今日は何の日?~マンガで覚えるたのしい記念日~ 第7回 7月26日は「幽霊の日」
カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。本日7月26日は「幽霊の日」にちなんで、幽霊マンガをご紹介します。猛暑が続く中で電力不足も騒がれ、涼を取るのも一苦労な昨今。幽霊マンガで肝を冷やせば、背筋も凍って冷房いらず!?
文・構成 / コミックナタリー編集部
小野寺浩二×石黒正数「ソレミテ~それでも霊が見てみたい~」(少年画報社)
ぜったい幽霊を見たい大人たちの、飽くなき挑戦の記録
めがねっ娘大好きマンガ家・小野寺浩二と「それでも町は廻っている」の石黒正数、2人は心霊現象が大好物。けれども、彼らの前に霊はついぞ現れない。好奇心旺盛な2人は、待っていても現れないならこちらから行くまでと、怖がりな編集者も巻き添えにして心霊スポット巡りをすることに。自殺者もいるといういわくつきの霊園、現在は営業していない廃キャンプ場に続くトンネル……取材時間は当然いつも深夜。人の立ち入らない場所ならば危険なこともあるかもしれない。そんな苦労をしても、結局は霊など見られないかもしれない。だけれど、彼らが心霊スポットに向かう姿はとても楽しそう。だって2人は「それでも霊が見てみたい」のだから。
タイム涼介「I.C.U.」(KADOKAWA)
「セブンティウイザン」のタイム涼介はホラーミステリーも描いている
タイム涼介といえば、「セブンティウイザン」の作者という印象が強いかもしれない。70歳での超高齢出産と、そこから始まる老夫婦の育児を描いた同作は反響を呼び、TVドラマ化もされた人気作だ。そんなハートフルコメディの名手としてタイムを知る読者が、「I.C.U.」を手に取ったらどんな反応を示すだろうか。人間が崩れたようなグロテスクなビジュアルの幽霊を描き、その幽霊を退治するのはデリヘルを愛用するような生臭い霊能者。作風の違いに面食らうかも知れない。しかし「タイム涼介作品」として見たとき、不思議と両作品が衝突することはない。育児とホラーミステリーというまったく違うジャンルを作家性でブリッジし新たな作品に出会うことは、喜びに溢れた読書体験と言えよう。
那州雪絵「誰か―STRANGER」(白泉社)
春休みの女子寮で過ごす4人──昨日までは3人だったのに
春休みに家に帰らず、専門学校の寮に残った4人の女子たち。昨日までは3人だったのに、増えた1人が誰なのかは記憶に目隠しをされたようにわからない。その原因となったのは、1人ずつ怪談を披露してロウソクの火を消し、真っ暗な部屋で順に番号を唱えれば霊が「4」と答えてくれるという儀式。ちょっとした遊びのつもりだったのに、その増えた“誰か”は次の日になってもいなくならない。このまま春休みが明けても居座るつもりだろうか。違和感を抱えながら過ごす日々の中で、1人が仮説を立てる──「幽霊があたしたちの中の誰かといれかわって3人に戻ったとすれば?」。同作は、同じく寮を舞台にした那州雪絵の代表作「ここはグリーン・ウッド」1巻(花とゆめコミックス版)に収録されている。