劇場版「SHIROBAKO」は4年後描くエピソード、佳村はるか「絵麻、ムサニを出ました!」
「劇場版『SHIROBAKO』」のトークイベント「劇場版『SHIROBAKO』制作会議(仮)vol.2」が、千葉・幕張メッセで開催された「C3AFA TOKYO 2019」内メインステージにて、本日8月25日に行われた。イベントは安原絵麻役の佳村はるかが司会を務め、坂木しずか役の千菅春香、今井みどり役の大和田仁美、P.A.WORKSの堀川憲司プロデューサー、インフィニットの永谷敬之プロデューサーが登壇。今年3月に「AnimeJapan 2019」で実施した「劇場版『SHIROBAKO』制作会議(仮)」に引き続き、制作中の劇場版について赤裸々なトークを繰り広げた。
2020年春に公開予定の劇場版「SHIROBAKO」。まずは佳村が制作状況について尋ねると、堀川は「順調よりちょっとピリピリしてきたような状況です」と回答する。「アフレコは一旦終わったんですが、最後のワンシーンだけ絵コンテが上がってなかったんです。それがようやく上がって読ませてもらったんですが、『終わらないんじゃないかな』って……」と苦笑しつつも、「そのシーンはシナリオでもちょっとぼかしてあった部分で、水島努監督がずっと答えを探りながら作ってきて、『これが私の答えです』っていうものが出てきたんですが、それがあまりにもハードで。でも何とか形にするのが“ムサニ”だと思いますので、がんばろうと思います」と意気込んだ。「AnimeJapan 2019」でのトークショーでは「年内に仕上がる」とのことだったが、永谷は「残念ながら(年内の完成は)ないです」ときっぱり。そして「ここにいらっしゃる方にお願いなんですが、P.A.WORKSさんがTwitterでやっている『教えてPAスタッフ』のコーナーに、『制作状況どうですか』って送り続けてください。僕が知ってる情報が正しいのかわからないので(笑)」と冗談交じりに呼びかけた。
またシナリオについて話題が及ぶと、堀川は「今の僕らの姿がそのまま投影されたシナリオになっています」とコメント。永谷が「『AnimeJapan 2019』のトークでは(TVアニメの)5年後と言いましたが、実際は4年後です」と訂正を挟み、「アフレコ現場は時間の経過をあんまり感じさせない空気感でしたよね」とキャスト陣に尋ねると、3人は「すごく楽しかったよね!」と笑顔を見せる。大和田は「キャラクターとの再会もですが、キャストの皆さんと数年ぶりに一緒にアフレコできるのは本当にうれしかったです」と話し、千菅は「キャラクターもみんなあの日のまま生き続けている感じで、すぐに空気が戻ってきたことに感動しました」とアフレコを振り返った。
ここで会場に集まったファンに向け、主要キャラクターの設定画が公開された。永谷は「年月を重ねているものの、そこまで大きくは変えないようにしています。ただ立場や環境によってファッションは変わっていっている」と説明。千菅は自身が演じるしずかについて「劇場版では若手声優として一歩ステップアップしたところが描かれています。私が『がんばってるな』って思ったのは、『松亭』を卒業していました!」としずかがアルバイトを辞めていることを明かし、「4年前はすごく共感して演じていたんですが、今回は長くお互いを見ている友人みたいな気持ちでした」と語った。大和田は「みどりにも4年経ったからこその悩みがあったりして。それぞれのキャラクターに『ちょっぴり大人になったんだな』って思いました」と感慨を述べる。そして佳村は「実は、絵麻、ムサニを出ました!」と明かし、堀川から「絵麻は元々フリーランスというかたちでムサニに机を借りていた設定だったので、一人前の原画マンになって、いろんな会社から仕事をもらえる立場になったということです」と、ポジティブな変化であることが説明された。
イベント後半では、会場に集まったファンからの質問に一同が回答するコーナーへ。「ラジオの企画はないんでしょうか?」という質問に、永谷から「やりたいですか?」と尋ねられたキャスト陣が「やれるものならやりたいです!」と口を揃えると、永谷が「じゃあ予算をつけましょう!」と答え、客席からは拍手が起こる。永谷は「ただ『SHIROBAKO』ってやっぱり物を作っていく過程を見せなきゃいけないと思っているので、今はいろんなメディアでいろんなことができるようになっているから、それも含めて考えます」と、ラジオとは明言しないものの前向きな意思を示した。続いて「宮森たち5人の関係性に変化はありますか?」という質問に、「会話ができるようになっていました! 今までは5人が集まっても全員が違うことを言っていたのに(笑)、大人になったからかコミュニケーション能力が向上してる」と佳村が回答。大和田が「でも、根本的な関係性は全然変わってないです」と笑顔を見せると、佳村は「あと、誰1人結婚してません(笑)」と続けてファンを笑わせた。
最後に永谷は「作っているときは、エンタメに振りすぎて『フィクションになっているんじゃないか』と思ったんですが、アフレコをやってみて『SHIROBAKOで描かれていることはノンフィクションだ』と思えました」と自信を見せ、堀川は「みなさんの前では最高の形でお披露目できるようにがんばります」と意気込んだ。大和田は「アフレコをやらせていただいて、キャラクター1人ひとりが生きているんだなって感覚を思い出しました」と述べ、千菅は「TVシリーズ以上のドキドキワクワク、ヒリヒリが感じられると思います」とアピール。そして佳村は「アフレコをして、キャラクターの1人ひとりに愛が込められた、本当に素敵な作品だなと思いました。皆さんも公開を楽しみにお待ちください」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
劇場版「SHIROBAKO」
2020年春公開
監督:水島努
脚本:横手美智子
キャラクター原案:ぽんかん(8)
アニメーションキャラクターデザイン:関口可奈味
プロデュース:インフィニット
アニメーション制作:P.A.WORKS
キャスト
宮森あおい:木村珠莉
安原絵麻:佳村はるか
坂木しずか:千菅春香
藤堂美沙:高野麻美
今井みどり:大和田仁美
ほか
※高野麻美の高ははしご高が正式表記。
(c)2020劇場版「SHIROBAKO」製作委員会