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「ジョジョ」原画展会見、荒木飛呂彦が目指すのはキャラと来場者の空間共有

荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」の展覧会「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」の記者発表会が、本日6月21日に東京・六本木の国立新美術館で開催された。

発表会には荒木をはじめ、青木保国立新美術館長、集英社の廣野眞一常務取締役、国立美術館の真住貴子主任研究員・教育普及室長、集英社コンテンツ事業部の菅井佑允主任が参加。荒木はまず、「『ジョジョの奇妙な冒険』の連載がスタートしてから30年が経ちますが、今回の原画展は(これまでの)集大成です」と挨拶し、「中学生以下の皆様は(入場)無料ということで、ぜひ観ていただきたいです。原画には印刷された絵とは違う部分が必ずあります。そういう部分を(原画から感じ取ってもらい)、若い人たちの勉強や仕事をする際の考え方を形成する際の役に立てたい。これは密かな僕の野望です」とメッセージを送った。

その後壇上では東京会場、大阪会場それぞれのキービジュアルをお披露目。荒木は東京会場のキービジュアルに描かれた空条承太郎と、大阪会場のキービジュアルに描かれたDIOについて、「2枚1組ということで、僕の中で『最強の2人』を描きました。2人とも神格化されているキャラなので、それを(原画展の)象徴とするのがいいのかなと。富士山の尖った三角と、月の円という絵画的な構図の差や色の違いにも注目していただきたいですね。自分でもかなり力を込めた作品です」と力強く宣言する。

また荒木はキービジュアルについて「風神雷神から発想を得た部分がある」と明かし、「DIOは(劇中で)敗北していますので感慨にふけっている感じで、美術で言うと(ロダンの)『考える人』のイメージですね。視線もちょっと外したりして、こだわりました。承太郎は、よく描いている承太郎の決めポーズを取っていて、これはクリント・イーストウッド(の作品)から来ています。マグナム拳銃を構えているような感じです」と説明。さらに原画展の会場に2000mm×1200mmサイズの大型描き下ろし原画を展示することを発表し、「原画のキャラクターは実物大サイズで、(キャラと来場者が)同じ場所に存在していると思ってもらえるようにという目的で描きました」とその意図を語った。

最後に荒木は「今回の原画展に関してはマンガ界の先輩方に感謝したいと思います。手塚(治虫)先生をはじめ、先輩方の作品や助言がなければ、『ジョジョの奇妙な冒険』という作品は影も形もなかったと思います。また私より年下のマンガ家の皆さまが(マンガ界を)盛り上げてくださっているので、国立新美術館での原画展の開催があると考えています」と素直な気持ちを吐露。さらに「それと『ジョジョ』のアニメの第5部というものがありまして。『黄金の風』というのがこの秋からスタートしますので、そちらもよろしくお願いします」とさらりと第5部のアニメ化を発表し、壇上から降りた。

発表会後には荒木の囲み取材を実施。荒木は「JOJO 冒険の波紋」のコンセプトについて「キャラクターたちが住む世界と読者がいる現実の世界が同じフロアにある、ひとつの空間を共有するということを目指しています」と改めて説明。このほか「若さの秘訣は」という毎度おなじみの質問には、「そういうふうに質問されるからいつもノッて『東京都の水道水で顔を洗ってます』なんて答えていますけど、絶対に歳はとっていますよ(笑)。足腰硬いですし、(2mの)大型原画を描いているとずっと筋肉痛ですから」と苦笑いしながらも、「DNAですかね」と回答する。そして本日発表された第5部のアニメについては、「アニメは原作と絵とかは違ってくるとは思うんですが、僕はそこにはこだわっていなくて、『世界観を統一していただければ』という感じで見ています。第5部はチームの物語なので、チームの完成度と彼らのファッションに期待したいですね」とエールを送った。

「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」は8月24日から10月1日まで東京・六本木の国立新美術館、11月25日から2019年1月14日まで大阪文化館・天保山にて開催。先行予約券および「JOJO’s Sketch Stickers(専用ケース付)」付きのチケットは6月23日10時から申し込みの受付を開始する。

荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋 東京会場

会期:2018年8月24日(金)~10月1日(月)※8月22日(水)、23日(木)はプレビューデイ。
時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日は21:00まで)※最終入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E

荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋 大阪会場

会期:2018年11月25日(日)~2019年1月14日(月)※11月23日(金・祝)、24日(土)はプレビューデイ。
時間:10:00~20:00 ※最終入場は閉館の30分前まで
会場:大阪文化館・天保山

(c)荒木飛呂彦&LUCKYLANDCOMMUNICATIONS/集英社