「進撃」最終章振り返りトーク、“初めてのケンカ”の収録裏話に梶裕貴も「ごめんね」

「心臓を捧げよ!」のポーズをとるキャスト一同。

諫山創原作によるTVアニメ「『進撃の巨人』The Final Season」のステージイベントが、去る3月28日にオンラインで開催された「AnimeJapan 2021」内にて行われ、エレン役の梶裕貴、ミカサ役の石川由依、アルミン役の井上麻里奈、リヴァイ役の神谷浩史、ライナー役の細谷佳正、ファルコ役の花江夏樹、ガビ役の佐倉綾音が登壇した。

「『進撃の巨人』The Final Season」は2020年12月よりNHK総合にて放送。物語が新たな局面を迎える“マーレ編”が展開され、マーレ編からの出演となる花江は「非常に緊張しております」、佐倉は「右に同じです」と述べながら、初出演となる「進撃の巨人」のイベントに臨んだ。なお3月28日深夜に放送された第75話の続きとなる第76話「断罪」が、NHK総合にて今冬放送されることが発表されている。

イベントではキャストそれぞれが、この日までに放送された第60話~第74話の中で選んだ、自身演じるキャラクターの印象深かったシーンを紹介。佐倉は第70話のガビとカヤが会話するシーンを挙げ、サシャを巡って描かれる2人の壮絶な因果関係に「諫山先生の思考回路はすごい」と賛辞を贈る。花江は原作を読んで号泣してしまったファルコのシーンがあると言い、その場面はまだアニメになっていないものの、「そことの対比というか、成長が如実に出ているシーン」として、第63話のファルコがガビへの思いを口にしたシーンを選出。この場面でファルコに“告白”される佐倉も「一番楽しかった」とシーンを振り返った。

神谷が選んだのは、ジークに「お前モテねぇだろ」と言われ、リヴァイが「モテたことくらい……ある」と応酬する第72話の一幕。「(リヴァイの)新しい一面を見せるのが難しくなってきた中で、こういうセリフも用意してくれるんだという点ではやっていて楽しかった」と話し、「ちょっと伏し目がちになっちゃうところとか、そこを攻められるとダメなんだと思って面白かった」と意外な一面の登場を喜んだ。細谷は第60話で、ライナーがパラシュートで降下しながらひとりごちる場面を選択。佐倉が「そういえば細谷さんは、『進撃』の現場で初めてお会いしたときに、『ここに帰ってきたくなかった』とおっしゃっていましたよね」と話を振ると、細谷は「『進撃』の現場って大きい声めちゃくちゃ出しません?」「(喉の病気で)オペしたじゃないですか。そういう意味で『怖い』って言ったんです」と発言の真意を明かした。

井上は第73話でアルミンが、ミカサに辛辣な言葉を投げかけたエレンに殴りかかる“初めてのケンカ”のシーンを選出。井上と石川は収録をボイコットしようかという話が飛び出すくらいこのシーンが憂鬱だったと言い、梶に「知ってる? エレンは(収録が)別部屋だったかもしれないけど、(石川)由依ちゃんはテストからずっと泣いてたんだよ」と呼びかける。梶は「ごめんね?」と石川に声をかけ、「でもさ……」と続けるも、まだ原作が終わってないこともあり、エレンの真意を説明できないもどかしさを口にした。その梶と石川が揃って選んだのは、第69話で104期生がエレンの巨人の力の継承者を誰にするかについて話し、エレンが頬を赤らめる回想の場面。梶は言葉を選びながら「このシーンがあったからこそ、僕が今思って作っているエレンは踏ん張っていられる」とコメントし、石川は「切なくもなるんだけど、すごく尊いシーン」「この時代に戻りたいと思いながら観ていた」と述べた。

最後の挨拶では神谷が、キャスト陣が第1期の頃から心血を注いで作品と向き合っていることに触れ、「どういうエンディングにたどり着くかわかりませんけれど、マンガ界のマスターピースになるかもしれない。(アニメも)それを映像化していったら世界に誇るジャパニメーションのマスターピースになる可能性もあると思っている」「最後までみんな健康で走り抜けられたら」とコメント。石川は「見届けなければいけないと思って、つらい展開もありますが、がんばってこれからもミカサを演じていきたい」と思いを口にし、梶は「まだ物語が最後まで描かれきっていないので、それが終わったときにまた皆さんと場所・時間を共有できたら」「最後まで命削って、魂込めて演じていきたい」と決意を新たにした。