木の匂いまでも絵から立ちのぼるようだ。
私はこの森に迷っていたい。