谷口ジロー作品の本格選集が雑誌掲載時と同じB5サイズで登場、未発表のラフも掲載
谷口ジロー作品の本格選集「谷口ジローコレクション」が、小学館と双葉社の共同企画として発売。第1期として10月から2022年2月までの5カ月にわたり、毎月2冊ずつ計10巻が刊行される。
「谷口ジローコレクション」は谷口の代表作を原稿から新たにスキャンし直し、ビッグコミック(小学館)や漫画アクション(双葉社)などの雑誌掲載時と同じB5サイズの大判で刊行するもの。10月29日には「父の暦」「『坊ちゃん』の時代」、11月30日には「遥かな町へ」「秋の舞姫 『坊っちゃん』の時代 第二部」、12月28日には「冬の動物園」「かの蒼空に 『坊ちゃん』の時代 第三部」、2022年1月28日には「明治流星雨 『坊ちゃん』の時代 第四部」と内海隆一郎原作「欅の木」、2月28日には「不機嫌亭漱石 『坊ちゃん』の時代 第五部」と狩撫麻礼原作「青の戦士」がそれぞれ発売される。
同シリーズでは原稿を新たにスキャンしたことで、これまでの単行本よりも描線1本1本がくっきりと、スクリーントーンの重ね技もより克明に表現。薄墨やホワイトなどを用いたページはより高精度にスキャンが行われ、原画上での表現を極力再現する工夫が行われている。また雑誌掲載時に4色カラー、2色カラーで掲載されたページは、すべて4色印刷で収録。「父の暦」では2色カラーページが単行本で初めて再現され、単行本ではトリミングされた鳥取大火の画稿の全貌が口絵として掲載される。
加えて各巻には谷口ジロー作品をより楽しむための評論、エッセイを収めた小冊子「『紙』が語ること―谷口ジローの世界」を封入。「父の暦」には関川夏央の連載評論「谷口ジローとの歳月」第1回と小説家・柴崎友香のエッセイ「故郷と記憶、過去との距離」、「『坊ちゃん』の時代」にはブノワ・ペータースの連載評論「谷口ジロー 普遍的な漫画家」第1回と脚本家・中島かずきのエッセイ「谷口ジローと出会った頃」がそれぞれ収められる。さらに谷口が新作の構想を練るうえで描いた未発表のラフスケッチなども、各巻に数点掲載予定。そのほか「谷口ジローコレクション」では読みやすいようにしなやかな用紙が採用され、ハードカバーながらも喉元までしっかりと開く製本で制作される。