ハイエボでやっと親友になれたエウレカとアネモネ、名塚佳織・小清水亜美が語る
映画「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」公開記念舞台挨拶が、本日11月27日に東京・新宿バルト9で開催。本記事ではその模様をレポートする。なお本編のネタバレがあるため、まだ作品を観ていない人はご注意を。
「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」は、「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」3部作の完結編。前作「ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」から10年の時が経ち、大人になったエウレカを軸に物語が展開される。舞台挨拶には監督を務めた京田知己、エウレカ・サーストン役の名塚佳織、アイリス・マッケンジー役の遠藤璃菜、石井・風花・アネモネ役の小清水亜美、レントン・ビームス・サーストン役の三瓶由布子が登壇した。
2005年のTVアニメ放送以来、16年にわたり展開されてきた「交響詩篇エウレカセブン」シリーズ。名塚はこの一カ月、徐々にその終わりを実感するようになったそうで「昨日の夜はいよいよ終わるんだなぁと切なくて、『ハイエボリューション』を全部見返したんですよ。年末にはTVシリーズも見返して、“1人エウレカ祭り”をしようかなと思っています」と明かす。「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」から作品に参加した遠藤は「16年と長く愛されてきた作品で、こうしてエウレカと一緒に旅することができてうれしいです」と話した。
小清水は「私はTVアニメ放送から16年も経っていることに驚いていますね。『交響詩篇エウレカセブン』という作品とアネモネという役に出会えなければ、今の自分はいなかったです。シリーズが終わるという実感も持てなくて、まだ私の中では自分が生きている限り、続いているような気持ちです」としみじみ。三瓶はこれが上映後の舞台挨拶であることを確認すると、観客に「(レントンは)出てた?」と問いかける。会場から肯定の拍手が起こると「やったー!」と笑顔を見せ、作品については「最後まで愛の物語だなと思いました」と振り返った。
続いて司会から「この作品で描きたかったものは?」という質問が京田監督に投げかけられる。京田は「その質問は答えるのが難しいんですよね……」と思案しつつも、「思ったような人生ってなかなか歩めないじゃないですか。でもそうやって七転八倒した結果が、全然知らない人から見たらカッコよかったりする。『EUREKA』ではそういう思った通りにいかない人生でも、誰かにいい影響を与えることは絶対にある、ということを描いていると思います。観た人が前向きな気分になってくれればいいなと思いながら作っていました」と作品に込めた思いを述べた。
前作「ANEMONE」から10年後の世界で、大人になったエウレカやアネモネたちが活躍する「EUREKA」。名塚は「エウレカを今まで1番近くで支えてくれていたのはレントンだったんですけど、でも今回は女の子の友情というか。(アネモネという)親友で戦友、相方のような存在ができて、レントン以外に支えてもらいながら歩んでいくと、彼女はああいうふうになるんだなと感慨深かったですね」と語る。さらに小清水と三瓶に向けて「デビューも同時期、年齢も同年代で、これまでお互いに刺激しあい、切磋琢磨してきた感覚があるんです。自分にとって2人は大事な戦友だし、エウレカにとってもアネモネは大切な友人、戦友になっていく。そこがリンクしていて、エウレカを演じていても手にとるように感情がわかりました」と話した。
一方の小清水も名塚の話に頷きつつ、「『交響詩篇エウレカセブン』でアネモネを演じながら『たぶん出会い方が違ったら、エウレカの一番の親友になれたのはアネモネだったと思う』と話していたら、『ハイエボリューション』では実現して」と感慨深げ。遠藤はアイリスについて「感情を出す子で、エウレカとは正反対」と表現し、「感情を表に出す役はあまり演じてこなかったので楽しかったです」と振り返る。名塚から「笑ったり泣いたり忙しかったもんね。体力的には一番演じていて大変だったんじゃないかと思います」と労をねぎらわれると、遠藤は「やりがいのある役でした」と笑顔。その後は登壇者たちがネタバレ全開で好きなシーンについて言葉を交わす場面もあった。
終盤には登壇者がそれぞれ挨拶。三瓶は「君だからできたんだ、君じゃなきゃダメなんだ、俺は君が大好きだ!」とレントンがエウレカに向けたセリフを叫んでみせると、「エウレカに恋をして幸せでした。ありがとうございました」と締める。小清水は「16年という期間で、1人の役のいろんな年齢や表情を演じられたのは役者冥利に尽きるというか。これで完結ではありますけど、これからも皆さんに愛していただける作品でありますように」とメッセージを送った。
また遠藤が「2005年に『交響詩篇エウレカセブン』の放送が始まって、その年に私が生まれて……」と切り出すと、会場からはどよめきが。「完結編に新キャラの役で入るのは緊張もあったんですけど、エウレカを愛してくださっている皆さんに会えてうれしかったです。これからもエウレカをたくさん愛してください」と思いを語った。
そして名塚はシリーズ完結前に死去した、前デューイ・ノヴァク役の辻谷耕史、前ホランド・ノヴァク役の藤原啓治について言及。「作品もキャラクターもずっと私たちの中に生き続けてくれるということを、辻谷さんや藤原さんが教えてくださった。そのバトンをしっかり最後までつなげたんじゃないかと、個人的には思っています。いろんな思いを込めて作った作品なので、皆さんの心の中に残り続けてくれたらうれしいです」と挨拶する。最後には京田監督が「みんな言われちゃったな、という感じがありますが」と言いつつも、スタッフやキャスト、ファンへの感謝を述べて、舞台挨拶を締めくくった。
映画「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」
2021年11月26日(金)全国ロードショー
スタッフ
監督:京田知己
脚本:野村祐一、京田知己
原作:BONES
キャラクターデザイン原案:吉田健一
キャラクターデザイン・作画監督:奥村正志
メインメカニックデザイン:河森正治
コンセプチャルデザイン:宮武一貴
メカニックデザイン:大河原邦男、出渕裕、玉盛順一朗
メインデザイン:上津康義、佐山善則、山根公利、柳瀬敬之、齋藤将嗣、片貝文洋、武半慎吾
銃器設定:金子秀一
特技監督:村木靖
メカ作画監督:横屋健太
メインアニメーター:柿田英樹、大塚健、阿部慎吾、長野伸明
美術監督:永井一男、本庄雄志
色彩設計:水田信子
編集:坂本久美子
撮影監督:木村俊也
音響監督:若林和弘
音響効果:倉橋静男
音楽:佐藤直紀
主題歌「Eureka(feat. kojikoji)」変態紳士クラブ(TOY’S FACTORY)
アニメーション制作:ボンズ
製作:バンダイナムコアーツ、バンダイナムコセブンズ、博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、ボンズ、サミー、MBS
配給:ショウゲート
キャスト
エウレカ・サーストン:名塚佳織
アイリス・マッケンジー:遠藤璃菜
石井・風花・アネモネ:小清水亜美
ホランド・ノヴァク:森川智之
タルホ・ノヴァク:根谷美智子
ムーンドギー:宮野真守
ギジェット:水沢史絵
ウォズ:チョー
チャールズ・ビームス:小杉十郎太
レイ・ビームス:久川綾
エンドウ:佐々木敏
サムナ・スタージョン:下野紘
ルリ・フレイム:豊口めぐみ
ミーシャ・ストラヴィンスカヤ:沢海陽子
バンクス:三木眞一郎
グレッグ・ベア・イーガン:銀河万丈
レッド・ツゥ:千本木彩花
チャイム:潘めぐみ
エクス・トラ:瀬戸麻沙美
キラ・ポマト:M・A・O
末野・ラ・ティーノ:嶋村侑
ラ・ラ・ランド:諸星すみれ
レントン・ビームス・サーストン:三瓶由布子
デューイ・ノヴァク:山寺宏一
(c)2021 BONES/Project EUREKA MOVIE