劇場版「冴えカノ」安野希世乃が語る注目ポイントは「恵の色づくほっぺ」

劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine」公開初日舞台挨拶にて、左から赤崎千夏、矢作紗友里、大西沙織、松岡禎丞、安野希世乃、茅野愛衣、春奈るな。

劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine」の公開初日舞台挨拶が、本日10月26日に東京・新宿バルト9にて行われた。本記事では13時20分回上映前に行われた舞台挨拶の模様をレポートする。なお映画のネタバレも含む内容のため、気になる方はご注意を。

舞台挨拶には安芸倫也役の松岡禎丞、加藤恵役の安野希世乃、澤村・スペンサー・英梨々役の大西沙織、霞ヶ丘詩羽役の茅野愛衣、氷堂美智留役の矢作紗友里、波島出海役の赤崎千夏、主題歌「glory days」を歌う春奈るなが登壇した。女性キャスト陣はそれぞれヒロインのイメージカラーに合わせたドレスを身にまとい、ステージは花が咲いたように華やかに。上映前ということで期待に胸を膨らませる観客席へ、茅野が「帰るころには顔が半分溶けてると思います」と語りかけると、“顔が溶ける”という表現に大西が「怖いよ!」とツッコむなど、終始賑やかなトークが展開された。

TVアニメ1期・2期を経て、ついに本作で完結を迎える「冴えカノ」について、松岡は「印象に残ってないことのほうが少ないです」と感慨深げに振り返る。TVアニメの収録時に、松岡がカヌレを箱ごとひっくり返してしまったという「カヌレ事件」について茅野が触れると、一同は「あったー!」と大盛り上がり。しかし当の松岡は「え、カヌレ……?」とピンとこない様子を見せ、矢作が「私たちと過ごした日々は印象に残ってないの!?」と詰めると、「だって大変なんです、倫也。セリフの間尺も早いし、それを早口言葉には聞かせたくないというのがあって。制作さんも妥協しないし」と倫也を演じる難しさやこだわりを語った。

茅野が「劇場版の2人の掛け合いはどうだったの?」と松岡と安野に尋ねると、安野は「深海の底にいるような。時と精神の部屋みたいな……」と表現。松岡は「あそこでは(ほかのキャスト陣に)外に出ていてほしかったなってシーンがありますよ」と、とあるシーンに触れる。矢作が「だって見たかったんだもん! (後ろから見ていて)ニヤニヤしちゃったよね」とキャスト陣とうなずき合うと、松岡は「公開処刑ですよ!」とコメント。安野も「恥ずかしかったですよ! 今日も1回目の舞台挨拶で、お客さんの顔まともに見れなかったくらいです」と照れた顔を見せ、映画では倫也と恵の恥ずかしいやり取りが観られることをほのめかした。

主題歌「glory days」を歌う春奈は、楽曲制作を振り返って「こうしたらもっと倫也っぽくなる、恵っぽくなるとかって(作曲を担当した)沢井美空さんと2人で話し合って、キャラクターたちがものづくりをしているときのような気持ちでした」と語る。さらに司会を務めるアナウンサーの松澤千晶が、9月に発売されたCD「冴えない彼女の育てかた ギャルゲーカバーソングコレクション」を取り出し「私物なんですけど……」と明かして会場から拍手が贈られる一幕も。同CDで「恋愛CHU!」をカバーした赤崎は、アフレコ中にそのタイトルを伝えた際、矢作に爆笑されたというエピソードを披露。JAM Projectの「未来への咆哮」を歌った松岡は、「昔から知っていた曲だったので、まさか歌わせてもらえるとは。プレッシャーが半端なかったです」と明かした。

本作における、自身演じるキャラクターの注目してほしいポイントを尋ねられると、真っ先に手を挙げたのは矢作。「丸戸先生がインタビューでばらしていたので言いますが、冒頭が美智留のライブから始まります。『言っちゃいけない』って言われていたのでずっと取材で黙ってたんですけど、『えっ、丸戸先生しゃべってんじゃん』と思って(笑)。ライブがあるのでまずは盛り上がっていただけたら」と呼びかけた。続いて茅野は「英梨々との関係性には注目だと思います」と切り出し、「TVシリーズのときから本当によく足が映ってたでしょう? テーブルの下でげしげし蹴り合ったり。それを今回も観れるのかどうか」と続けると、矢作が「今日めっちゃいい足だよね!」と詩羽に合わせて黒ストッキングを履いてきた茅野の足元に注目し、客席からも拍手が贈られた。

さらに大西が「『冴えカノ』は顔じゃない部分でしゃべってることが多いよね」と言うと、「わかる!」「確かに!」と一同も同意し、安野が「恵的には、パーツでいうと手かな」と続けると「ああー!」とキャスト陣から声が上がる。赤崎も「本当に、手のアップだけでもどんな気持ちなのか、『こういう表情をしてるのかな』と伝わってくるぐらい、緻密に描かれています。そういうところをぜひ受け取ってほしいです」と力説。大西は「英梨々的には、アフレコしていて2回くらい魂が抜けました。そういう英梨々のがんばりも観ていただけたら」とアピールする。また安野は舞台挨拶序盤で、「TVシリーズではフラットなキャラクターとして表情の変化が少ないって言われていた恵ですが、劇場版ではほっぺの色が、ぽってかわいくなるんですよ。恵の色づくほっぺたに注目してもらいたいです」とうれしそうに語っていた。

最後に代表して締めの挨拶を求められた松岡が安野に振ろうとすると、安野は「えー、こういうところはさあ、主人公である安芸くんが、バシっと決めるのが筋なんじゃないかなあ」と恵ボイスで返す。松岡が「すみません」と即謝ると、客席からは爆笑が起こった。改めて松岡は「胸がキュンキュンするような……キュンキュンして拳から血を流さないでください。そのくらいいい出来に仕上がったと自負しています」と挨拶し、「エンディングの曲が流れ出してからもお座りください。観ればわかります」と付け加える。さらに安野からも「私たち役者陣としても、こんなに傑作の、5年間走ってきた作品のフィナーレが、こんな大スクリーンで観れる機会が実ったということが、うれしくて仕方ありません。ぜひ何度でも劇場に足をお運びいただき楽しんでいただけたらうれしいです」とメッセージが贈られた。劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine」は本日より全国にて公開中。

劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine」

公開中

スタッフ

原作:丸戸史明(ファンタジア文庫/株式会社KADOKAWA)
キャラクター原案:深崎暮人
総監督:亀井幹太
監督:柴田彰久
脚本:丸戸史明
キャラクターデザイン:高瀬智章
制作:CloverWorks
配給:アニプレックス

キャスト

安芸倫也:松岡禎丞
加藤恵:安野希世乃
澤村・スペンサー・英梨々:大西沙織
霞ヶ丘詩羽:茅野愛衣
氷堂美智留:矢作紗友里
波島出海:赤崎千夏
波島伊織:柿原徹也

※赤崎千夏の崎は立つ崎が正式表記。

(c)2019 丸戸史明・深崎暮人・KADOKAWA ファンタジア文庫刊/映画も冴えない製作委員会