ヒプマイ4thライブは観客のライトがまるで星のよう、野津山幸宏「これがStellaだよな」
「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 4th LIVE@オオサカ《Welcome to our Hood》」が9月7日・8日の2日間、大阪・大阪城ホールで開催された。コミックナタリーでは、去る8日に行われた2日目の様子をレポートする。
2018年11月に開催された3rd LIVEから、約10カ月ぶりのライブとなった今回の2DAYS。山田一郎役の木村昴、山田二郎役の石谷春貴、山田三郎役の天崎滉平、碧棺左馬刻役の浅沼晋太郎、毒島メイソン理鶯役の神尾晋一郎、入間銃兎役の駒田航、神宮寺寂雷役の速水奨、伊弉冉一二三役の木島隆一、観音坂独歩役の伊東健人、飴村乱数役の白井悠介、夢野幻太郎役の斉藤壮馬、有栖川帝統役の野津山幸宏のオールキャスト12人が初めて揃うということもあり、47都道府県と台湾の映画館でライブビューイングが行われ、多くのファンが会場や劇場に駆け付けた。
開演前のBGMとして流れる「IKEBUKURO WEST GAME PARK」「Yokohama Walker」「Shibuya Marble Texture -PCCS-」「Shinjuku Style~笑わすな~」のリミックスが止まり、一郎が注意事項をラップで読み上げる恒例のパフォーマンスが始まると、早くも観客のボルテージは上昇。ファンは各ディビジョンカラーのリングライト、バングルライトを付けた手をかざし、立ち上がってDivision All Starsを出迎えた。
ライブの幕開けは「ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem-」が飾る。続けて、同じくDivision All Starsによる「ヒプノシスマイク-Alternative Rap Battle-」を熱唱。12月に配信される「ヒプノシスマイク」のアプリゲームの主題歌であり、先日配信されたばかりの同曲の披露とあり、会場の熱気はさらに跳ね上がった。
ソロ曲が中心だった1日目に比べ、2日目はチーム曲を軸に構成。イケブクロ・ディビジョンBuster Bros!!!の「おはようイケブクロ」では、「おはようケンカ川柳」のコーナーで「なんで二郎が優勝なんですか?だって、僕のほうがいけてた……!」「俺の勝ちだ三郎!」と二郎と三郎が兄弟喧嘩をする一幕も。もちろん「みんなの前で喧嘩なんかすんじゃねーぞ!」と一郎が仲裁し、長兄らしさを見せつける。さらに「一兄の“俺こんなこと言わねーよ!”」のコーナーで一郎が「緊張してお腹が痛い」「一郎だお」とCDとは異なるセリフを放つと、黄色い声援が巻き起こった。続く「IKEBUKURO WEST GAME PARK」では3兄弟と観客のコールアンドレスポンスや一郎のヒューマンビートボックスが決まり、大阪を“池袋西口公園”に変えてみせた。
客電が落ちた後、会場後方に設置された昇降式の小さなステージに現れたシブヤ・ディビジョンのFling Posse。帝統が王様、幻太郎が山賊、乱数が科学者という設定の「Stella」を、観客の持つライトが星のように美しい光を発する暗い空間で、静かな情熱を持って歌い上げる。一転、いつもの飄々としたFling Posseに戻った「Shibuya Marble Texture -PCCS-」では小さなステージをめいっぱい使い、自由奔放にパフォーマンス。曲の最後に幻太郎が「乱数、今回もまた写真を撮りたいですか?」と2nd LIVE、3rd LIVEともに自撮りを目論んだ乱数に尋ねると、乱数は「スマホ忘れたー!」と動揺。「何やってんだよ乱数」と帝統が呆れる中、幻太郎は「あそこにカメラがありますよ」とライブ撮影中のカメラを指差し、3人で「ハイ、ポッセ!」とかわいくポーズを決めた。
続いてBuster Bros!!!とMAD TRIGGER CREWによるバトル曲「WAR WAR WAR」へ。出だしのサビの後に始まる二郎と銃兎の互いに一歩も引かぬリリックの応酬の中、周りのメンバーも弟を応援する一郎、ステージの隅にしゃがみ込んでタバコをふかす左馬刻といったそれぞれのキャラクターらしい行動で客席を沸かす。高いテンションを維持したまま、ステージにはゲストの餓鬼レンジャーが登場。「おはようイケブクロ」の作詞を好良瓶太郎と共に手がけたポチョムキンは「『おはブクロ』を袖で見てたんですけど、最高でした!」とBuster Bros!!!を称え、「TACO DANCE」「ちょっとだけバカ」を披露した。
そしてライブはシンジュク・ディビジョンの麻天狼パートに突入。「パピヨン」でチームの仲睦まじさを見せつけ、ラストに寂雷が「いいチームですね、我らは」と一二三、独歩の肩を抱いて観客の視線を釘付けに。「Shinjuku Style ~笑わすな~」ではその雰囲気を一転させ、独歩の絞り出すような歌声、一二三の煽り、そして寂雷が作り出す圧倒的な世界観に、シンジュクのダークな魅力を爆発させた。
前半戦のラストを飾ったのはヨコハマ・ディビジョンMAD TRIGGER CREW。Fling Posseと同じく昇降式のステージに現れ、「Yokohama Walker」「シノギ(Dead Pools)」で会場をヨコハマ色に染め上げる。左馬刻は「まだまだこんなもんじゃねーからな」と囁き、「ヨコハマの女ども、ヨコハマの野郎ども。左馬刻、銃兎、理鶯がわざわざ来てやってんだぞ。ほかのディビジョンに目え向けてる奴ら引っ張り込むくらいの気概見せてみろや。それが俺たちMTCへの仁義だろ、違うか?」とMTCファンを煽ると、観客は会場が揺れるような大歓声を上げる。その大きさに、左馬刻も「その調子だ」と満足そうに呟いた。
後半に先がけ、Buster Bros!!!とライブの盛り上げ役であるDJ U-ICHIがステージをジャック。コールアンドレスポンスで会場をさらに温め、Fling Posseと麻天狼による「BATTLE BATTLE BATTLE」へステージを引き渡した。バトル曲ということもあり、敵意剥き出しでリリックをぶつけ合う6人。続く麻天狼とMAD TRIGGER CREWの「DEATH RESPECT」は、2組目のゲストである山嵐が最終決戦を行った2チームのバトル曲を生演奏で盛り上げる。ステージ前で幾度となく炎が吹き上がる中、麻天狼とMAD TRIGGER CREWは感情を爆発させるように歌い上げ、観客の声援は最高潮に達した。2チームがステージを去った後、山嵐が「Rock’n Roll Monster」と「BOXER’S ROAD」をプレイし、エネルギッシュな生音を届ける。そして麻天狼「The Champion」のイントロが流れた瞬間、ひときわ高い歓声が。Battle season優勝楽曲である「The Champion」が初披露された。
MCコーナーでは、各ディビジョンのリーダーが挨拶。浅沼は「12人揃ったのは初めて。それがすごくうれしい」「『DEATH RESPECT』を初めて6人でできたのもうれしい。しかも山嵐さんがバックで」と顔をほころばせた。木村が白井に「乱数は何か感想ある?」と水を向けると、「すっごく高かったね、天空の『Stella』」と「Stella」を昇降式のステージで歌ったときのことを話す。野津山は「きれいな星がいっぱいあるからな、これが『Stella』だよな」と観客のライトを星に例えると、斉藤が「あなた、意外とロマンチストですね」と微笑。野津山は「ありがとう」と伝えるも、斉藤は「褒めてないです」と帝統と幻太郎になりきったやりとりを繰り広げた。
Division All Starsによる「Hoodstar」を歌い切った後、中王区のテーマ曲が響きわたり、勘解由小路無花果役のたかはし智秋、東方天乙統女役の小林ゆうが登場。乙統女は観客に向かって「『ヒプノシスマイク』は皆さんの応援あってのもの」と優しく語りかけた次の瞬間、Division All Starsに「それに比べ、そこにいる野蛮で愚かな男ども!もっと私たちを楽しませるために尽力しなさい!」と厳しく言い放った。そして無花果が「重大な発表をしに大阪にやってきた」と宣うと、観客からはどよめきが。乙統女は「これまでたくさんのラップやバトルで私たちを楽しませてきました。しかしながら少々、この刺激にも飽きてきました。そこで、私たちをより楽しませるため、昨日オオサカ・ディビジョンどついたれ本舗を発表しました」と述べる。無花果や乙統女が「どついたれ本舗」と発言するたびに観客からは笑いが漏れ、緊張とユーモアを孕んだ中王区の演説を観客が固唾を飲んで見守るなか、乙統女が「皆さん?新たに参加するディビジョンは、1チームで楽しめますか?」と問いかけ。「そう、1チームでは足りない!新たなディビジョンは、2チーム!」と宣言し、オオサカ・ディビジョンに続きナゴヤ・ディビジョンが誕生することが発表された。葉山翔太演じる波羅夷空却(はらいくうこう)、榊原優希演じる四十物十四(あいものじゅうし)、竹内栄治演じる天国獄(あまぐにひとや)によるナゴヤ・ディビジョンBad Ass Templeが、空却の高笑いと共にステージに登場。11月27日にCDがリリースされることも明らかになった。
浅沼は「スカジャンとライダース、被ってね?」と、オオサカ・ディビジョンの天谷奴零との“ヤクザ被り”を心配した昨日に続き、波羅夷空却とのファッション被りを不安視。駒田は「でもメガネはいない」と同じく昨日発表されたオオサカ・ディビジョンの躑躅森盧笙以外にメガネ被りがなかったことに安心した様子を見せる。野津山はBad Ass Templeに対して「金持ってなさそうだな」と、どついたれ本舗のときとは異なる感想を抱いていた。
最後に木村が「大阪城ホールにヒプノシスマイクを連れてきていただきありがとうございます!これからゲームとかいろんな展開があるので、まだまだ目を離さず俺たちを見ててください!」と観客に呼びかけ、ゲストアーティストを含むオールキャストで「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」のスペシャルバージョンを披露。手で「C」の形を作るお決まりの挨拶「ラップってたのC」で4th LIVEは幕を閉じた。
キャストたちが降壇した後、スクリーンには「特報」の文字が。5thライブが2020年3月28日と29日の2日間にわたり、埼玉・メットライフドームで開催され、6ディビジョンの全キャスト18名が出演することがアナウンスされた。ライブの最速先行申込シリアルナンバーは、10月30日発売のどついたれ本舗のCD、11月27日発売のBad Ass TempleのCDに封入される。
ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 4th LIVE@オオサカ《Welcome to our Hood》
2日目Battlegroundセットリスト
01. ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem- / Division All Stars
02. ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle- / Division All Stars
03. おはようイケブクロ / Buster Bros!!!
04. IKEBUKURO WEST GAME PARK / Buster Bros!!!
05. Stella / Fling Posse
06. Shibuya Marble Texture -PCCS- / Fling Posse
07. WAR WAR WAR / Buster Bros!!! & MAD TRIGGER CREW
08. TACO DANCE / 餓鬼レンジャー
09. ちょっとだけバカ / 餓鬼レンジャー
10. パピヨン / 麻天狼
11. Shinjuku Style ~笑わすな~ / 麻天狼
12. Yokohama Walker / MAD TRIGGER CREW
13. シノギ(Dead Pools) / MAD TRIGGER CREW
14. BATTLE BATTLE BATTLE / Fling Posse & 麻天狼
15. DEATH RESPECT / 麻天狼 & MAD TRIGGER CREW BAND:山嵐
16. Rock’n Roll Monster / 山嵐
17. BOXER’S ROAD / 山嵐
18. The Champion / 麻天狼
19. Hoodstar / Division All Stars
20. ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- SP Ver. / All Cast