久保帯人原作による劇場中編アニメーション「BURN THE WITCH」の初日舞台挨拶が、昨日10月2日、東京・新宿ピカデリーにて行われた。
ステージにはニニー・スパンコール役の田野アサミ、新橋のえる役の山田唯菜、バルゴ・パークス役の土屋神葉、オスシちゃん役の引坂理絵、ブルーノ・バングナイフ役の小林親弘が登壇。5人はそれぞれの立ち位置に移動すると、感慨深げに客席へ目を移す。田野が「このような状況で、果たして舞台挨拶ができるのかな、と思っていたのですが、こうして皆さんに劇場で観ていただいて、私たちと同じ時間が共有できることを本当にうれしく思っています。今しかないこの瞬間を、みなさんと一緒に楽しい時間にしていけたらなと思っています」と挨拶すると、山田も「こうして皆さまの前でお話ができて、うれしい気持ちでいっぱいです」と胸の内を明かした。
土屋はオスシちゃんのぬいぐるみを手に登場。バルゴのキャラそのままに、「オスシちゃーん!」「今日は楽しい時間を過ごしたいと思います!」と述べると、田野らに「今日も登壇する前から一番楽しんでたよね」とバラされて苦笑い。引坂は「オスシちゃんもすごくうれしいです!」とコメント。小林が「皆さん、観終わってみていかがでしたか? 最高ですよね!」と呼びかけると、客席からは大きな拍手が湧き上がった。
ここで話題は作中の印象的なシーン、お気に入りのシーンに。小林が「終盤でシンデレラと戦うニニーとのえるが、呪文を唱えるシーンがすごく印象的でした。マイクの前での2人の熱量がカッコ良くて。お気に入りのシーンになりましたね」とアフレコを振り返ると、田野も「あのシーンでは、アフレコ現場に久保帯人先生がずっといらっしゃっていて、詠唱して攻撃をするときの言い方を丁寧に教えてくださったんです。私たちにとっても印象深いシーンでした」と語り、山田と頷き合う。土屋は「バルゴとオスシちゃんが爆風で煽られるシーンで、オスシちゃんのベロが“ベロロロロロ”ってなびくのがかわいくて! 収録していたときからのお気に入りです!」と、劇中のバルゴ同様にオスシちゃんを溺愛。引坂はニニーとのえるのコンビ感がお気に入りだと語り、「性格も考え方も相反する2人なのに、仲の良さが伝わってきて微笑ましいんです」「攻撃を受けたニニーちゃんをしっかり受け止めるのえるちゃんのシーンも好きで、その後にブルーノに『ダセぇメッシュですね』って言うシーンもすっごいよくて!」とシーンを挙げると、山田も「私もそのシーン好きなんです。その後の掛け合いでもニニーとのコンビネーションが感じられるシーンで」と賛同した。
ソーシャルディスタンスに気をつけながら、少人数で挑んだというアフレコ現場。小林曰く、田野・山田・土屋の3人のコンビネーションは抜群だったそうで、「僕は3人よりも後からアフレコに参加したんですが、3人の雰囲気ができあがっていて、昔から仲良かったの?って感じるほど」と話す。これを受けて、土屋が「田野さんが引っ張っていってくれるんですね。僕はシャイなタイプなので……」とコメントすると、一同から「自分で言う!?」「全然見えない!」とツッコミを受けてしまう。一方、オスシちゃん役の引坂だけはずっと別録りだったそうで、田野が「収録のときからオスシちゃんはアイドルだったんですが、声が聴けなくて。みんなで早く聴きたいと話していました」と話すと、引坂も「こうして皆さんと一堂に会することができて、中に入れてもらえることができたと感じています」と笑顔を見せた。
演じたキャラクターの印象について聞かれると、田野は「ニニーちゃんみたいな女の子に振り回されてみたいっていう夢があったんです。ニニーちゃんは振り回されつつもこの子に付いていったら間違いないな!っていうような女の子。この作品でニニーちゃんに出会えて夢が叶いました」と感慨深げ。山田は「のえるちゃんは一見すると理路整然としていて冷静で、表情もあんまり変えない女の子なんですけど、心の中ではすごく動いていて。ニニーちゃんとの対比もあっていいコンビ感が出せると思いました」と第一印象を語った。すると小林が山田に、「のえるちゃんってバルゴにはきつく当たるけど、演じていてどんな感じだったの?」と質問。山田が「実は、最後のシーンでアフレコのときに『ちょっとバルゴのことが好きすぎます』っていうディレクションがありまして……。『もう少し控えめにしてください』と」と答えると、土屋も「オーディションのときにあのシーンを演じたのですが、少し大人っぽくカッコよく演じていたので、その時の雰囲気をトレースして演じていたんですが、『少しやりすぎ』って(笑)。でもその結果、すごくいい塩梅で素敵な雰囲気になっていたなと思っています」と明かした。
最後には田野の「今日来てくださった皆さんの顔が見たいです」という言葉から、客席を明るくする一幕も。新型コロナウイルス感染予防対策に基づき、客席からの発声がない中で行われた舞台挨拶だったが、声援の代わりに今日一番の大きな拍手が巻き起こる、一体感に溢れた時間となった。
「BURN THE WITCH」はロンドンの裏側に広がる“リバース・ロンドン”を舞台に、魔女と竜を描くファンタジーアクション。新宿ピカデリーほか全国35館の劇場にて2週間限定でイベント上映されているほか、劇場版を全3話に編集したバージョンが世界同時配信されている。
(c)久保帯人/集英社・「BURN THE WITCH」製作委員会