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「メガロボクス」細谷佳正が共感したセリフは?安元洋貴、監督ら登壇の上映会

TVアニメ「メガロボクス」の劇場上映イベント「ベストバウト上映」が、去る11月9日に東京・新宿ピカデリーにて開催。スタッフ・キャスト陣がトークを繰り広げた。

同イベントは、11月22日にBlu-ray BOXの最終巻となる第3巻がリリースされることを記念したもの。事前にWeb上にて「メガロボクス」全13話の中からお気に入りのエピソードを決める投票が行われ、当日は得票数上位1~4位のエピソードと、Blu-ray BOX特装限定版第1巻に映像特典として収録された本編の前日譚「”BEFORE THE ROUND ONE”」、同じく第2巻に収録された後日譚「”AFTER THE ROUND FINAL”」が上映された。

上映前には森山洋監督、脚本の真辺克彦、小嶋健作、藤吉美那子プロデューサーによるトークを展開。「メガロボクス」がTVシリーズ初監督作品となった森山監督は、同作が“「あしたのジョー」連載開始50周年企画”の冠で制作されたことをプレッシャーだったと語り、「原案である『ジョー』の名に恥じないオリジナル作品にしたい、という志を常に持って制作していました」と振り返る。真辺も「『あしたのジョー』は自分にとってバイブルなので(本作で)汚さないように」、小嶋も「『あしたのジョー』を読んだ最初の感触を裏切らないように」と、それぞれが原案へのリスペクトをもって物語を紡いでいったことを明かし、藤吉プロデューサーも「名作を原案に新たな物語を作ることで、怒られたり叩かれたりする覚悟はしていました。それなら、自分たちが本当に面白いと思える作品を作り、正々堂々と怒られよう」とその意気込みを明かした。

その後の上映は「”BEFORE THE ROUND ONE”」で始まり、得票数4位の第1話「”BUY OR DIE ?”」、得票数1位の第11話「”A DEADMARCH”」、得票数3位の第12話「”LEAP OVER THE EDGE OF DEATH”」、得票数2位の最終話となる第13話「”BORN TO DIE”」が続き、「”AFTER THE ROUND FINAL”」で締めくくられた。

上映後のトークショーには、森山監督とジョー / ジャンクドッグ役の細谷佳正、勇利役の安元洋貴が登場。大スクリーンでの上映にそれぞれが感想を述べたあと、3人が選ぶ「劇場で観てほしいエピソード」についての話題に。第1話と第2話を選んだ森山監督は、特に第1話について「これからどういう物語にするか、きっちりと固めて出さなければいけなかったので、自ら絵コンテも演出も手がけました。最も熱を注いだエピソードなので、思い入れが深いです」とコメントする。

第12話をセレクトした安元は「今までの紆余曲折を経て、大一番に向かってすべての準備が整っていく感じが好き」と話す。森山監督は「第11話でチーム番外地の関係は成熟して家族になり、彼らの物語は一旦完結します。第12話では、もう1人の主人公である勇利の物語を描きたかった」と説明した。第5話を推薦した細谷は、お気に入りだという同エピソードについて「2017年の(自身の)休業があって、自分の考え方が大きく変わったと思います。自己責任で好きなように生きていこうと思えるようになったタイミングで『誰かのせいにしても結局決めるのはてめえだ』という台詞にとても共感できたし、この台詞のために本作に関われたのかもしれないと思いました」と思いを述べた。

また前日譚「”BEFORE THE ROUND ONE”」について、細谷は「アフレコを全て終えて、自分の中で役ができたと感じたあとに収録したのがよかったです。好きな役だし、もっと続けたいなと思っていたのでうれしかった」と述懐。一方の後日譚「”AFTER THE ROUND FINAL”」について、“鉄”をイメージして勇利を演じたと語っていた安元は「勇利が恩人に『ありがとう』を伝えにいくという、とても人間らしい話で、“鉄”から“人”になったことを意識して演じました。勇利のバックボーンが詰まっていて、第12話のセリフの裏付けにもなっています。この話があってよかったです」と印象を語った。

イベントの最後、森山監督は「まだ具体的なことは何も説明できませんが、『メガロボクス』チームで次回作ができたらいいなと思っています」と期待を寄せる。安元は「何度も観返す作品というのはなかなかないのですが、『メガロボクス』は今でも観ています。いろいろな人にオススメしているし、自分でも楽しみました」と作品への思いを口にし、細谷は「『メガロボクス』のような、監督個人の主張が守られ、純粋に反映された作品がもっと増えていってほしいなと思います。森山監督の次回作もぜひよろしくお願いします」と挨拶し、イベントは締めくくられた。

(c)高森朝雄・ちばてつや/講談社/メガロボクスプロジェクト