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「リクはよわくない」アフレコ終了直後の会見で森川智之「命の大切さを伝えられたら」

アニメーション映画「リクはよわくない」のアフレコが去る7月5日に無事終了。その直後に東京・東洋レコーディングで会見が行われ、長男・ツトム役の森川智之、次男・ヨースケ役の杉田智和、三男・マルちゃん役の森久保祥太郎、四男・パグゾウ役の花江夏樹、末っ子・リク役の浅野真澄、ナレーションのぼく役を担当する松本梨香が参加した。

「リクはよわくない」の原作は、坂上忍が文を書き下ろし、野性爆弾のくっきー!が挿絵を担当した絵本。坂上自身の体験をもとに、5歳の「ぼく」とイタリアングレーハウンドの子犬・リクの何気ない日々が綴られている。劇場版では、原作にはないエピソードが盛り込りこまれたオリジナルストーリーを展開。会見の冒頭では、作品のメッセージに共感したポイントについて質問が投げかけられる。動物好きということからオファーされたという面々。自身もラブラドールレトリバーを飼っていたという森川は、「もう亡くなってしまったんですけど、彼からもらった愛情や思いが今でも心の中にあって。その部分が作品と重なりました。命の大切さを多くの人に伝えられたら」と思いを伝える。実家で犬を飼っていたという杉田は「自分以外の生き物と接することによって、感じ取ることや学ぶことって本当に多いですよね。ある程度、結末がわかっていても、共感せずにはいられなかったです」と感想を述べた。2人の話を聞いていた森久保は、現在ヨークシャーテリアを飼っていることを初めて公表。「ラジオのレギュラー番組で毎週犬の話をしてしまいそうだから、禁じ手にしていたんです」とその理由を言い、「坂上さんと犬との生活をよくテレビで拝見していて、しつけの参考にしていました」と明かした。

猫を2匹飼っているという花江は、これに対し「僕は森久保と真逆で、毎日Twitterに猫の画像を投稿しているんですけど」と返しつつ、「僕もずっと猫と暮らしてきて、小学生の頃に大事な家族(猫)を亡くしてしまうという経験をして、命の尊さを知りました」と自身の経験と重ねる。浅野は「(原作では)『飼う』ではなく『一緒に暮らす』といった言葉が使われていて、これを読んだ子供たちもワンちゃんたちに対し、家族なんだっていう気持ちが芽生えると思いましたね」と印象を話す。松本は「代々、絵本の読み伝えをしていきたいなって思えた作品ですね。映像の作り方もとってもお洒落ですてきで、映像なんだけど絵本のようなんですよ」と映画本編の魅力にも触れた。

また先ほどアフレコを録り終えたばかりだという杉田、花江、森久保の3人。役作りについて尋ねられると、花江は「パグゾウは四男で弟なので、割とかわいげのある高めのトーンを、最初から意識していました。僕はイメージ通りだったけど、杉田さんと森久保さんは難しかっただろうなって」と2人の方に顔を向ける。それを受けて森久保は「先に収録を終えていた森川さんの芝居がよい指標になってくれました。スタジオで『マルちゃんはお母さんっぽいキャラクター』というキーワードをもらえたので、何とかイメージが完成した感じです。1人だったら悩んでいたかも」と打ち明ける。杉田も「森川さんのアプローチを聞けてよかった。ちゃんと役の住み分けをしないと、かわいいというカテゴリーから抜け出せないヤツらなんで(笑)」と同意。続けて「(ヨースケについては)部活の後輩みたいな感じをイメージしていたんですけど、かわいらしくてやんちゃな感じでお願いしますと言われて」と戸惑った様子を伺わせる。松本から「どんな芝居のイメージをしていたの?」と振られると杉田は、最初に思い描いていたという、ふてぶてしい声で“部活の後輩”を再現して見せた。すかさず「全然、後輩っぽくないじゃん!」とツッコむ松本。杉田は「そのままだったら、ただの生意気な後輩ですよね(笑)」と答えながら、「森川さんと森久保さんは先輩っぽく、花江くんは年下の弟分を演じてくれていたから、バランスが取りやすかったです」と実際に演じた感触を語った。

最後にこれから作品を観る人に向けて、森久保は「動物とは直接言葉は通じなくても、気持ちは通じます。ワンちゃんたちにもちゃんと皆さんと同じように感情や思いがあるんだというのを、この作品を観て感じてほしいですね」とアピール。花江は「構ってあげられない時間すら、ずっと一緒にいたいと感じさせてくれる作品です。動物と暮らすことの大切さと素晴らしさを受け取ってもらえたら」とメッセージを残し、会見は締めくくられた。アニメーション映画「リクはよわくない」は10月に公開される。

(c)坂上忍/くっきー!/インプレス/MMDGP/リクはよわくない製作委員会