緑川ゆき原作によるアニメ「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」の初日舞台挨拶が、本日9月29日に東京・新宿バルト9にて開催された。
アニメ「夏目友人帳」シリーズ初の長編オリジナルエピソードとして公開される本作。舞台挨拶には夏目貴志役の神谷浩史、ニャンコ先生・斑役の井上和彦、夏目レイコ役の小林沙苗、田沼要役の堀江一眞、多軌透役の佐藤利奈に加え、ゲスト声優として出演した島本須美、高良健吾、バイきんぐの小峠英二、西村瑞樹が登壇した。
本作の魅力について聞かれると、井上が間違いなくニャンコ先生だと役の声で真っ先に回答。これにはキャスト陣も同意する。神谷も街中でよく姿を見かけるほどのニャンコ先生の人気に、感謝を口にしていた。また本作では3匹のニャンコ先生が登場することから、井上は同じシーンを3回も演じたと、その苦労話を披露する。続く神谷は、妖怪、人間関係なくコミュニケーションを取ることの大切さを描いているからではと、本作の魅力に言及した。
高良は「俳優が声優をやらせていただくことに思うこともある」と前置きしながらも「好きな作品に、俳優の自分が参加することの意味を考えながら演じました。完成前の絵に声を合わせていくことは、難しかったですが楽しかったです」と笑顔を見せた。ファンの多い本作にゲスト出演することに対し、プレッシャーがあったという島本は、これまでに何度も夫婦役を演じた井上の名前を見つけ安心したそう。しかし、アフレコ現場で可愛い声を出す井上の姿を見て驚愕したことを振り返り、会場の笑いを誘っていた。
舞台挨拶の途中には、本作が出会いと別れをテーマにしていることから、自身のエピソードを登壇者が回答していく場面も。佐藤は、実生活での猫とのエピソードをあげ、ニャンコ先生好きの多軌役との出会いについても語る。堀江は高校生のときにクラスメイトが亡くなったという、別れについて話しはじめる。その子にもやりたいことがあったのではと考えた末に、自分が心から打ち込めることとして声優に出会ったと明かした。
声優をはじめるきっかけがスカウトだったという小林は、自身に声をかけてくれた、たてかべ和也に初めてあったときの太陽のような笑顔が強く印象に残っていると述懐。続く井上、島本も永井一郎、麻生美代子の名前を出しベテラン声優との出会いと別れについて思いを口にした。
バイキングの西村は「22年前に大分の車の教習所でこいつ(小峠)と出会いまして、そこから養成所の面接でまた再会したんです」とその劇的な出会いについて話す。しかし、それを聞いた小峠には「それが運の尽きだった」と返され笑いが起きていた。
最後の挨拶ではTVアニメ第1期から10年間本作に関わる神谷が、いつの時代でも変わらず心に残る作品だと本作を評し、公開初日を迎えられたことへの喜びを伝える。高良は「妖怪との交流を通して、人間の良さ、面白さが伝わってくるところが『夏目友人帳』の好きなところです」と述べ、「劇場版ではそういうところがより濃く描かれていると思います」と本作をアピールしイベントは幕を閉じた。
「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」
スタッフ
原作:緑川ゆき/月刊LaLa(白泉社)連載
総監督:大森貴弘
監督:伊藤秀樹
脚本:村井さだゆき
妖怪デザイン・アクション作監:山田起生
音楽:吉森信
アニメーション制作:朱夏
キャスト
夏目貴志:神谷浩史
ニャンコ先生・斑:井上和彦
夏目レイコ:小林沙苗
夏目貴志(少年時代):藤村歩
結城大輔:村瀬歩
藤原塔子:伊藤美紀
藤原滋:伊藤栄次
田沼要:堀江一眞
多軌透:佐藤利奈
西村悟:木村良平
北本篤史:菅沼久義
笹田純:沢城みゆき
名取周一:石田彰
柊:ゆきのさつき
笹後:川澄綾子
瓜姫:樋口あかり
ヒノエ:岡村明美
三篠:黒田崇矢
ちょびひげ:チョー
一つ目の中級妖怪:松山鷹志
牛顔の中級妖怪:下崎紘史
河童:知桐京子
もんもんぼう:小峠英二(バイきんぐ)
六本腕の妖怪:西村瑞樹(バイきんぐ)
津村容莉枝:島本須美
津村椋雄:高良健吾
(c)緑川ゆき・白泉社/夏目友人帳プロジェクト