「銀英伝」ヤンの“柔らかいエゴ”に憧れる鈴村健一、査問会やケンプも語る

アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These 激突」第2章の上映記念舞台挨拶より。左から川島得愛、鈴村健一、遠藤綾。

アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These 激突」第2章の上映記念舞台挨拶が、本日4月17日に東京・丸の内ピカデリーにて開催された。本記事ではその模様をレポートする。

全3章がそれぞれ3週間限定で上映されていく「銀河英雄伝説 Die Neue These 激突」。舞台挨拶にはヤン・ウェンリー役の鈴村健一、アレックス・キャゼルヌ役の川島得愛、フレデリカ・グリーンヒル役の遠藤綾が登壇した。上映後とあって、トークはネタバレありで進行。鈴村は「銀河英雄伝説 Die Neue These」のオーディションを受けたとき、第2章で描かれた査問会でのセリフが課題に出たことを振り返りつつ、「ヤンの人間性が表現されている重要なシーンなので、このシーンをやるということは1つの目標でした。『ついに来たな』と」と緊張感を持ってアフレコに臨んだことを明かした。

川島はヤンにとってのキャゼルヌを「親戚の叔父さんが歳の近い甥っ子を心配しているみたいな、気の置けない感じ」と表現。そんなキャゼルヌのキャストが誰になるのかとても気にしていたという鈴村は「川島さんだと聞いたときに、『見事すぎるキャスティングだ!』と思いました」と述懐し、妻である坂本真綾にも「川島さんなんだよ!」と熱く語ってしまうほど喜んだと話す。また遠藤は、査問会で軟禁状態のヤンをサポートしていたフレデリカについて、「顔色ひとつ変えずに淡々と事実を突きつけるシーンがあるんですけど、演じていて息が足りなくなるんですよね。どんだけ啖呵切って怒鳴りまくったほうが楽か。(フレデリカとしても)相手に一息で言っちゃいたいんですよね」とコメント。「ヤンに『必要だ』と言われて自信がついて、お腹から意見を言えるようになったのがわかるシーンでした。観ていて気持ちよくて、強い女だというのがわかるシーンかなと」と振り返った。

帝国側のキャラクターについて語る場面も。鈴村が「ケンプいいよね」と言うと、川島も「ケンプはお家も出てきて、家族も描かれて、いいパパで。ケンプの家庭を描いたシーンはいいですよねえ」としみじみ感想を述べる。続く遠藤は「『銀英伝』では仕事場ではないところのシーンがちりばめられているじゃないですか。戦闘の最中には見られない人となりが見えちゃって、同盟のみんなにも帝国のみんなにも過去があって、未来があって、家族があって、大切な人たちがいるんだなって……」と切ない表情に。その発言を受けて、鈴村は「『銀英伝』は群像劇であり、当たり前だけど『人って生きているんだよ』っていうことを描いている作品で。日常シーンがあることで、戦争が起こってしまう悲しさや、そこで生きている人たちを描写できているんだと改めて思いました」と話した。

また司会から演じるキャラの魅力について聞かれた鈴村は、ヤンについて「好きすぎますし、憧れますよね。いい人なのかといえば毒も持っていて、いろんな要素を内包している人だと思います。人生は綺麗事だけではないってことを俯瞰して理解できていて、それでいて今を生きることにしっかり目を向けている」とその複雑な内面に言及。「ああいうキャラって誰でもない雲のような人間になりそうだけど、ヤンには自分の意見がしっかりあって、頑固な部分もある。誰に対しても中立なわけじゃなくて、守りたいものがある。その柔らかいエゴイスティックさは人間的だなと思うし、そういう風に社会や人と接していくというのが、あるべき姿なのかもしれないと思わされます」とヤンへの憧れをにじませた。

続いて川島は、キャゼルヌについて「共感という意味ではあんまりピンときたところはないんですけど……目つきが悪いところは僕とよく似てるなぁと(笑)」と会場の笑いを誘いつつ、「言いたいことを遠回しに言うのが好きな人で、そういうところは面白いですね」とコメント。遠藤はフレデリカのヤンへの思いがユリアンに悟られていることについて「あんな切れ者なのに、意外と子供にまでバレバレで」と笑いつつ、「(フレデリカの)そういう隙があるところが好きですね」と述べた。

終盤では5月13日から上映される第3章の見どころを鈴村が話そうとするも、ネタバレを避けるのが難しいようで、苦渋の表情に。「どうなると思います?」と観客に問いかけつつ、「タイトルに『激突』とありますが、第1章と第2章では激突してないんですよね。でも第3章では激突します。どう激突するかが見どころです。『そんな激突の仕方します?』という。物理的な激突だけじゃない、いろんな激突が描かれています」とぼかしながらアピールする。最後には登壇陣がそれぞれ観客にメッセージを送り、舞台挨拶は終了した。

なお舞台挨拶の途中では、第3章の初日舞台挨拶とスタッフトークが開催されると明らかに。東京・新宿ピカデリーで5月13日に初日舞台挨拶が、19日、26日、6月2日にスタッフトークが行われる。それぞれの登壇者については、記事末のリストで確認を。

「銀河英雄伝説Die Neue These 激突」第3章 初日舞台挨拶

日時:2022年5月13日(金)18:30~の回 ※上映後に実施。
会場:東京都 新宿ピカデリー
登壇:多田俊介監督、磯部真彩(アニメーションプロデューサー)

「銀河英雄伝説Die Neue These 激突」第3章 スタッフトーク

「撮影」

日時:2022年5月19日(木)18:30~の回 ※上映後に実施。
会場:東京都 新宿ピカデリー
登壇:荒井栄児、小澤沙樹子(どちらも撮影監督)

「CG」

日時:2022年5月26日(木)18:30~の回 ※上映後に実施。
会場:東京都 新宿ピカデリー
登壇:高賀茂寛人(ルックデベロップメントTD / リードアーティスト)、荒幡和也(ルックデヴ / VFX / 3Dコンポジットリード)、田中宏侍(CGIプロデューサー)

「原作」

日時:2022年6月2日(木)18:30~の回 ※上映後に実施。
会場:東京都 新宿ピカデリー
登壇:田中芳樹、安達裕章(監修)

(c)田中芳樹/銀河英雄伝説 Die Neue These 製作委員会