今敏「東京ゴッドファーザーズ」舞台化、2021年の東京で3人のホームレスが奔走
今敏が監督・原作・脚本を務める長編アニメ「東京ゴッドファーザーズ」の舞台化が決定。2021年5月に東京・新国立劇場で上演される。
これは去る1月8日に行われた「新国立劇場 2020 / 2021シーズン ラインアップ説明会」で発表されたもの。2003年に劇場公開された「東京ゴッドファーザーズ」は、元ドラァグクイーンのハナ、元競輪選手のギン、家出少女のミユキという3人のホームレスが、ゴミ置き場で見つけた赤ん坊の親を探して東京中を奔走する物語だ。舞台版では時代を2003年から2021年に移し、現在の東京、日本が抱えるさまざまな問題をえぐり出す。
演出はミュージカル「ジャージー・ボーイズ」などを手がける藤田俊太郎が、脚本はTVアニメ「プリパラ」のシリーズ構成で知られる土屋理敬が担当。藤田は本作について「ホームレスの自分探しの物語は、ますます広がる格差や雇用の問題、偏った思想や考えが拡がる時代の中で今を生きる、自分自身の問題として照らし出されるのではないかと思います」とコメント。「演劇ファンの皆様も、アニメーションのファンの皆様も、たくさんのお客様を劇場でお待ちしております」とメッセージを贈っている。
チケットは、新国立劇場アトレ会員を対象にした先行販売が2021年2月28日から3月9日まで実施される。一般販売は3月13日にスタートする。
藤田俊太郎(演出)コメント
2020から2021年にかけて、東京はひとつの転機を迎えます。
演出にあたり、アニメーションが公開された2003年と2021年を喜劇と悲劇で繋げたいと思います。演劇は時代を映し出す鏡となり、観客席を照らすと言われます。劇中、コメディは強烈な光となり、同時に東京の闇が見え隠れします。ホームレスの自分探しの物語は、ますます広がる格差や雇用の問題、偏った思想や考えが拡がる時代の中で今を生きる、自分自身の問題として照らし出されるのではないかと思います。私であれば、演出家としていつまで演劇を続けていけるのだろうかと問い続けます。そして劇中の登場人物のように、大声で笑い飛ばしながら自由に力強く演劇をつくっていきたいと思います。
今 敏監督とクリエイティヴチームが作り出した数々の作品、また原作のアニメーションに心からのリスペクトを込めた演劇作品「東京ゴッドファーザーズ」。
演劇ファンの皆様も、アニメーションのファンの皆様も、たくさんのお客様を劇場でお待ちしております。
「東京ゴッドファーザーズ」Blu-ray / DVD
発売中
税別価格:Blu-ray 5695円 / DVD 4700円
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(c)2003 今 敏・マッドハウス/東京ゴッドファーザーズ製作委員会