週刊少年ジャンプ(集英社)の創刊50周年を記念した「週刊少年ジャンプ展」の第1弾「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.1 創刊~1980年代、伝説のはじまり」が、7月18日から10月15日まで、東京・森アーツセンターギャラリーにて開催される。本日7月13日にはプレス向けの内覧会が行われた。
「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.1 創刊~1980年代、伝説のはじまり」では、週刊少年ジャンプ創刊から1980年代の連載作をフィーチャー。会場内は「シアターゾーン」「作品体感ゾーン」「原画集結ゾーン」「物販ゾーン」で構成された。
「作品体感ゾーン」は、ジャンプ創刊後の黎明期から急成長を遂げた1980年代までのジャンプを支えた9作家11作品を、それぞれの世界観に合わせた演出で展開。永井豪「ハレンチ学園」、本宮ひろ志「男一匹ガキ大将」、北条司「シティハンター」「キャッツ▼アイ」、高橋陽一「キャプテン翼」、車田正美「聖闘士星矢」、ゆでたまご「キン肉マン」、武論尊原作による原哲夫「北斗の拳」、秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、鳥山明「Dr.スランプ」「DRAGON BALL」が、原画や空間グラフィック、映像などを用いて紹介されている。
「原画集結ゾーン」では、創刊から1989年までの発行日付の号1043冊の表紙をさまざまな形で展示。歴代の作品原画が一堂に会する貴重な内容となっている。また創刊号、70年代、80年代の3つに分けて、ジャンプの成長を振り返る企画コーナーも設置されている。さらに「物販ゾーン」では200種類を超えるジャンプ作品のオリジナルグッズを販売。併設されているミュージアムカフェ「THE SUN」では、9つの作品をイメージした9つのハンバーガーが登場する。
内覧会の後は、特別トークセッションが行われた。ゲストとして秋本治、ゆでたまごの嶋田隆司と中井義則、高橋陽一、そしてマンガ好きとしても知られるケンドーコバヤシが登壇し、トークを繰り広げた。「こち亀」の展示スペースがすごろく形式になっていることについて訊かれた秋本は、「両さんの生き方は人生ゲームですからね(笑)」とコメント。嶋田は「今日初めて展示観たんですけど、やっぱり生原稿はすごい。でも自分たちの原稿を秋本さんや高橋さんに見られているのは恥ずかしい」と語った。また「キン肉マン」のスペースに設置された大型展示「マッスル・ドッキング立像」や「キンケシ3万体凝縮!! キン肉マン巨大マスク」などについても「迫力があって見ものなので、是非見てください」とアピールした。
秋本の印象について訊かれた嶋田は、「僕たちが最初にお会いしたのは、ジャンプの表紙の撮影。両津さんみたいな人なのかと思ったら、めちゃくちゃ優しいいい人でギャップがすごかった」と秋本の印象を語る。また原稿の完成が早く、落とさないことで知られる秋本は、当時の新人作家のお見本だったことを明かし、秋本と同じく葛飾区出身の高橋は「僕にとっては同郷の先輩でもある。まさにお手本みたいな存在だった」と続けた。
「当時のライバルは?」という質問には「みんなライバル。アンケート投票があって、切磋琢磨してきたのがよかった。ベテランも新人も同等でしたね」と秋本。すると嶋田も「当時はギスギスしてましたよ。今でこそ高橋くんとは仲が良いですけど、当時は『(キャプテン)翼』も『北斗の拳』も『キャッツ▼アイ』も『DRAGON BALL』もみんなライバル」と、競い合っていた当時を振り返る。さらに「誰かの作品が次でクライマックスだぞという時に、わざと潰しに行くんです。とっておきの面白いいいネタを敢えてそこにぶつけるんですよ。それに編集者同士も仲悪かったし(笑)」とギラギラしていた当時の様子を暴露すると、中井は「僕はみんな仲間と思ってましたけどね(笑)」とコメントし、会場の笑いを誘った。
続く「今後のジャンプに引き継いでいってほしいことは?」という質問に嶋田は「僕らの時代は、毎週毎週が勝負で整合性とか破綻とか、あんまり考えず描いてて(笑)。でもそれがまた面白かった。最近はそういう作品が少なくなってきている。いっぱいある伏線をキレイに回収するのも大事だけど、もっとめちゃめちゃな作品が出てきてほしい」と話す。続く高橋は「人気も大事なんですけど、そこだけに集中してこだわりすぎないでほしい。誰もやったことのないチャレンジしていく雑誌であってほしい」と語った。
さらにトークの終盤にはコバヤシのTシャツに秋本、中井、高橋がサインをするという展開に。コバヤシは「もう感無量とはこのことですよ。このTシャツを家のどこに展示したらいいのか。玄関に展示して宅配の人をビビらせようかな」と喜びを露わにした。
最後、メッセージを求められた嶋田は「偉大な秋本さんや陽一くんと一緒に、50周年のイベントに参加しているのが不思議な気がして。今度(「ジャンプ展」を)やるとしたら100周年。僕らが50周年のタイミングでここにいられるのは、ものすごくうれしい」とコメント。また展示の見どころを訊かれると「生原稿をとにかく観てほしい。今のデジタルの原稿とは違いますから、皆さん楽しみにしてください」とアピールした。また秋本も「この原画を見て、当時の人の熱意を知ってもらえたら」と語り、トークショーは幕を閉じた。
創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展 VOL.1 創刊~1980年代、伝説のはじまり
会期:2017年7月18日(火)~10月15日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー
出展予定作品
秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」「魔少年ビーティー」、池沢さとし「サーキットの狼」、今泉伸二「神様はサウスポー」「空のキャンバス」、江川達也「まじかる☆タルるートくん」、江口寿史「すすめ!!パイレーツ」「ストップ!!ひばりくん!」、えんどコイチ「ついでにとんちんかん」、貝塚ひろし「父の魂」、鏡丈二・金井たつお「ホールインワン」、梶原一騎・井上コオ「侍ジャイアンツ」、桂正和「ウイングマン」「電影少女」、牛次郎・ビッグ錠「包丁人味平」、車田正美「リングにかけろ」「風魔の小次郎」「男坂」「聖闘士星矢」、小林よしのり「東大一直線」、コンタロウ「1・2のアッホ!!」、佐藤正「燃える!お兄さん」、三条陸・稲田浩司・堀井雄二「DRAGON QUEST-ダイの大冒険-」、新沢基栄「3年奇面組」「ハイスクール!奇面組」、高橋陽一「キャプテン翼」、高橋よしひろ「悪たれ巨人」「銀牙-流れ星 銀-」、ちばあきお「プレイボール」、次原隆二「よろしくメカドック」、寺沢武一「コブラ」、寺島優・小谷憲一「テニスボーイ」、遠崎史朗・中島徳博「アストロ球団」、徳弘正也「シェイプアップ乱」「ジャングルの王者ターちゃん▽」、とりいかずよし「トイレット博士」、鳥山明「Dr.スランプ」「DRAGON BALL」、永井豪「ハレンチ学園」、中沢啓治「はだしのゲン」、にわのまこと「THE MOMOTAROH」、萩原一至「BASTARD!!-暗黒の破壊神-」、土方茂「CYBORGじいちゃんG」、平松伸二「ブラック・エンジェルズ」、武論尊・平松伸二「ドーベルマン刑事」、武論尊・原哲夫「北斗の拳」、北条司「キャッツ▼アイ」「シティーハンター」、星野之宣「ブルーシティー」、巻来功士「ゴッドサイダー」、宮下あきら「激!!極虎一家」「魁!!男塾」、本宮ひろ志「男一匹ガキ大将」「山崎銀次郎」「さわやか万太郎」「やぶれかぶれ」、森田まさのり「ろくでなしBLUES」、諸星大二郎「妖怪ハンター」「孔子暗黒伝」、山川惣治・川崎のぼる「荒野の少年イサム」、ゆでたまご「キン肉マン」、吉沢やすみ「ど根性ガエル」
※▼はハートマーク。