久保帯人原作による実写映画「BLEACH」の撮影が、2016年10月に埼玉県内のオープンセットにて行われた。コミックナタリーでは、撮影現場の模様をレポートする。
「BLEACH」は、高校生・黒崎一護が死神・朽木ルキアから死神の力を与えられ、虚(ホロウ)と呼ばれる悪霊と戦う物語。映画では福士蒼汰が一護役を、杉咲花がルキア役を演じ、「アイアムアヒーロー」の佐藤信介がメガホンを取った。
原作通りのオレンジ髪と、“地毛”という設定に説得力を与えるためのカラーコンタクトレンズを入れて現場に現れた福士は、佐藤監督と話し合いを重ねて作り上げたそのビジュアルについて「ここまで髪を染めたのは人生で初めてです。でも数日で慣れて、逆に黒髪の自分を忘れてしまいました(笑)」と話す。キャスト解禁時、原作者の久保が「唯一心配なのは一護の髪の色かなー!あの色実写だとヘンだけどどうすんだろなー!」とコメントしていたことから、佐藤監督は「ちょうど髪色について話し合っていた時期だったので、そのときはプレッシャーを感じました(笑)。むしろそこはアグレッシブに取り組もうと思っていたので、ここまでやってよかったと思った」と振り返る。
オファーを受けてから原作に触れたという福士は「本当にドハマりして、当時出ていた73巻分を1、2週間で、寝る間を惜しんで読んでしまいました」と熱っぽく語り、「原作を読んだ方がイメージするものに近づけるよう意識して、マンガやアニメを参考に演じています」と意気込む。
そんな福士を一護役に選んだ理由を、小岩井宏悦エグゼクティブプロデューサーは「違和感なく制服を着られて、かつ大作を背負える俳優であること」と説明。またルキア役の杉咲について「映画『無限の住人』での芝居が素晴らしかったこと、ルキアの持つ“和”のイメージに合うこと」、石田雨竜役の吉沢亮について「芝居がしっかりしていて端正な顔立ちであること」、阿散井恋次役の早乙女太一について「アクションに説得力があること」、朽木白哉役のMIYAVIについて「邦画のラスボスとして、新鮮味のあるキャストにお願いしたかったこと」といった起用理由を明かした。
この日は、ルキアを連れ戻しに来た恋次と一護が対面する、クライマックスシーンの一部を撮影。セットには駅やバスロータリー、ハンバーガーショップなど、一護たちの暮らす空座町の街並みが再現されているが、すでに虚が暴れたあとという設定のため、その大半が崩壊している。瓦礫だらけの地面で一護が恋次に踏みつけられるシーンにも、福士は果敢に挑戦。ワイヤーを使ったアクションでは、すばやく回転しながら起き上がった一護が恋次を斬りつける動きを、スタントマンたちがタイミングや角度を調節しながら時間をかけて作り上げていく。一護が斬魄刀を振り抜くシーンでは、合間に自主練習する福士の姿も見受けられた。
人気作の実写化にあたり、佐藤監督は「外圧的なプレッシャーはあまりなくて……もうちょっと感じたほうがいいかも知れないくらい(笑)。それよりも自分が考えたことをどう実現するかという、自ら撒いた種によって感じるプレッシャーのほうが大きいです」と心境を明かす。そして福士は、作品について「アクションはもちろん、ストーリーに関わるお芝居の部分にも力を入れています。アクションだけではないアクション映画にしたいと思っています」と語った。
2016年11月に撮影を終えた映画「BLEACH」は、約1年以上かけてCG制作作業が行われた。7月20日より全国でロードショー。
映画「BLEACH」
監督:佐藤信介
原作:「BLEACH」久保帯人(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
配給:ワーナー・ブラザース映画
出演
黒崎一護:福士蒼汰
朽木ルキア:杉咲花
石田雨竜:吉沢亮
阿散井恋次:早乙女太一
朽木白哉:MIYAVI
(c)久保帯人/集英社 (c)2018 映画「BLEACH」製作委員会