「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」12月劇場公開、片渕監督&のんが再タッグ
こうの史代原作による映画「この世界の片隅に」に、約30分の新規シーンを追加した別バージョン「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が、12月に劇場公開される。発表にあわせて、ティザービジュアルと特報映像が解禁された。
同作は「この世界の片隅に」を手がけた片渕須直監督が、現行版では拾いきれなかった原作の魅力的なエピソードを描き足すことによって、主人公・すずだけではない“さらにいくつもの人生”を描き出したいと考えたことから始動。現行版とは一部主題も変わってくるため、別の題名をつけた“もう1本の映画”として制作されることになった。新タイトルは片渕監督が案を出したもので、原作者のこうのも快諾している。
追加されるシーンは、すずが嫁ぎ先の町で出会った同世代の女性・リンと交流する、昭和19年秋と昭和20年冬から春にかけてのエピソードや、妹・すみを案じながら過ごす中で迎える、昭和20年9月の枕崎台風のシーンなど。新しい登場人物や、既存の登場人物の別の側面にスポットを当てることで、キャラクターの心の奥底で揺れ動く複雑な感情を描出。すずも、より大人の印象を与えるキャラクターとしてお目見えする。
主人公・すず役はのんが続投。音楽も引き続きコトリンゴが、主題歌を含むすべての劇中曲を担当し、新曲も制作する。片渕監督は「明るくぼーっとした人のように見えるすずさんが自分以外の『世界の片隅』と巡り合うとき、すずさんの中にはどんな変化が生まれるのでしょうか。すずさんの中にあったほんとうのものを見つけてください」とコメントを発表した。
特報映像はコトリンゴが歌う「悲しくてやりきれない」に乗せて、紅を付けた指がリンの横顔を描いていくもの。新たに収録された、すずの「リンさんを探して。そう、うちの声が言うのが聞こえた」というセリフも聞くことができる。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」
テアトル新宿・ユーロスペースほかにて12月全国公開
スタッフ・キャスト
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄
監督補・画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
美術監督:林孝輔
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎
監督・脚本:片渕須直
製作統括:GENCO
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
製作:2018「この世界の片隅に」製作委員会
出演:のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外
(c)2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会