LINEマンガなどを展開するLINE Digital Frontierが、本日10月22日に東京のオフィス内でコンテンツ投資に関する発表会を実施。同社の代表取締役社長・森啓氏および、WEBTOON Entertainment President兼LINE Digital Frontierの代表取締役・金鎔秀(キム・ヨンス)氏が登壇し、今後のグローバル展開や日本市場での成長戦略、その具体的な取り組みについて発表した。
キム氏は発表を前に、「日本で初めてこのようなコンテンツ投資に関する発表を行えることをうれしく思います」と切り出し、「多くのクリエイターの多様な作品を世界中に届けることが我々の使命です。日本でも多くのクリエイターの作品に携わり、どうすればグローバルに展開していけるのか、一緒に悩むことが我々の仕事になります」とコメント。続けて、LINE Digital Frontierの親会社であるWEBTOON Entertainmentが、アメリカで開催された「ニューヨーク・コミコン2026」にて2つのブースを展開したことを紹介した。現地で韓国発の人気作「フォグランド」のファンたちとともに、自らコスプレをして作品をアピールしたというキム氏は、「ニューヨーク・コミコン」などの大規模イベントで作品を紹介するためにも、日本の作品のグローバル展開をより推進していきたいと語り、森氏にマイクを譲る。
キム氏に続いて登壇した森氏は、日本発のオリジナルコンテンツをさらに生み出していくために、LINE Digital Frontierが今後3年間で総額100億円規模の資金投入を実施すると発表。日本の作品を世界へ届けるためのキーワードとして“Japan to Global”を掲げ、「日本は世界最大のマンガ市場です。そして目の肥えたユーザーさんがいらっしゃいます。我々WEBTOON Entertainmentにとって最も重要な市場です」と話し、具体的な施策としてGlobal DropとWEBTOON CANVASを挙げた。
Global Dropは、各言語に翻訳した作品をWEBTOON Entertainmentが手がけるプラットフォームを通して、世界同時に配信開始するプロジェクト。9月19日に第1弾作品「勇者の抒情歌」が、世界同時に連載を開始した。日本で同作はLINEマンガおよびebookjapanで配信されている。森氏はこのGlobal Dropにて、ナンバーナインが手がける「暗殺勇者の天星航路」を世界同時に配信すると明かした。同作を皮切りに、ナンバーナイン以外の企業の作品も、世界同時配信される予定だ。
森氏は映画やアニメでは当たり前のように世界同時配信が行われている一方で、マンガの世界同時配信は翻訳コスト、流通経路などの要因で、世界同時配信には大きな課題があり実現が容易ではないと説明。Global Dropによって「世界の読者が作品を同じタイミングで体験し、感想を伝え合える世界を構築していきます。これは海外配信において課題とされる海賊版対策としても、非常に有効な手段だと考えています」と話す。さらにWEBTOON CANVASにより、個人クリエイターの作品も世界中に届けることを目指すとの展望を明かした。
WEBTOON CANVASは現在、英語やスペイン語など7言語で利用可能な創作プラットフォーム。AIを活用した複数言語の翻訳機能が使用できるため、言語や地域を超えて、さまざまな読者に作品を届けることが可能だ。森氏は「日本の個人クリエイターが、日本にいながら世界中の読者に作品を読んでもらえる場を作っていきます。加えて作品へのコメントも翻訳し、各国の読者の交流も促します」と語った。日本においてWEBTOON CANVASは、LINEマンガ インディーズと連携し、2027年中の導入を予定している。
また、WEBTOON CANVASにおける翻訳機能にAIが使用されている点については、キム氏が「AIに任せるのは言語の翻訳のみであり、作品の学習は行わせません。これまでもそうしてきましたし、日本においてもそれは徹底します」と補足。「そして、WEBTOON CANVASを利用する作家さんには選択の自由があります。翻訳機能を使いたくなければ、使わなくてもまったく問題ありません。クリエイターの方々が第一という姿勢は、今までもこれからも変わることはありません」と明言した。
発表会の最後に森氏は、「LINE Digital Frontierはまだまだ日本における影響力が大きくない会社だとは思うのですが、WEBTOON Entertainmentは今、世界で非常に注目されているグループでございます」とコメント。続けて「本気で“Japan to Global”を実現していきたいと思っておりますので、今年、来年の我々の成果を見守っていただければと思います」と呼びかけ、発表を締めくくった。