アニメ映画「ジョゼと虎と魚たち」の公開記念舞台挨拶が本日12月26日に東京・丸の内ピカデリーで行われ、タムラコータロー監督、鈴川恒夫役の中川大志、西田店長役の盛山晋太郎(見取り図)、駅員役のリリー(見取り図)が登壇した。
12月25日に封切られたばかりの「ジョゼと虎と魚たち」は、田辺聖子の短編小説を原作に、幼い頃から車椅子で生活を送るジョゼと、夢を追いかける大学生・恒夫の関係を描いた物語。アニメーション制作はボンズが担当している。冒頭の挨拶では中川が「久々にお客さんの前に出てちょっと緊張しているんですが、今日はシーンとしてて、もう自分も潮時かなと……」と冗談を口にし、見取り図の盛山から「こういうご時世だからしょうがないです」と丁寧なツッコミが入る。続いてリリーが「この映画は駅員が一応準主役ということで……」と切り出すと、盛山が「どこがやねん! 一言しかしゃべってへんがな」と指摘されるなど、和気あいあいとした雰囲気でトークが繰り広げられた。
企画から公開に至るまで約4年かかったという「ジョゼと虎と魚たち」。公開した今の思いを聞かれ、タムラ監督は「公開して皆さんの感想が届いたら実感が湧くんじゃないかと思っていたんですが、未だにふわふわした気持ちです」と答える。中川は「改めて、長編のアニメーション映画ができあがるってすごいなあって。本当にたくさんの人が関わっていて、想像するだけですごいことだなと思います」と完成までの過程に思いを馳せた。監督は中川の演技を「本当に素晴らしくて、最初からできあがってたんですが、そのときは少し受け身なキャラクターとして作ってきてくれたので、ジョゼを振り回すくらいのバランスが欲しいとお話しさせてもらったら、すぐに応えてくれて。非常に勘がいい」と絶賛。またジョゼ役の清原果耶から「アニメーションならではの映像美だったり、愛が形として見えるような温かいストーリーを、ぜひ感じていただければと思います」とビデオメッセージが寄せられ、中川は清原との共演について「不安なことや大変なことを共有しながらやれたので、すごく心強かったです」と振り返った。
また中川は、12月10日に開催された「ジョゼと虎と魚たち」のヒット祈願イベントで見取り図とともにリモート漫才を披露したものの、両者が直接会うのは今日が初めてだったという。中川は「ようやく長髪とデザインパーマに会えたなと!」と満面の笑顔を見せ、見取り図が出演した先日の「M-1グランプリ2020」について「テレビの前ですっごい応援してました! (ヒット祈願)イベントのちょっと後だったので、自分も見取り図かのような気持ちで観させていただいて。めちゃくちゃ笑いました」と感激した様子で話した。一方盛山は、中川の印象を「少女マンガから飛び出てきたような人だなと。タキシード仮面かと思いました」と表現。リリーはヒット祈願イベントの際、大阪の自宅に遊びに来るよう中川を誘ったそうで、「鍋パしようと思って」と言うリリーに対し、盛山は「家賃4万1000円の家に呼ぶな!」とストップをかけていた。
そんな見取り図の2人は、「ジョゼと虎と魚たち」で初めて声優に挑戦。中川演じる恒夫のバイト先の店長という役を務めた盛山は、「すごい難しかったです。僕は大阪出身で、(演じているのも)大阪弁のキャラなんですが、何回か録り直してたら、大阪弁が自分でもわからんようになって。最終的にエセ関西弁みたいにしゃべってた」と苦労を語った。リリーは「本当に楽しかったので、もし続編があったら僕にジョゼ役をぜひ」とアピールするも、盛山から「お前一言しかしゃべってへんねんで!」とツッコまれる。しかしここで驚きのエピソードが。大阪の実在の場所が多数登場する「ジョゼと虎と魚たち」だが、なんとリリーが駅員を演じた劇中の駅は、リリーが普段から使っている最寄駅であるという。盛山も「こんな奇跡あります!?」とアピールしてみせた。
イベント後半では夢を追いかける恒夫にちなみ、4人が「今年一番夢中になったもの」を発表するコーナーも。中川は「フェイスシールド」と答え、今年の撮影現場がフェイスシールドの進化とともにあったことを話す。タムラ監督は菓子の「すッパイチュウ」を挙げ、「12粒入りを1日1本必ず消費していたので、『ジョゼ』のほとんどは『すッパイチュウ』でできてるかもしれない(笑)」と製作期間を振り返った。最後に代表して中川から観客にメッセージが贈られる。中川は「今年はめまぐるしい1年でしたが、映画館でゆっくりと観て、あたたかい気持ちになれるような、優しい映画になったと思います。繊細できれいなアニメーションの映像を、ぜひ大きなスクリーンで楽しんでいただけたら」と、穏やかな笑顔で舞台挨拶を締めくくった。
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