「波よ聞いてくれ」石見舞菜香がミナレのセリフ量に驚愕、沙村広明が語るその原因は
沙村広明原作によるTVアニメ「波よ聞いてくれ」のイベントが、北海道・新千歳空港ターミナルビルにて開催されている「第6回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」の一環として、去る11月3日に行われた。
イベントでは第1話が先行上映されたほか、鼓田ミナレ役の杉山里穂、南波瑞穂役の石見舞菜香、甲本龍丞役の石川界人、沙村の4名が登壇してのトークショーを実施。挨拶に立った杉山は「北海道出身で、このような北海道が舞台の作品で主人公ができるとは思っていませんでした。さらに1話上映がここ北海道からスタートということで、本当にうれしい気持ちです」と胸の内を語った。
司会から1話の感想を尋ねられた杉山は、ミナレがクマと戦いながらリスナーの手紙を読むというシーンに触れ、「本番中は何が何だかという感じで、演じるのは大変でしたが、映像になったらすごく綺麗だし、動きもカッコよくて、『こういうことか!』と。クマが出てくるたび笑ってしまいました。楽しかったです」と収録を振り返る。石見は台本を開いて、ミナレのセリフ量に驚いたそうで、「見たことがないくらい、台本がミナレのセリフで埋め尽くされていて……。これを乗り越える方はどなたなんだろうと、思わず(杉山の)お名前を調べちゃいました」とコメント。続けて「それなのに杉山さん、現場ではすごくにこやかで、明るく周りがやりやすいように気を遣ってくださっていて。私がこの台本を持っていたら、怖くてずっとガタガタしていただろうなと思うので、それも含めて印象的でした」とスタジオの様子を紹介する。
また石見は、口の形がきちんと“あいうえお”になっているという本作のこだわりを伝え、「オンエアの際には注目していただけたら」とアピール。石川も「ラジオにおいて大事なのはしゃべりなんですけど、それを伝えるうえで、視覚的に口の形が見えるというのはとても重要だと思います。ただ開いたり閉じたりするだけじゃなくて、きっちり母音の形に持っていっている。それって、僕らの芝居に合わせて後から絵を描き直してくれているということなので、1話からすごく手間がかかってるアニメですよね」と同意した。
沙村は「俺はこのマンガを恋愛マンガにしたかったんですよ」と切り出し、「でも何話か描いてみても、いつまで経っても恋愛マンガにならない。なんでだろうと思ったら、原因は俺がミナレのキャラしか描いていなかったからなんですよね(笑)。それに気付いて、やがてほかのキャラのエピソードも描くようになるんですけど、まさにその序盤の、ミナレしか描いていない辺りが1話目に詰め込まれている」とトーク。「杉山さんがこのアニメで喉を潰してしまったらどうしようかと思っていたんですが、収録後にお酒をガンガン飲んでケロッとしていて、大丈夫そうでした」と笑顔を見せる。
キャラクター紹介のパートでは、麻藤兼嗣役の藤真秀とのやり取りを石川が紹介。「いつも隣に座らせていただくんですけど、藤さんご自身は謙虚で腰の低い方で。すごいやさしい声で『昨日はどこを鍛えたの?』『上腕二頭筋はどうやって鍛えるの?』って、筋トレのお話をさせてもらったりとか……」「パパ感がありました」と話して会場を和ませた。
イベントはほかにも沙村によるライブドローイング、キャストによる朗読劇の披露、北海道クイズなど、盛りだくさんの内容で展開された。TVアニメは概ね1クール12話で一区切りとなることから、沙村は「アニメの話をいただいたとき、この連載のどこに1クールの区切りを持ってくるのかと心配したのですが、スタッフの皆さまと打ち合わせをしたら『餅は餅屋だな』と思いました」とコメント。最後の挨拶では「今はなんの不安もなく、ひたすらオンエアを楽しみにしています」と期待を寄せた。TVアニメ「波よ聞いてくれ」は2020年4月より放送開始。
TVアニメ「波よ聞いてくれ」
2020年4月放送開始
スタッフ
原作:沙村広明「波よ聞いてくれ」(講談社「アフタヌーン」連載)
監督:南川達馬
シリーズ構成:米村正二
キャラクターデザイン:横田拓己
アニメーション制作:サンライズ
音響監督:高橋剛
音楽:岩崎元是
色彩設計:野地弘納
美術監督:坂上裕文(ととにゃん)
撮影監督:小池真由子
編集:木村祥明
キャスト
鼓田ミナレ(コダミナレ):杉山里穂
麻藤兼嗣(マトウカネツグ):藤真秀
南波瑞穂(ナンバミズホ):石見舞菜香
久連木克三(クレコカツミ):山路和弘
茅代まどか(チシロマドカ):大原さやか
甲本龍丞(コウモトリュウスケ):石川界人
中原忠也(ナカハラチュウヤ):矢野正明
城華マキエ(タチバナマキエ):能登麻美子
宝田嘉樹(タカラダヨシキ):島田敏
須賀光雄(スガミツオ):浪川大輔
※岩崎元是の崎は立つ崎が正式表記。