高橋しんが描く父子の離島物語1巻、「トムソーヤ」「本屋の奥さん」は電子化

「髪を切りに来ました。」1巻

高橋しん「髪を切りに来ました。」1巻が、本日3月5日に発売された。

メロディ(白泉社)で連載中の「髪を切りに来ました。」は、沖縄の離島を舞台に、美容師の父・睦と小学生の息子・一星が慣れない2人暮らしに挑戦する成長ストーリー。1巻の発売を記念し、紀伊國屋書店、こみらの!参加店、メロンブックス、一部の一般書店では購入者にイラスト付きの特典を配布している。

また高橋がメロディにて発表した「トムソーヤ」「あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。」「『あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。』初恋本屋。」の3タイトルが電子化され、高橋からのコメントも到着。2007年に刊行された「トムソーヤ」には「ロケハンで行った長崎の景色。光と陰のコントラスト。誰にも、きっとあったかもしれない眩しいあの刹那の季節を感じながら読んでいただけたら嬉しいです」、2013年と2015年にそれぞれ刊行された「本屋の奥さん」シリーズについては「お伽話ですが、子供の頃から今までずっと自分を育ててくれた町の本屋さんへの思いと感謝を込めました」と思いが明かされた。

高橋しんコメント

「トムソーヤ」

子供の頃に大好きだった児童文学を、今ならどう描けるだろうと、すこし大人の女性と少年の目線に置き換えて作品にしてみました。毎回、編集さんも一緒に大人数でディスカッションしながら描いたのが本当に楽しかったです。ロケハンで行った長崎の景色。光と陰のコントラスト。誰にも、きっとあったかもしれない眩しいあの刹那の季節を感じながら読んでいただけたら嬉しいです。

「本屋の奥さん」シリーズ

お伽話ですが、子供の頃から今までずっと自分を育ててくれた町の本屋さんへの思いと感謝を込めました。小さな奥さんという目を通して、今の本屋さんや私たちを含む出版の状況をリアルに追うのではなく、皆さんに温かく、でも確かに切なく感じてもらえたらと思い描きました。「なくなってなんかしまわない。消えてなんかしまわない。時間や言葉やぬくもりや悲しさはちゃんと──残っているんだ」構想の最初に小さくメモしたその言葉を、信じて描きました。

(c)高橋しん/白泉社