「曇天に笑う〈外伝〉」櫻井孝宏、遊佐浩二のありがたみ感じて「手を合わせた」
劇場アニメ「曇天に笑う〈外伝〉~宿命、双頭の風魔~」の初日舞台挨拶が、本日6月9日に東京・丸の内ピカデリーにて開催された。
イベントにはキャストの金城白子(壱助)役の櫻井孝宏、壱雨役の遊佐浩二、永四郎役の津田健次郎、六花役の井上喜久子が登壇。櫻井が本作について「脚本を読んだら、なんて悲しい話だと。背負うものがあり、収録も緊張感の中粛々と行いました」と述べると、遊佐は「つらいシーンが続くのでキューっと胸を締め付けられるような。だから(収録では)『ハワイの空港がイノウエ空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)という名前になったんだよ!』なんて真面目なことばっかり話してました(笑)」と冗談を交えつつ井上と笑い合う。
劇場アニメのオリジナルキャラクターとして、壱助と壱雨の父親役を務めた津田は「歴史ある作品の外伝に出させていただくのは非常にうれしいことでした」とコメント。遊佐から「お父さん、僕に何も言ってくれないんです(笑)。会うシーンが非常に少なくて」と言われると、津田は「そっち(壱雨)はお母さん派だから」と返す。母親役として同じく今作から参加した井上は「切ないシーンが多くて、悲しいことがいっぱい。そんな中でも、忍びの一族の一員でありながら母親であるということをいかに表現できるか考えながら演じました」と明かし、劇中のシーンや実際に収録現場でも周囲を笑顔にできるよう努めたと振り返る。そんな井上に櫻井は「非常に甲斐甲斐しく世話をしてもらいました(笑)」と伝えた。
本作は双子のルーツが深く描かれているということで、櫻井は「遊佐さんの気配、波動を感じながら収録に臨みました」と述懐。「集中して現場が静まり返ったとき、遊佐さんがフワッと雰囲気を明るくしてくださったり。ありがたいなあなんて、手を合わせていました」と続けると、遊佐は「合わせてたっけ?」とツッコむ。遊佐はテレビシリーズでも櫻井とユニゾンで話すセリフがあったことに触れ、「(壱助と壱雨は)2人で1人。今回そのバックボーンが描かれたことで『お前は俺か』という問いかけの意味が補完されました」と感慨深げに語った。
ここから登壇者たちは風魔一族の厳しい掟にちなみ、自身の中で決めているルールを挙げていくことに。最初の挨拶から「井上喜久子17歳です」とおなじみの挨拶を披露していた井上は「“17歳教”という忍びの組織の長をやっていまして……。出身地を聞かれたら『お花畑』って答えるって決めてるんですけど、あまり聞いてもらえない」とファンシーな回答で会場を和ませる。続く津田は「あんまんを食べるとき、肉まんを絶対買います。肉まんのときは肉まんだけで大丈夫」と真剣な顔のままユニークな回答を披露。
遊佐は「潔癖性のところがありまして。落ちた食べ物は3秒以内に処理します」と言って素早く拾って食べるジェスチャーをしてみせ、共演者たちから「さすが風魔!」と称賛の声を引き出す。櫻井も「お風呂に入ったあとはトイレに行かない。必死に寝る」と個性的な回答で観客を笑わせるが、髪を乾かさずに寝てしまうことがあると明かすと遊佐から注意を受けてしまう。最終的に櫻井が反省の弁を述べる流れになり、遊佐が耳打ちするままに「今日から、髪を洗ったら、乾かして、寝るのです」と発言。息ぴったりの櫻井と遊佐の姿を、井上は「2人で1人!」と笑顔で見守っていた。
最後に櫻井は「この作品はとても重い切ないお話です。でも少しの希望が、彼の人生のその先が見られる作品でもあります。そのまま自分に置き換えたり共感するのはちょっと難しいと思うんですが、この作品を見て、自分にとって誰が大切か、何が大切か考えるきっかけになるのではないかと思います」と語り、イベントは幕を閉じた。
劇場アニメ3部作「曇天に笑う〈外伝〉」の中編となる「宿命、双頭の風魔」は本日より2週間限定にて上映。7月4日には、中編となる「宿命、双頭の風魔」のBlu-ray / DVDがリリースされる。
(c)唐々煙/マッグガーデン・曇天に笑う外伝製作委員会