スマートフォン向けゲーム「Fate/Grand Order」の展覧会「Fate/Grand Order展 -星見の回廊-」が、本日7月17日に東京・森アーツセンターギャラリーで開幕する。コミックナタリーでは、開幕前日に行われたメディア向け内覧会の様子をお届け。なお本レポートや写真には第2部終章までのネタバレが含まれる。また展覧会の様子を詳細にレポートするので、足を運ぶ予定の人はご注意を。
新規アニメ映像が堪能できる「オープニングシアター」
入場すると、来場者はまず「オープニングシアター」に通される。ここでは新規のアニメ映像が流れ、マシュ・キリエライトの視点から見たこれまでの旅の記憶が次々と映し出された。マシュが思いを語るセリフも収められた映像は、終章を終えたプレイヤーであれば感動必至。なお監督、絵コンテ、演出は藤田春香、作画監督は田中将賀、アニメーション制作はCloverWorksが手がけた。最初のエリアからクライマックスのような雰囲気の中、来場者はフォウくんに誘われて次の部屋へと進む。
貴重な資料がところ狭しと並ぶ「制作資料室」
「制作資料室」に足を踏み入れると、設置された台や壁、天井から吊り下げられた展示スペースに、ところ狭しと資料が並ぶ。ここには「Fate/Grand Order(以下、『FGO』)」リリース以前から第2部終章にいたるまでの、貴重な制作資料がお目見えした。部屋の入り口付近には、うず高く積み上げられたA4用紙が。「FGO」のテキストはA4用紙に換算すると、のべ1万7000枚にもおよぶ。ここに置かれたA4用紙は、第1部から第2部終章までのメインシナリオの量を可視化したものだ。紙が置かれた台には、リリース前の企画書と思われるものも置かれていた。そこには、勝手に行動をして言うことをきかないサーヴァントを令呪で制するといった現在は実装されていない案も書かれており、試行錯誤のうえ「FGO」が現在の姿になったことがわかる。
展示室にはほかにも第1部、1.5部に関する資料も。第2部は、各章にスペースが設けられた。羽海野チカ、広江礼威、田島昭宇、白浜鴎らが手がけたサーヴァントの、制作過程の資料も公開されている。中には制作中に書かれた手書きのメモ入りの資料もあり、制作の様子をありありと感じることができた。展示の近くにはシナリオを手がける奈須きのこ、リードキャラクターデザイナーの武内崇ら、クリエイターたちの解説も添えられている。終章をはじめ、担当した章について思いを語る奈須、アルトリア・キャスターなどデザインを担当したキャラクターについて制作を振り返る武内のコメントも閲覧可能だ。大量のバトルモーションの絵コンテが重なる台には、第2部終章のイベントCGのラフも。資料を通じて、第2部終章の記憶が新鮮な気持ちで思い起こされる。
「イベントストーリー保管庫」には、期間限定のイベントなどで登場したアイテムがずらり。中央では、柱を突き破る巨大なフォウくんが存在感を放つ。「サーヴァント・サマー・フェスティバル」に登場した同人誌や、バレンタインイベントのチョコレートも倉庫に詰められたように雑然と並んだ。また巨大なチェイテピラミッド姫路城の模型も鎮座。さらにイベントアイテムに交じって、プレイヤーなら喉から手が出るほど欲しくなるような強化素材も保管されていた。
マシュの成長を辿る「カルデアの旅」
「カルデアの旅」のエリアでは、17mの巨大天井画がマスターを出迎える。複数のコーナーに区切られたこの展示では、マシュの成長をさまざまな展示で振り返る。ロマニ・アーキマンと、レオナルド・ダ・ヴィンチが並び立つコーナーには、2人が書いたと思われるメモやレポートが。サーヴァントについて語るメモに加え、マシュの体調を気遣うメモが壁に貼られている。またここでは、レオナルド・ダ・ヴィンチ(ライダー)が、ロマニについて語るボイスも流れていた。クリプターのイラストがセリフとともに展示されているコーナーも登場。ここでもボイスが流れ、クリプターたちのかけあいを楽しむことができる。
ストーム・ボーダーにシャーロック・ホームズ、ネモ、シオン、ネモ・マリーンが並ぶコーナーでは、それぞれが業務について語ったり、ゴルドルフへの印象を語ったりと会話劇を繰り広げる。その横には、カルデアのスタッフのパスケースも下げられていた。またこれまでの異聞帯での戦いや、異聞帯に生きる人々を思い起こさせるパネルも壁面を彩る。さらにストーム・ボーダーの模型に映像が投影され、さまざまな場所を飛行しているように見える立体展示もこのエリアに華を添えた。
通路の奥には、シールダー・パラディーンとなったマシュの立像が。その側には、マシュのイラストやイベントCGも展示され、これまでの歩みと成長を感じさせた。さらにカーテンをくぐると、“グランドクラスの間”へ。ここにはグランドサーヴァントとなった14騎のサーヴァントの描き下ろしイラストが並べられている。羽海野の描いたオベロンや、望月けいの描いたバーヴァン・シー、リヨの描いたスーパーバニヤンらが大きく印刷され、通路を囲んだ。
第2部終章の戦いまでが蘇る「星見の回廊」
次なるエリアは、展覧会のタイトルと同じ名前を冠する「星見の回廊」。主人公とマシュのこれまでの旅の記憶が、最後の戦いまで回想できる映像となっていた。最後には多数のサーヴァントが投影される一幕も。内覧会の参加者には、好きなサーヴァントを探す人の姿も見受けられた。
第2部終章の余韻に浸りながら会場内を進むと、サイン色紙などが掲示された「メモリアルメッセージ」に辿り着く。ここにはイラストレーターの色紙99枚、アニメ関係者の色紙5枚、音楽関係者の色紙5枚、シナリオライターの色紙17枚に加え、キャストや関係者の色紙11枚と、額装されたキャストのサイン入りビジュアル14枚が壁を埋め尽くす。武内と奈須のサインの色紙も飾られ、それぞれイラストやメッセージで思いを伝えた。
川澄綾子と坂本真綾が登場、奈須きのこと武内崇への印象を語る
内覧会では、アルトリア・ペンドラゴン役やフォウ役を務める川澄綾子と、ジャンヌ・ダルク役やダ・ヴィンチ役を務め、主題歌も手がける坂本真綾も登場し、トークセッションも行われた。展示の感想を尋ねられた川澄は、キャストとしてだけではなくプレイヤーとしての思い出も蘇ってきたと述べる。また「オープニングシアター」の映像にも触れ、マシュの成長と、プレイヤーたちが抱くマシュへの思いを想像した。「制作資料室」については、川澄が大量のシナリオの紙から改めて物語の重厚さを実感したと話し、坂本は制作過程を見ることができる特別感を伝える。
ゲームリリースから間もなく11周年を迎える現在の思いを聞かれると、坂本は懐かしくもありながら、ともに歩んできた感覚が強いと話した。一方川澄は、今までここまで長くプレイしたゲームはないのだとプレイヤー目線で語り、さまざまなときと場所でゲームをプレイしたことを振り返る。そして第2部終章での戦いにも思いを巡らせた。坂本には主題歌についての質問も投げかけられる。坂本は「時計」の反響をさまざまな場所で伝えられるそうで、物語との親和性により力を増した音楽が、ファンに届いたことを喜ぶ。川澄はすかさず、ゲームのエンディングで流れた「時計」に涙したと明かし、優しい歌声とメロディを絶賛した。なお第2部の終盤で歌詞の意味が明らかになった「逆光」について、坂本は意味を明らかにできてすっきりした様子だった。
奈須と武内の印象については、川澄が奈須のピュアな人柄を紹介しつつ、その表現の手伝いができることの幸福さを笑顔で語った。坂本も同意しながら、奈須と武内がピュアな魂を持っていると語り、そんな2人だからこそ、たくさんのクリエイターが作品に参加しているのだと敬意を表する。最後には2人が奈須と武内の健康を願い、イベントを締め括った。「Fate/Grand Order展 -星見の回廊-」は、9月14日まで開催される。
「Fate/Grand Order展 -星見の回廊-」
期間:2026年7月17日(金)~9月14日(月)
時間:10:00~20:30 ※最終入場は19:30
会場:東京都 森アーツセンターギャラリー
(c)TYPE-MOON / FGO PROJECT