魔夜峰央原作による実写映画「劇場版パタリロ!」の公開初日舞台挨拶が、本日6月28日に東京・TOHOシネマズ新宿で開催された。
イベントにはパタリロ役の加藤諒、小林顕作監督、原作者の魔夜が登壇。役の衣装で現れた加藤は、客席を見渡しながら「今日という日をずっと心待ちにしていたのでうれしく思います」と笑顔で述べる。魔夜が「基本的に舞台や映画に関しては私に責任はないと思っているので、何かございましたら張本人たちにお願いします」とジョークを飛ばすと、加藤は「ドンとこいですよ!」と胸を張った。
小林監督は「どうでしたか? 面白かった?」と観客に尋ねながら、「監督の僕が観ても意味がわからない(笑)」という言葉も。加藤が「顕作さんがわかんなかったら、誰もわかんないですよ!」と突っ込むと、小林監督は「でも僕は、お客さんによってどう観るかは違ってくると思うんです。作品って半分はお客さんのものですから」と弁解する。それを受け、加藤も「そうですね。お客様にいろんな考察をしていただいて、作品を育てていただきたいですね」と納得した。
魔夜からは「いろんな小ネタが入ってるので1度観ただけじゃわからないことが多いと思うんです。2、3度観ていただくと、『こんな仕掛けがあったのか!』と気付くと思います。仕掛けてるわけじゃなく、自然とそうなっただけなんでしょうけど」とコメント。小林監督は「やりたいことを全部入れちゃった感じです。『石狩鍋をしよう!』って言ってたんだけど、途中でキムチとか入れちゃって訳がわかんなるみたいな。最終的にはそれを全部ひっくるめたチーズフォンデュになるという(笑)。チーズ入れた犯人もわかんないんですけどね」と話す。また小ネタのひとつとして、劇中に魔夜が意外な役柄で登場していることも明らかに。魔夜は「通行人の役でいいから出してくれって言ったらこうなったわけです」と言うと、小林監督は「通行人ってわけにはいけないでしょ! その役柄に似合うからキャスティングしました」と返した。
またイベントでは原作の「パタリロ!」が101巻目を迎えたことを記念し、加藤から魔夜に花束が送られる一幕も。加藤が「101巻を達成しましたが、お気持ちはどうですか?」と尋ねると、魔夜は「いやあ、通過点です」と飄々と述べる。加藤から200巻というワードが出ると、魔夜は「まあ100歳まで描けばいけるんじゃないかと。90歳の現役マンガ家とかもいますから。まだまだ負けてられません」と強気に語った。
最後は会場に集まった観客たちと、クックロビン音頭を踊ることに。踊り終わった後、加藤は本作のヒットを願い「初日を迎えられたことも本当にうれしいことですが、僕は貪欲に生きていきたいなと思います」と述べる。魔夜は自身原作の実写映画「翔んで埼玉」が大きくヒットしたことを受け、「僕は、『翔んで埼玉』の半分ぐらいはいくと思います」と冗談交じりに予想した。
「劇場版パタリロ!」
2019年6月28日(金)TOHOシネマズ 新宿ほか全国順次ロードショー
スタッフ
原作:魔夜峰央「パタリロ!」(白泉社刊)
監督:小林顕作
監督補:小泉宗仁
脚本:池田テツヒロ
音楽:小林顕作
撮影:伊集守忠
照明:酒井隆英
舞台照明:坂本明浩
衣装デザイン:朝月真次郎
美術:片平圭衣子
ヘアメイク:堀川貴世
振付:足立夏海、平原慎太郎
キャスト
加藤諒、青木玄徳、佐奈宏紀、細貝圭、金井成大、石田隼、吉本恒生、三津谷亮、小林亮太、松村雄基、近江谷太朗、木下ほうか、池田鉄洋、須賀健太、鈴木砂羽、西岡徳馬、魔夜峰央、哀川翔ほか
(c)魔夜峰央・白泉社/劇場版「パタリロ!」製作委員会2019