「竜とそばかすの姫」細田守がカンヌで実感「ベルは本当に世界の中心で歌ってた」
細田守監督最新作「竜とそばかすの姫」の初日舞台挨拶が、本日7月16日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。
イベントにはすず/ベル役の中村佳穂、久武忍役の成田凌、千頭慎次郎役の染谷将太、渡辺瑠果役の玉城ティナ、別役弘香役の幾田りら、竜役の佐藤健が登壇。中村は「こんな小さなメロディが貫いていく世界が見たいの」とベルが劇中で歌う「歌よ」のワンフレーズをその場で歌い上げ、「ここからすべてが始まったと思うと、とてもうれしいです。今日は来てくださってありがとうございます」と観客に感謝を伝えた。
中村は一緒にアフレコしたという佐藤のことを「私に対してすごく対等というか、1人の演者として接してくださったり、私が横道に逸らしてしまったボールを丁寧に真ん中に戻してくださったり、本当に親切な方でした」と称賛。佐藤は中村について「歌うようにセリフを言ったり呼吸をしたり、語りかけるように歌を歌われる方だなと思いました」と述べる。佐藤の言葉を受け、中村は「すずとベルの演じ分けとしても、ベルを演じるときは、まず歌ってからセリフを言うと彼女らしくなるんじゃないかなと監督からアドバイスをいただんです」と明かした。
佐藤は自身演じる竜の声にまつわる裏話を披露。「竜っぽい声にするってことでエフェクトをかけると言われていたんです。最終的にエフェクトでなんとかしてくれるだろうということで安心しながらアフレコを進めていたんですけど、試写会で映像を観たらエフェクトが外されていて。『え?』っていう(笑) 。だから正直、自分のシーンのところはあまり冷静に観れてないんです(笑)」と明かす。なおPR動画では竜の声にエフェクトがかかった状態だそうで、佐藤は本編とPR動画で声の違いが楽しめることもアピールした。
成田は自身演じる忍のセリフがカッコいいものばかりだったため、アフレコに少々苦戦したそう。そんな成田に対し、中村は「『すず』って呼ばれたとき、あまりのいい声にすずと同じぐらいびっくりしました。キャラクターグッズがめちゃくちゃ売れそうだなっていうところまで想像して(笑)。忍くんのキーホルダー欲しいです」と笑いを誘った。
「第74回カンヌ国際映画祭」のオフィシャルセレクション「カンヌ・プルミエール」部門に選出されている「竜とそばかすの姫」。カンヌに訪問中で、同作のワールドプレミアを昨夜終えたばかりの細田監督も生中継でここからトークに参加する。細田監督は映画上映後に14分間も拍手を受け続けたことに触れ、「手が痛くなるんじゃないかって心配してしまうぐらいでしたけど、皆さん笑顔を向けてくれて、『よかったですよ』という気持ちを受け取りました」と話す。
カンヌで手ごたえを感じたという細田監督に、染谷は「どんな感想が多かったですか?」と質問。細田監督は「新しいものを見る興奮が伝わってきました。スケールの大きさや、ベルの歌声に対する感動もあると思うんですけど、染谷くんと玉城さんが演じたささやかなシーンも笑いが沸き起こってて、隅々まで味わってくれてるなと感じてうれしかったです」と答える。
その後もキャストからは「フランスで美味しいもの食べてますか?」「誰かスターはいましたか?」「14分間の拍手を受けている間、何をしてたんですか?」などの他愛ない質問が。細田監督は質問に真摯に回答しながら、キャスト1人ひとりへの感謝を伝える。中村の番には「映画見終わった後、歌を口ずさみながら帰っていく人がすごく多くて。だから日本語だからとか、言葉は関係ないなと思いましたね。その光景を目の当たりにして、ベルというキャラクターのは本当に世界の中心で歌ってたんだなってことを改めて実感しました」と誇らしげだった。
「竜とそばかすの姫」
2021年7月16日(金)全国東宝系にて公開
スタッフ
原作・脚本・監督:細田守
企画・制作:スタジオ地図