「パーフェクトワールド」完成披露、岩田剛典「世代を問わず共感できる作品」

左から柴山健次監督、須賀健太、杉咲花、岩田剛典、芦名星、大政絢。

有賀リエ原作の実写映画「パーフェクトワールド 君といる奇跡」の完成披露舞台挨拶が、昨日9月4日に東京・丸の内ピカデリーにて開催された。

「パーフェクトワールド」はインテリア会社に就職した川奈つぐみと、彼女の初恋相手で、車イスに乗る生活を送る鮎川樹を描いたラブストーリー。舞台挨拶には鮎川樹役の岩田剛典(EXILE、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)、川奈つぐみ役の杉咲花、是枝洋貴役の須賀健太、長沢葵役の芦名星、雪村美姫役の大政絢、柴山健次監督が登壇した。

車イス生活を送るという役柄を初めて演じたことについて、岩田は「題材自体はとても繊細ですが、人の命や人生の大切さを教えてもらえる、誰しもが共感できる作品だと思います。こういう恋愛の形もあるんだなと思いました」とコメント。また役作りにも苦労したことを明かし「車椅子での日常生活の練習はもちろん、車椅子に乗った状態でバスケットボールの試合をするシーンは怖かった」と述べ、「実際に体験してみると、車椅子での生活は想像以上に過酷で。どの建物も全部バリアフリーが行き届いているわけじゃないので、こういうところで苦労されてるんだな、とか学ばせてもらいました」と語った。

一方、つぐみ役は挑戦だったと述べる杉咲は「これまで悲しい過去を背負った役や家庭内暴力に明け暮れている役が多く、ラブストーリーとは縁がないと思っていた。新しいことに挑戦させてもらえることがうれしいです」とコメント。「ただ恋愛はいろんな形がある。自分が共感できない体験したことがないキャラを演じるのは難しく、不安もありました」と思いを明かす。また、まだ免許を持っていない杉咲は車を運転するシーンにも挑戦。「初めて運転席に乗ったんですが、操作がわかっていなくて、何回もクラクションを鳴らしてしまって。鳴らさないようにするのが試練でした」と撮影時を振り返る。須賀から「なんで押しちゃうの?」と聞かれた杉咲は「立ち上がるときに」と理由を話し、そのやり取りを横で見ていた岩田は「かわいらしいエピソードですね」と穏やかな表情で見守っていた。

杉咲演じるつぐみに思いを寄せ、見守る洋貴役の須賀は「実際同じ立場だったらどうするか?」という質問に「今までの取材では『アタックします』って答えてたんですけど、今日冷静になってちょっと考えてみたんです、マジで本当に行くのか。相手が岩田剛典……諦めましょう(笑)」と回答。会場に笑いが起こる中、話題に出された岩田に「なんで巻き添えにしたの?」と突っ込まれた須賀は「巻き添えじゃなくて、パーフェクトな存在なので!」と声を大にした。

また撮影中に乗り越えた試練があったかという話題に。樹の元恋人・美姫役の大政は学生時代の回想シーンを挙げ「私と岩田さんと花ちゃんは制服を着たんです。花ちゃんと並ぶと恥ずかしくてしょうがなくて……。申し訳ない気持ちでいっぱいでした(笑)」と苦笑い。すると岩田も「俺もそれだった、試練」と共感し「本当に勘弁していただきたかった(笑)。でもずっと男子校通いで学ランしか着たことがなかったんですけど、人生で初めてブレザーを着ることができて。楽しくやらせていただきました」と照れくさそうに話した。

最後の挨拶で杉咲は「完成した映画を観て、いつ死んでしまうかわからないのは誰にでも言えることで、だからこそ今大事な人にありがとうって言ったり、好きな人に好きって言ったり。今できることを今しなきゃなと思わせてもらいました。大切な人をより大切に思える作品です。この映画を観て大切な人を思うきっかけになれば」とコメント。そして岩田が「愛の力で障がいを乗り越えていく姿は世代を問わず、共感していただけると思います。まだ公開まで1カ月ありますけど、これからどんどん『パーフェクトワールド』の輪を広げていけたらと思います」と語りイベントを締めくくった。

映画「パーフェクトワールド 君といる奇跡」は、10月5日より全国でロードショー。