「俺ガイル」ファンのエネルギー浴びた江口拓也が満面の笑み「この空間やっぱいいわ!」
アニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」のイベント「俺ガイルFes.10th」が、本日2月17日に東京・FOSTERホールにて開催された。コミックナタリーでは夜公演の模様をレポートする。
渡航の小説を原作とした「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」は、ひねくれ者で友達のいない主人公・比企谷八幡が、冷血な美少女・雪ノ下雪乃が部長を務める“奉仕部”に入部するところから始まる物語。アニメは1期が2013年、2期が2015年、3期が2020年に放送された。イベント冒頭には八幡役の江口拓也、イベントMCを務める戸部翔役の堀井茶渡がユニット“えぐちゃど”を名乗って登場し、イベントでの注意事項をアナウンス。その後渡が現れ、「その青は月日に褪せても変わらず青い」を歌うことに。自分の歌唱パートはイベントの“チュートリアル”であるため欠くことはできないというジョークを飛ばしつつ、渡は明るい歌声で会場を盛り上げた。
ここで、雪乃役の早見沙織、由比ヶ浜結衣役の東山奈央、一色いろは役の佐倉綾音、比企谷小町役の悠木碧が客席から登場。東山は「やっはろー」という結衣の挨拶を観客たちに投げかけつつ、ステージへと向かう。壇上に揃ったキャストたちは1人ずつ観客に挨拶。佐倉がいろはの声音でかわいらしく「先輩!」と呼びかけると、客席からは絶叫に近い歓声が上がる。悠木は大きく手を振りながら、会場に詰めかけた“ゴミいちゃん”たちを歓迎していた。
続いて「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の10年間を歌で振り返るライブコーナーに。まずはアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」のオープニングテーマを3期連続で担当したやなぎなぎが登場し、1期オープニングテーマの「ユキトキ」を披露する。その後江口が八幡のキャラクターソング「going going alone way!」を熱唱。このライブパートではキャスト陣とやなぎが代わるがわる登場しながら、「ヒマワリ Good Days」「雪解けに咲いた花」「Hello Alone」「春擬き」「本物が欲しければ」「かしこガール」「ハッピーエンドのそばで」「エブリデイワールド」「芽ぐみの雨」「今という未来へ」「Lの感情」「エブリデイ is パーフェクト」「ダイヤモンドの純度」の15曲を立て続けに披露した。ステージに戻ってきた江口たちは、さまざまな楽曲を通じて作中の名場面が思い起こされた様子。江口はライブを舞台袖で見守っていた堀井と渡がユニークな踊りを披露していたことを暴露し、佐倉はその様子を撮影していたことを明かした。
トークパートでは「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」公式検定の特別企画として、場面カットの一部を見てどのシーンか当てる「場面写検定」を実施。第1問ではこげ茶色の模様のみを残した場面カットが表示される。すでにピンときた様子の観客たちに焦りながら、江口たちは“ヒッキーの心の中”“カステラから剥がしたシート”などと回答。正解は1期第1話で登場した結衣のクッキーで、キャスト陣は序盤から歯ごたえのあるクイズに頭を悩ませた。
クイズと並行して、思い出トークが止まらないキャストたち。平塚静とのドライブシーンを切り取った2期第8話のワンシーンが写し出されると、早見はこのエピソードの平塚のセリフに心を打たれメモを取っていたことを明かす。普段から気に入ったセリフを書き留める習慣がある早見はこのときメモが止まらなかったようで「全文メモしてしまって、気が付いたら台本を書き写しただけでしたね」と笑った。いろはが「先輩、今付き合ってる人って…いますか?」と八幡に問う2期第11話の場面カットを見た佐倉は、あざといいろはの言動の数々が渡から生まれたことについて疑問を浮かべる。渡が執筆している姿を見たことがないという理由などから、佐倉は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の執筆はゴーストライターであるという疑惑を抱いていた。
2期第13話で八幡と雪乃、結衣が観覧車に乗るシーンでは東山が収録時の思い出を語る。観覧車のシーンが当時は原作で描かれておらず、演技をするうえで参考にできるものが台本しなかったことから東山は「(現場にいた)渡先生をとっ捕まえて『ここはこういうことですか?』『これは?』といろいろお聞きしました」と回想。当時の東山の姿は江口も早見も目にしており、台本にびっしりと付箋が貼られていたことや、部屋の隅で渡と話し合う様子などが語られた。その際渡はハンカチで汗を拭き、恐縮しつつ東山の質問に答えていたという江口の“証言”により、佐倉は「やっぱりそっちは(原作を)書いてるほうの渡航じゃなかったんじゃ……」と疑惑を深めていた。
クイズコーナーも3期のパートに差しかかり、スクリーンには目じりに涙を浮かべる八幡のみを残した場面カットが。ピンと来ていない様子の江口に観客から「えー!」という声が浴びせられる中、堀井はこのシーンは小町が三つ指を付いて八幡に「お世話になりました」とお礼を伝える様子だと正解を発表する。このときの小町について悠木は「照れずに家族へちゃんとお礼を言うことができる小町は、マジで大人だなと思いました」と感心していた。
トークの終わり際、会場にはどこかからエンジンのような音が鳴り響き、ミニバギーに乗った渡が現れる。バギーの荷台には朗読劇の台本が積まれており、キャストたちは渡がイベントのために書き下ろしたシナリオを披露。劇中では他校に異動が決まった平塚のために、八幡たちがイベントを企画しようとする。雑用係として呼んだ戸部も交えて内容を練っていると、アラサー女性が喜ぶ大人のためのイベントという案が。結衣と雪乃は大人の女性になりきって考えようとするも、「全力アンチエイジングね、わかるわ」「大人のための“いいイベント”に必要なものは、金兵衛、津多屋、オーベルジーヌ。いい弁当、いーべんと……」と方向性がズレてきてしまう。2人に釣られて八幡と戸部も悲しいアラサー観を披露してしまい、いろはと小町から痛烈なツッコミを入れられていた。
イベントではこのほか、昨年復活した「江口拓也のぼっちラジオ。」のジングルを公開収録する場面も。このジングルはすべて江口のボイスパーカッションのみで構成されており、今回、主旋律以外の音声を早見、東山、佐倉、悠木が声で表現することに挑む。江口のフリーダムなメロディに対抗するよう、女性陣は甲高い笑い声や怯える子供の叫び声など思い思いの音を発する。壇上のカオスな様子に会場は笑い声に包まれた。また、昨日2月16日に発売されたばかりのアルバム「やはりこのキャラソンはまちがっている。~10th Anniversary~」に収録された新曲「to be continued」を早見と東山が生披露したほか、やなぎが10周年記念ソング「ユキハルアメ」を歌唱。やなぎは楽曲について「『ユキトキ』『春擬き』『芽ぐみの雨』を経た、10年の思いをギュっと詰めました」と語った。
最後にキャスト陣と渡はファンに挨拶をし、10年間の思い出と作品を支え続けてくれた人々への感謝を語っていく。江口は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」と歩んだ10年間への強い思い入れや、前回のイベント「俺ガイルFes.2019」で大きく感情が動かされたことを述べる。4年越しに会場に集ったファンのエネルギーを浴び、江口は「この空間やっぱいいわ!と確信しました」と笑顔。作品への引き続きの声援を呼びかけ、イベントを締めくくった。