TBSのアニメ作品にまつわるイベント「TBSアニメフェスタ2018」が、去る8月18日に東京・文京シビックホールにて行われた。イベントの司会はアニメ好きで知られる岩井勇気(ハライチ)、宇垣美里アナウンサーが担当。本記事では第3部のレポートをお届けする。
第3部は6月に放送を終えた「されど罪人は竜と踊る」からスタート。ガユス役の島崎信長、ギギナ役の細谷佳正が登場。島崎は「ガユスはギギナという超天才に比べると、使えるものを全部使って努力しているキャラクター。だからこそ汚いところや弱いところ、甘いところもあって、人間臭くて好きなんです」と語り、また土師孝也演じるモルディーンとのやり取りについて「お互いにセリフの内容が難しすぎて、真剣に聞いていないと返せなくなっちゃいそうなんですよ。今でも土師さんと『され竜』のアフレコ楽しかったね、なんて話すんです」と明かした。細谷はガユスとギギナの掛け合いについて「バディものなんですけど、2人が仲良くないんです。(ガユスを)イラっとさせるにはどうしたらいいか、悪口の言い方を研究しました(笑)」と振り返る。
後半は2人の相棒力を試すジェスチャーゲームを実施。敗者となった島崎に「相手のいいところを10個言う」という罰ゲームが課されたものの、島崎は「細谷さんはまずカッコいいです。飾らないし、気取らないし、もちろんお芝居も素晴らしいし……」と次々に褒めちぎる。細谷は「信長さんは本当に人のいいところを見つけるのが上手い!」と照れるも「いや、本当に尊敬しているんです」と言い切る島崎に、会場からは歓声が沸いた。
続く「メガロボクス」ステージには、ジョー役の細谷佳正と、勇利役の安元洋貴が登場。それぞれが演じたキャラについて、細谷はジョーに「自分が思うあこがれやカッコよさを込めた」と語り、安元は勇利を「本物のチャンピオンであることに“努めている男”」と評す。また細谷は「ちょっとお互いに背伸びしているというか、“負けない”っていう気持ち伝わってきて、いい緊張感がありました」とアフレコを振り返った。「ここだけは絶対に見てほしいシーンは?」という質問には、細谷は「全話順番に見ていただきたいので、1話」と答え、安元は「『本物』について語るシーン、『本物』にまつわるシーン。つまり全部ですね(笑)」と本作の面白さをアピール。
最後に細谷は「これまでの35年間で、やりたかったことが完全に叶った作品でした。『メガロボクス』以降、仕事との向き合い方もまた変わったと思います」と本作への思い入れを見せ、安元も「どの作品も楽しいんですが、その中でも細谷くんといいケンカができたと思います。こんなに美しい1クールの作品はないです」と語った。
続いてのステージは、タイトルがこの日に初解禁となった赤根和樹監督のオリジナル作品「星合の空」。赤根監督に加え、桂木眞己役の花江夏樹、新城柊真役の畠中祐もシークレットゲストとして登壇した。赤根監督は「スタイルとしては部活ものなんですけど、家族のドラマを描いていきます。ただ、単なる家族愛ではないです」と話し、ソフトテニス部を舞台に選んだ理由についても「ソフトテニスって中学生の競技人口はとても多いけど大人になるにつれて少なくなり、そのときの気持ちも忘れていってしまう。それが思春期というもののイメージと重なったんです」と語った。
花江と畠中のキャスティングについては、プロフィールをまったく見ずにオーディションの音声のみで選んだと話し、2人は「本当にうれしいです」と笑顔を見せる。自身もソフトテニス部だったという花江だが「幽霊部員でした(笑)。中学3年生で副部長になって、そこからちゃんとやり始めましたね」と明かし、畠中も「僕はバスケ部だったんですけど、ベンチでしたね(笑)。声を出してました」と笑いを誘った。
赤根監督は「少しでも今の社会状況を映し出せるようなアニメーションにしたいと思っていますので、注目していただければ」と呼びかけ、花江は「監督の熱意に応えられるように全力でがんばりたいと思います」と意気込む。最後に畠中は「すごく重いテーマになると思うんですが、登場人物にちゃんと寄り添って演じられるように、僕自身もしっかりと作品と向き合っていきたいと思います」と締めくくった。
6時間にわたるイベントのトリを飾ったのは「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」。愛城華恋役の小山百代、神楽ひかり役の三森すずこ、天堂真矢役の富田麻帆、星見純那役の佐藤日向、露崎まひる役の岩田陽葵、大場なな役の小泉萌香、西條クロディーヌ役の相羽あいな、石動双葉役の生田輝、花柳香子役の伊藤彩沙が劇中衣装の“レヴュー服”を着て勢揃いした。
舞台となる寮で登場する料理や、毎回変わるエンディング曲、「This is 天堂真矢」をはじめとする名言など、本作の見どころを1人ずつ語ったあとは、各話の印象的な“レヴューシーン”についてトーク。最後は色とりどりのサイリウムが客席に灯る中、「Star Divine」「星のダイアローグ」を披露し、ダンス、歌、殺陣が合わさった見事なパフォーマンスでフィナーレを飾った。
※島崎信長の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記。