マンガ・カルチャー誌「COZIKI」が本日9月20日に創刊。これを記念した発表会が、東京・新宿のTSUTAYA BOOK APARTMENTにて開催された。
アーティストたちが「古事記」をテーマに作品を制作し、それを発表する場として創刊されたCOZIKI。刊行ペースは年2回を予定しており、長崎・壱岐島限定で販売される。本日の発表会には編集長の稲田浩、企画プロデューサーの鈴木智彦、壱岐市長の白川博一氏、参加アーティストからマンガ家の服部昇大、コラージュアーティストの河村康輔、イラストレーターの下田昌克、詩人の菅原敏、料理人のソウダルアが参加。ゲストとして、かねてよりマンガ好きで知られる内田理央が登壇した。
まず稲田編集長は、雑誌の名前について「『古事記』からそのまま取ったのですが、アルファベットにすると“IKI”の文字が入ってるんです。“COZ”を“because”と捉えて、壱岐だからこそ、壱岐でしか買えないという意味を込めました。また“COZMIC”ということで、現代的なニュアンスもあります」と説明。またマンガ・カルチャー誌というジャンルを選んだ理由を「日本が『古事記』に始まる神話をどう受け継いでいるかというと、やはりマンガだと思いました」と手塚治虫の名前を挙げながら語る。
プロデューサーの鈴木は本誌を紙媒体で発行する意味について「時代に反するようですが……」と前置きしながら、「物理的に存在している、ということが非常に大事なポイントになります。雑誌を手に取り、それを持って島を巡る。またはアーティストが実際に立った場所に自分も行ってみるということが、もしかすると新しい観光の形になるんじゃないかと思いました」と解説した。
創刊号の表紙を手がけた河村は、作品の制作にあたって初めて壱岐を訪れたとのことで「楽しかった思い出をビジュアルに掘り起こすという作業をしてました」と述懐。また服部は「『日ペンの美子ちゃん』というマンガの6代目を描かせてもらっています。お声をかけていただいて『どういうものを描いたらいいですかね?』と思ったのですが、結局描いたのは『日ポンの巫女ちゃん』という(笑)。普段はボールペン習字の宣伝マンガなのですが、今回は『古事記』の宣伝をさせていただきました」と述べた。
ここで稲田編集長からゲストの内田へ、「COZIKI」の贈呈が行われる。内田は誌面を見ながら「作家陣が豪華! しかも皆さん実際に壱岐へ行かれてるんですよね。食べ物や海の描写がリアルですもん。(藤沢とおるのマンガに描かれた、壱岐名物の)赤うに丼おいしそう!」とコメント。また藤沢とおるの作品を見て「この主人公、『GTO』の教頭先生ですよね!? GREAT TEACHER UCHIYAMADA………『GTU』って書いてある! めちゃくちゃ面白い」と今日一番の笑顔を見せた。
また壱岐には神社が1000以上もあると聞いて、「私、パワースポットとか神話とか神社とか大好きなんです」と言う内田。稲田編集長は「お連れしたい! 2号目ではグラビア撮影とかの企画も考えさせていただきます」と返し、イベントは和やかな雰囲気で締めくくられた。
なおCOZIKI創刊号には寺田克也が壱岐島でライブドローイングを行った作品の写真や、インタビューを掲載。マンガ作品としては服部の「日ポンの巫女ちゃん」、藤沢の「GTU~青い海とご飯と謎の美女~」のほか、大橋裕之「ドライブ」、鳥飼茜「ふまじめ遠足」、マッチロ「オロチさんとタロー」も収録された。鳥飼はコラム「壱岐日記」も執筆している。