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映画「リトル・ガール」に池辺葵、楠本まき、売野機子らがイラスト寄稿

池辺葵、楠本まき、やまじえびね、売野機子、多田由美、今日マチ子がドキュメンタリー映画「リトル・ガール」にイラストやコメントを寄稿した。

2歳を過ぎた頃から自身の性別に違和感を抱き、女の子として生きたいと願うサシャと、そんな彼女の個性を支える家族に迫る「リトル・ガール」。池辺は同作について「そっとでも触れないように慎重にうつしだされていくサシャの自我、忍耐、美意識…家族や制作者たちのまなざしがあたたかくてずっと日だまりを見ているようだった」と感想を述べる。楠本はサシャの母に思いを寄せ「学校やバレエ教室との闘いに加え、未来を左右するだろうホルモン治療の決断までサシャのかわりにしなければならない。そのプレッシャーはどれほどだろう。彼女達がこれ以上よけいな消耗をせずにすむように。優しい世界になるように。世界のひとりである私達の考えるてがかりをリフシッツ監督はそっと差し出している」とコメントした。

なおコメントはモデル・俳優のゆうたろう、ライターのブレイディみかこ、モデルのイシヅカユウらも含めた全26人から寄せられた。映画「リトル・ガール」は11月19日より東京・新宿武蔵野館、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開。

池辺葵コメント

そっとでも触れないように慎重にうつしだされていくサシャの自我、忍耐、美意識…家族や制作者たちのまなざしがあたたかくてずっと日だまりを見ているようだった。

楠本まきコメント

サシャが青い服を全部処分することにした時、「女の子も青い服を着るけど」と言ったサシャの母カリーヌ。彼女は痛いほど考えている。学校やバレエ教室との闘いに加え、未来を左右するだろうホルモン治療の決断までサシャのかわりにしなければならない。そのプレッシャーはどれほどだろう。彼女達がこれ以上よけいな消耗をせずにすむように。優しい世界になるように。世界のひとりである私達の考えるてがかりをリフシッツ監督はそっと差し出している。

今日マチ子コメント

少女であるために、闘わなくてはならない。すべての人に、それぞれの普通があること。「当たり前の世界」はまだ遠い。でも、必ずたどり着けることもこの家族は教えてくれる。

売野機子コメント

私たちは、どうして無意識のうちに娘の髪を直すんだろうね。パパとママの手が、事あるごとに脈略もなくサシャの頭に伸びる。慰めたいとか、優しくしたいとか、そういうことじゃなくて、私たちはただ娘の乱れた髪を整えるためにそれをしてる。いつか触れることを躊躇う日が来たなら、それが本当に蝶になって私たちの元から飛び立ってしまう日なのかもしれないと思った。

やまじえびねコメント

サシャの家族それぞれの語る言葉が胸を打つ。少しずつ差してくる光を見せてくれるこの映画は、貴重な家族の愛の記録だ。

多田由美コメント

サシャとサシャのママはまるで親友のよう。共に戦い共に涙する。サシャの他の家族もまた結束が強く、父母に似てみな毅然としている。「普通」を振りかざして、幼い子どもが居心地のいい場所を求めてスカートをはくことを断罪する人たちがいる。サシャは声に出さずに戦い続ける。緊張が解けた瞬間の、はらはらと落ちるサシャの涙が胸を締め付ける。