映画「HiGH&LOW THE WORST」の応援上映が、去る10月30日に東京・新宿ピカデリーにて開催された。なお映画のネタバレも含む内容のため、気になる方はご注意を。
現在公開中の映画「HiGH&LOW THE WORST」は、高橋ヒロシの「クローズ」「WORST」と、メディアミックスプロジェクト「HiGH&LOW」シリーズの世界観をクロスオーバーさせた作品。SWORD地区の“O”にあたる鬼邪高校と、戸亜留市にある幹部以外全員スキンヘッドの最強軍団・鳳仙学園の生徒たちの熱い戦いが描かれる。
「大ヒット御礼!応援上映スペシャル」と銘打たれた本イベントでは、上映中の掛け声やツッコミ、唱和が認められているほか、サイリウムやフラッグの持ち込み、コスプレでの参加が可能。開映前には観客とともに応援上映の事前レクチャーが行われ、この日の応援上映後に行われる舞台挨拶に登壇するキャスト陣が姿を現す。鬼邪高校全日制よりジャム男役の福山康平、清史役のうえきやサトシ、中岡役の中島健、鳳仙学園より沢村正次役の葵揚、仁川英明役の小柳心、志田健三役の荒井敦史が登場。さらにサプライズとして轟洋介役の前田公輝、芝マン役の龍、辻役の鈴木昂秀、前川新太役の矢野聖人が現れると大きな歓声が上がった。また発声練習では、前田が「僕は(村山のセリフである)『いくぞてめえら!』をやってみたくて……」と恐る恐る提案すると、観客は大盛り上がり。前田が村山さながらに力強い声でセリフを叫ぶと、観客は「おー!」と声を上げ、息の合った掛け合いを披露した。
そして応援上映がスタート。まずスクリーンに松竹とHI-AXのロゴが映し出されると、劇場を埋め尽くしたファンからは早速「松竹ありがとう!」「HI-AXありがとう!」と大きな声が飛び交う。そして志尊淳扮する上田佐智雄率いる鳳仙学園の生徒たちと、川村壱馬演じる花岡楓士雄とが対峙するオープニングでは、これから始まる彼らの熱い戦いに向け、期待を込めた歓声が沸き起こった。
冒頭、楓士雄たち希望ヶ丘団地の幼なじみメンバーが登場すると、会場内のサイリウムは緑色へと早変わり。本編にもたびたび登場する幼なじみメンバーのキーアイテム“曲がったきゅうり”を表現すべく、観客たちは緑色のサイリウム2本を山のようにつなげてアピールする。またこれまでの「HiGH&LOW」シリーズでも強い人気を誇る山田裕貴演じる定時の村山良樹が姿を現すと、すぐさま鬼邪高定時のチームカラーである青へとチェンジ。全日で事実上ナンバー1の実力を持つ前田公輝演じる轟洋介とのタイマンシーンでは、「大丈夫! 大丈夫!」「勝てるよー!」といった思い思いの声援が飛び交う。
定時の青に対して、全日のチームカラーは赤。2年ぶりに鬼邪高校に戻ってきた楓士雄が、泰・清一派のメンバーを軽くあしらうシーンでは会場がキレイに赤く染まる。底抜けに明るく天真爛漫な楓士雄がその強さを見せつけ「花岡楓士雄、今日から鬼邪高校だ」と決めると、「よろしく!」「いらっしゃーい」といった掛け声で盛り上がる。続く鳳仙のトップ・佐智雄が、箭内夢菜演じる妹の唯を助け出すシーンでは、背中しか映し出されていないにも関わらず「すでに顔がいい!」「顔のいい気配がする!」といった黄色い声とともに客席は鳳仙学園のチームカラーである白で埋め尽くされる。さまざまな場面転換にも観客たちは慣れた手付きでサイリウムのカラーを変更していた。
楓士雄が鬼邪高校全日メンバーに慕われる姿を見た村山が、轟の肩に手をかけ「お前にないもん、あいつは持ってるかもな」と投げかけるシーンでは「そんなことないよー!」「ついていくよ!」と励ましの声が。また中務裕太演じるオロチ兄弟の兄・真也の活躍シーンでは「お兄ちゃーん!」という声援が印象的だった。さらに楓士雄と佐智雄が初対面する神社のシーンでは、キレイな街を背景に缶コーヒーを飲む2人に対し「CM待ってまーす!」「顔もいいよー!」といった声が寄せられた。
特に歓声が目立ったのは、「HiGH&LOW」シリーズならではの迫力のアクションが楽しめる鬼邪高校と鳳仙学園の大乱闘シーンだ。赤と白のサイリウムカラーで埋め尽くされた会場内は、各所で繰り広げられる戦いにヒートアップ。頭に怪我を負って戦う不利な状況ながらも、鳳仙の志田に向かって「ちゃんと狙えよ?」と煽る佐藤流司演じる泰史に歓声が上がり、鳳仙相手に圧倒的な強さを見せる轟に対し「俺とやるか?」とけしかける塩野瑛久扮する小田島有剣には悲鳴にも近い叫び声が発せられる。さらに小田島が轟に殴られて倒れ込むシーンでは拍手まで巻き起こった。
上映後には新たに小田島役の塩野を迎え入れ、舞台挨拶がスタートした。観客と一緒に応援上映を楽しんだキャスト陣。中島は「皆さん(キャラクターが)セリフを喋る前にセリフを言いますからね。皆さんの声で映画の音が聞こえなくなるぐらい。愛してくださってうれしいです」と感想を述べる。また龍は「昨日(行われた応援上映に)は参加できなくて残念だったんですが、まるでライブかのような盛り上がりで。楽しませていただきました」とコメント。同じく本日のみ参加となる鈴木も「一緒に観ると楽しい楽しい!」と笑顔を浮かべた。
それぞれのキャラクターの役作りについて、うえきやは「清史はやっぱり髪型が大事。スタッフさんにもクロワッサンやら言われてましたが(笑)。あとはもちろん相方の泰志(役の佐藤流司)のおかげですね。毎日話し合ってたので。泰・清一派を演じられてよかった」と語る。また福山は映画が始まる前に、川村や北野とともにワークショップを行ったことを明かし「2人が引っ張ってくれて、ジャム男を演じやすい雰囲気を作ってくれた。本当にカッコいいなと思って(THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの)ライブ映像を観て研究しました」と続けると、THE RAMPAGEのメンバーでもある鈴木は「ちなみにTHE RAMPAGEのアルバムが今日発売されたんですよ」とすかさず宣伝する。
また前田が「僕はあまりアドリブはしないほうなんですけど、唯一、最後のデコピンは自分で言ってやらせてもらったんです」と裏話を語ると観客からは悲鳴が上がる。「まあ先輩風を吹かせたかったんでしょうね、楓士雄に。これぞ高校生だなって。ああ、止めてくれないといくらでも喋れちゃう(笑)」と楽しそうに話す。一方、塩野は「僕は適当です。急にアラレちゃんやドロンジョ様が降ってくる。それだけ」と飄々とコメント。観客からの「やってー!」の声に対し、塩野が「うるせー!」と笑顔で返すと、さらに「キャー!」と悲鳴が上がった。
続く葵は「僕は演技経験が少ない中で出させてもらったんですけど、雨の中、闇討ちされてボコボコにされたシーンのとき、無事に終わってカットかかったあと塩野くんに『役者って感じする?』って言われたのが印象に残っています(笑)」と裏話を披露。笑顔を向けてくる葵に対し、塩野が「雨に打たれながら倒れてて、しばらく浸ってから(笑)」と振り返ると、葵は「役者ってこういうことだって(笑)。新しい発見しました」とうれしそうだった。また矢野の「最後の楓士雄とのシーン、『お前に何が分かるんだよ』ってセリフは台本にはないんです。壱馬をビビらせてやろうって気持ちもあって(笑)」という発言には、観客からもどよめきが起こる。さらに「最後、原沢商店に戻ったとき、音はないんですけど『ただいま』って言ってるので、次観るときには注目してほしい」とアピールした。
そしてトークの後半では、本作の続編やスピンオフに対する想像の話に。前田が「全日がどうなっていくかはもちろん、個人的には轟一派の、3人のプライベートを描いてほしい」と希望を語ると、それを期待する観客からも拍手が起きる。また塩野は「昨日敦史くんとも話したんですけど、鳳仙組は今の髪がある状態から時系列をさかのぼって、入学までをやってみたいですね。最後は全員スキンヘッドになるっていう(笑)」と話し、鳳仙メンバーと楽しそうに顔を見合わせていた。
最後の挨拶で、塩野は「僕自身、青春時代には不良ものの映画を観て憧れました。同じようにこの作品が若い世代の人たちに影響をもたらす映画になってくれたらうれしい。引き続き皆さんつぶやいて、応援上映では奇声を上げて(笑)、もっともっと盛り上がってほしいです」とコメント。そして前田が「『HiGH&LOW THE WORST』の反響がすごいことを実感してます。映画はお客さんが観てくださって初めて完成するもの。役を通してそれぞれの人間性にも興味持っていただけたらうれしいなというのが僕の正直な気持ちです」と語り、舞台挨拶を締めくくった。
映画「HiGH&LOW THE WORST」
スタッフ
原作:「HiGH&LOW」/「WORST」
企画プロデュース:EXILE HIRO
監督:久保茂昭
アクション監督:大内貴仁
脚本:高橋ヒロシ / 平沼紀久、増本庄一郎、渡辺啓
企画制作:HI-AX
キャスト
鬼邪高校・全日制
花岡楓士雄:川村壱馬
高城司:吉野北人
ジャム男:福山康平
辻:鈴木昂秀
芝マン:龍
泰志:佐藤流司
清史:うえきやサトシ
中越:神尾楓珠
中岡:中島健
轟洋介:前田公輝
鬼邪高校・定時制
村山良樹:山田裕貴
古屋英人:鈴木貴之
関虎太郎:一ノ瀬ワタル
中茎:青木健
中林:清原翔
中園:陳内将
鳳仙学園
上田佐智雄:志尊淳
小田島有剣:塩野瑛久
沢村正次:葵揚
仁川英明:小柳心
志田健三:荒井敦史
サバカン:坂口涼太郎
希望ヶ丘団地
桐原誠司:白洲迅
尾々地真也:中務裕太
尾々地正也:小森隼
石井マドカ:富田望生
前川新太:矢野聖人
市川知宏、落合モトキ、箭内夢菜、佐藤大樹、佐藤寛太、塚本高史、小沢仁志
※高橋ヒロシの高は、はしごだかが正式表記。
(c)2019「HiGH&LOW THE WORST」製作委員会 (c)髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX