西島大介「せかまほ完全版」1~3巻が電子で発売“影の魔法のライセンス”を実装
西島大介「世界の終わりの魔法使い 完全版」1巻から3巻が、本日3月6日に電子書籍でリリースされた。西島が設立した個人電子出版レーベル・島島からの発売だ。
「世界の終わりの魔法使い」は、単行本描き下ろし作品として2005年に1作目が河出書房新社より発売。第2作「恋におちた悪魔」、第3作「影の子どもたち」、版元を移り講談社から刊行された第4作「小さな王子さま」の計4冊が過去に出版されている。電子書籍でリリースされた完全版は、3巻までの内容を底本としてデザインや仕様を変更したもの。文字のレイアウトや配色を紙の本のルールに縛られずに決定し、地図ページや本編の各話に挟まれる扉もカラー化されている。
なお「世界の終わりの魔法使い」は、既出の第4作に描き下ろしの新作となる第5作、第6作を合わせて「新3部作」とする構想が発表済み。同企画は文化庁による「令和元年度 国内クリエイター創作支援プログラム」に採択されており、この予算を使用して電子版は制作。支援の条件として、個人的なビジネスを超えて企画自体に「公共性」を持たせることが要請されたことを受けて「世界の終わりの魔法使い 完全版」には、「影の魔法のライセンス」という西島考案によるシステムが導入された。
「影の魔法のライセンス」は企業・個人を問わず、設定された条件をクリアすれば物語やキャラクターを引用して二次創作を行ったり、図像を使って広告やグッズに転用したりすることが可能となる許可証。複製数に応じて「魔法レベル」と呼ばれるルールが発生し、その数が多いほど自由度が増す仕組みだ。同ライセンスを発行することで想定されるリスクは”「影」魔法の副産物「魔物」に相当する“と、「世界の終わりの魔法使い」の物語になぞらえて西島は解説している。詳細は公式サイトのアナウンス、及び西島によるコメントで確認を。
本日から3月14日にかけて、東京・東急プラザ銀座では令和元年度メディア芸術クリエイター育成支援事業成果プレゼンテーション「ENCOUNTERS」が開催中。「影の魔法のライセンス」の実用例も展示される。
令和元年度メディア芸術クリエイター育成支援事業成果プレゼンテーション「ENCOUNTERS」
日時:2020年3月6日(金)~3月14日(土)
会場:東京都 東急プラザ銀座
料金:無料