「子供はわかってあげない」完成披露、上白石萌歌「皆さんにとっての夏休みになれば」

editor

3年 ago

田島列島原作による実写映画「子供はわかってあげない」の完成披露舞台挨拶が、本日7月27日に東京・ニッショーホールにて開催された。

舞台挨拶には、朔田美波役の上白石萌歌、門司昭平役の細田佳央太、門司明大役の千葉雄大、朔田清役の豊川悦司、沖田修一監督が登壇。2年前に10代最後の撮影を行った本作について、上白石は「もともと沖田監督のファンで、まさか自分が監督の世界で生きられるとは思っていませんでした。肌を真っ黒に焼いて、髪も人生で一番短くして、宝物のような時間を過ごさせてもらったなと」と振り返った。

撮影中の思い出について、細田は「あまり真面目な話はしてないっていうか、ほぼ雑談だったような印象です。でも1カットで長回しのシーンを撮るときは（上白石と）『緊張するね』って話をしました。（そういった撮影の）経験もなかったですし、ヘマするとしたら僕のほうなので（笑）。でも大変ではあった分印象に残ってます」と明かす。すると上白石も長回しの撮影は印象深かったようで、「長回しのシーンからこの映画の撮影が始まったので、そこでキャストやスタッフの皆さんと一体感が生まれましたし、あのシーンを撮り終えて『この作品はきっと大丈夫』と思えました」と語った。

上白石演じる美波の実父であり、元教祖という一風変わった役柄を演じた豊川。本作への出演を決めた経緯について「最初に原作を読んで、ものすごい面白いお話だなと。その後にシナリオいただいて、みずみずしくて切なくて、最後はジーンとするシーンもあって。こんなおっさんでも青春に浸れるぐらい素晴らしいシナリオだったので、手を挙げさせていただきました」と語る。また劇中で美波と一緒に泳ぐシーンについて触れると、豊川は「ちょっと恥ずかしかったですけどね（笑）」とはにかみながらも「僕も萌歌ちゃんぐらいの娘がいますが、父親にとっては理想ですよ。普通はお父さんとは遊んでもらえませんからね（笑）。夢のような時間でした」と述べ、観客を笑わせた。

細田演じるもじくんの兄・明大を演じた千葉は、実際に細田とは兄弟のように親しくしていると明かす。「『子供はわかってあげない』で初共演して、その後にドラマも一緒にやったので、僕の夏は佳央太くんとともにあった（笑）。本当に弟のように思ってます」と語る。そんな千葉の言葉に、細田もうれしそうに「すごいうれしいですね。僕にとってもお兄ちゃんのような存在だったので」と微笑み返すと、千葉も「うれしいですね」と笑顔を浮かべた。

「子供はわかってあげない」で、初めてのマンガ原作を手がけた沖田監督は「10代の女の子で映画を撮りたいと思っていたところに、こんな素敵な原作の話をいただいて。上白石さんには背泳ぎの練習から始めてもらったり、最初から一緒に話しながら映画が作れてよかった」と語る。また上白石が「小学生の頃、2年間だけ水泳を習っていたんですが、それが今お仕事に活きてる気がしてます。偶然ですが、3作品連続で水泳選手の役を演じることになって」と述べると、千葉が「あとはバタフライ選手の役をやれば個人メドレーだよね」と指摘。すると上白石も「はい！お待ちしてます（笑）」とノリノリで返した。

最後、上白石が「撮影から2年が経ちまして、とても美味しく熟された食べごろに作品をお届けできることになりました。ここ数年は大変なことがたくさんあって、まだまだ油断できない日々ですが、この作品が皆さんにとっての夏休みになれば。我ながら素晴らしい作品ができたと思っているので、楽しんで下さい」とこれから映画を鑑賞する客席に呼びかけ、舞台挨拶を締めくくった。実写映画「子供はわかってあげない」は、8月20日に全国公開。