弘兼憲史「島耕作」シリーズの主人公・島耕作が相談役に就任したのに併せ、弘兼による会見が本日8月22日に東京・講談社で行われた。
累計部数4400万部を超える「島耕作」シリーズは1983年にモーニング(講談社)にて「係長 島耕作」として初登場し、その後「課長 島耕作」として連載スタート。最新シリーズとして、本日発売のモーニング38号より「相談役 島耕作」が始動した。弘兼は「会長や社長というのは100年やっても構わないわけですが、島耕作はオーナー社長ではなくサラリーマン社長なので、後任の人事ということも考えて、ある一定のところで会長職を退かなければならないと思っていました」とコメントする。今回のタイミングで相談役に就任させた経緯については「私の中学高校の同級生や、大学の同期が大きな会社の会長を務めていたんですが、彼らが奇しくも今年の7月に会長から相談役になったんです。そのタイミングで島耕作も会長を辞めて相談役にしようと思いました」と語った。
今後の島耕作の展開については「権限はないわけですが、今まで持っていた自分の人脈とか交渉力を利用したり、会社の運営に対して相談を受けるということもあると思います。ただ社業以外にも、島耕作はマンガの中で経済交流会の代表幹事に就いているので、日本経済の発展のためにいろんな分野で活躍させたいです」と意気込む。取材陣から「相談役になると、次に描く役職がないのでは?」と問われた弘兼は「島耕作は私と同い年という設定なんですが、彼は今72歳。現実世界には80歳くらいの相談役の方もいるので、まだまだ描けるなとは思いますし、『島耕作』が終わるのは私が描けなくなったとき。ただ私も元気で、ゴルフに行ったときに265ヤードくらい飛ばしたので、まだまだ続くかもしれない(笑)」と笑った。
また本日の会見では相談役に就任した島耕作の最初の仕事として、劇中にも登場した立ちそば店・虎ノ門港屋と日清食品とのコラボによるカップ麺「島耕作も愛した幻の立ちそば 虎ノ門 港屋 辛香るラー油の鶏そば」の発売を発表。会見に登壇した港屋・KIKUCHI Art Galleryの代表で弘兼とも交流のある菊地剛志氏は「日清さんから『港屋のカップそばを作ってみませんか』と提案いただいて、『それなら島耕作さんも一緒にコラボできないか』と私から弘兼先生にご相談したんです」とコラボの経緯を説明する。同じく会見に登壇した日清食品の渡邉豪氏は「港屋さんのそばは太いので、それを再現するのに普通の商品の倍くらいの開発期間がかかりました。私としてはカップ麺の中では最高レベルのそばの食感なのではないかと自負しています」とアピール。実際に会場で商品を試食した弘兼は「麺を噛んだときに跳ね返すような食感がすごく新鮮。花椒の香りがすごく強くて、甘辛いつゆも癖になりますね」とレポートした。
「島耕作も愛した幻の立ちそば 虎ノ門 港屋 辛香るラー油の鶏そば」は9月9日に発売。パッケージには弘兼の描き下ろしイラストがあしらわれる。