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「ヒロアカ」クランチロールのアニメ・オブ・ザ・イヤーに「最高な関係を築けた10年」

アメリカのアニメ配信事業大手・クランチロールが主催する「クランチロール・アニメアワード 2026」の授賞式が、本日5月23日に東京・グランドプリンスホテル新高輪で開催された。アニメ・オブ・ザ・イヤーには「僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON」が輝いた。

10回目を迎えた「クランチロール・アニメアワード」

2017年にスタートし、今年10回目を迎えた「クランチロール・アニメアワード」。2025年1月1日から12月31日までに日本国内および海外で放送・配信・劇場公開されたアニメを対象に、アニメ業界関係者らによる審査委員会がノミネート作品を選出、さらに一般投票を加えて各部門の受賞作品が決定する。

アニメ・オブ・ザ・イヤーは主な制作が日本で行われているシリーズ作品が対象で、今年は「ダンダダン」第2期、「薬屋のひとりごと」第2期、「ガチアクタ」「僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON」「タコピーの原罪」「光が死んだ夏」がノミネートされていた。また長編アニメを対象としたフィルム・オブ・ザ・イヤー、オリジナルアニメを対象とした最優秀オリジナルアニメ賞など、32部門が設置されている。全部門の結果は記事末のリストに記載した。

また32の部門に加え、アニメの歴史に足跡を残したクリエイターや作品に贈られる「グローバル・インパクト・アワード」は、2025年8月に死去したアニメーション監督の長峯達也に授与。長峯監督と「ハピネスチャージプリキュア!」や「ONE PIECE」など数々の作品でともに仕事をし、プライベートでも親交が深かったアニメーターの佐藤雅将が代理登壇を行った。

「ヒロアカ」長崎健司総監督がファンに感謝「最高な関係を築けた10年」

アニメ・オブ・ザ・イヤーを受賞した「僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON」。授賞式には第1期から第3期まで監督を務め、第4期以降は総監督として指揮を執ってきた長崎健司が登壇した。長崎総監督は「放送開始からちょうど10年目を迎えて、昨年皆様のおかげで無事終了できました。その集大成として今回の賞をいただけてうれしいです」と感激もひとしおの様子。「第1話、すごくエモーショナルな原作をいかにアニメーションに落とし込むかということで、自分なりにもチャレンジした作品でした。発表したときにすごくいい反響をいただけて、これからより面白いアニメーションができると期待していました」と旅路の始まりを振り返った。

今後の自身の作品づくりについて聞かれると「『ヒロアカ』のような作品に巡り合えて、内容もですが、すごく情熱のあるスタッフの方と一緒に仕事ができた。これからも情熱を共有できる人と一緒に仕事をしていきたいと思っています」と意気込む。最後に「この10年間、ずっとファンの皆様の声に支えられてきました。アニメスタッフは観た人が喜んでくれるとすごくテンションが上がるものなんですが、10年間パワーをもらって作品を作ってきて、そのアニメを観てまた喜んでもらえる、最高な関係を築けた10年だったと感じています」と、最後までともに走り切ったファンへ熱く感謝を述べた。なお「僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON」からはこのほか、BUMP OF CHICKEN「1」が最優秀エンディング賞を、爆豪勝己が最優秀助演キャラクター賞を受賞した。

「まるで無限城の中にいる鬼殺隊のよう」

フィルム・オブ・ザ・イヤーに輝いたのは「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」。外崎春雄監督に加え、撮影監督の寺尾優一がトロフィーを受け取った。「こんなに多くの方に観ていただいて、喜んでいただけたことが素直にうれしいです」と外崎監督。寺尾は「たくさんのチャレンジが含まれる作品。作っている途中は本当に最後まで作り切れるのだろうかとすごくドキドキしていました。まるで無限城の中にいる鬼殺隊のように、いつか勝てると思って作り続けたので、完成して本当にうれしかったです」と制作中の思いに触れる。外崎監督は最後に「スタッフ一同を代表して、本当に感謝しています。誰が見ても楽しめる作品になっていると思いますので、ぜひ多くの方に楽しんでいただきたいです」とメッセージを送り、寺尾は「これからももっともっと力強く制作に励んでいきたいと思いますので、どうか楽しみにしていてください」と意気込みを語った。

また「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の音楽を手がけた梶浦由記・椎名豪の両名には、最優秀作曲賞が贈られた。授賞式に登壇した椎名は「めっちゃうれしいです!」と笑顔で受賞の喜びを伝え、「海外を視野に入れて立体音響を作り、楽器が頭上を走ったりと、音楽でも無限城の空間を作り出すようにしました」とこだわりを話す。そして「立志編からもう一度観ていただけると、細かいところが味わい深い作品だと思います」と改めて1話から視聴してほしいとアピールした。

複数の賞を獲得、海外人気を見せつけた「薬屋のひとりごと」「ガチアクタ」

「薬屋のひとりごと」第2期は、筆坂明規・長沼範裕両監督に贈られた最優秀監督賞に加え、最優秀ドラマ作品賞を受賞。さらに猫猫が最優秀主演キャラクター賞を、悠木碧が最優秀声優賞を獲得した。授賞式には第1期で副監督を、第2期では自身初の監督を務めた筆坂監督が、猫猫のぬいぐるみを携えて登壇。「スタッフもほぼ第1期から引き継いでやっていただいて、信頼できる方たち。本当に支えていただきながら作れた」と感謝を述べ、「原作の時点でものすごく面白い作品で、そのアニメ化ということで、スタッフ一同熱量が高く、楽しんで作っています。第3期も劇場版もその後も続いていけばいいなと思っていますので、長く楽しんでいただけたらうれしいです」とファンに呼びかけた。

「ガチアクタ」も最優秀新シリーズ賞、最優秀キャラクターデザイン賞、最優秀背景美術賞と複数の部門で受賞し、高い海外人気を見せつけた。菅沼芙実彦監督は「ただただ驚いています。頭が真っ白です(笑)」とはにかみながら登壇し、「ボンズフィルムさんが作画として高い技術を持っているので、自分はただただ作品を伝えることに専念していました」と制作について触れる。「こんなに海外で高い評価を得られるとは思っていませんでした。もっともっとこれからも皆様が楽しめるようなアクション、ストーリーをお伝えできるようにがんばっていきたいと思います」と今後への意欲を見せた。

連続受賞作品も多数、最優秀オリジナルアニメ賞は「LAZARUS ラザロ」に

昨年アニメ・オブ・ザ・イヤーに輝いた「俺レベ」は、本年も「俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-」で最優秀アニメーション賞、最優秀アクション作品賞を受賞。去年に続いて登壇となった中重俊祐監督は「正直驚きが大きいです。毎クール素敵な作品が世に出ている中で『俺レベ』は1年以上前の作品で、皆様に覚えていただいて、投票していただいて、(授賞式の)舞台まで導いていただけたことを本当にうれしく思っています」と喜びを語る。そして「Season 2は21話くらいから怒涛のアクションが続き、本当に現場は鉄火場のような状態で、激しい戦いを繰り広げていました。私は最終話を担当したんですが、歴戦のS級ハンターが一堂に会して作画に取り組んでくれたので、熱い思いで最後を迎えられました」と、作品になぞらえてスタッフへの感謝も述べた。

同じく2年連続で登壇したのが、SOLA DIGITAL ARTSのジョセフ・チョウ氏。昨年は「NINJA KAMUI」、今年は「LAZARUS ラザロ」が最優秀オリジナルアニメ賞を獲得し、プロデューサーとして授賞式の場に立った。そんなチョウ氏は「オリジナルアニメを作れること自体が本当にうれしいこと。これを機にもっともっとオリジナル作品を作っていければ」とオリジナルアニメへの高い意欲を見せる。「LAZARUS ラザロ」については「渡辺信一郎監督のファンが世界のクリエイターに多いんです。アクション監修のチャド・スタエルスキ監督にも忙しい中で参加していただいたり、音楽も3人のトップアーティストに30曲以上作っていただいて、MAPPAという最高のスタジオが制作してくれて、本当に幸せなプロジェクトでした」と語り、MAPPAの松永理人プロデューサーは「チャドさんが考えられたアクションを形にしてくれたアニメーターも、非常に優秀な方たちに恵まれた」とスタッフ陣の尽力にも触れた。

最優秀継続シリーズ賞に輝いた「ONE PIECE」は、「クランチロール・アニメアワード」で3回目の受賞。伊藤聡伺監督は「長く関わっているスタッフもいれば新しいスタッフもいて、新旧一緒に作っていくのが長年続く『ONE PIECE』の魅力」と語る。最優秀異世界アニメ賞は2年連続で「Re:ゼロから始める異世界生活」が獲得し、篠原正寛監督は「皆さんの情熱やパワーを海を越えて感じております。皆さんと一緒にこのシリーズも進んでいると思いますので、末永く皆様と歩んでいければ」と応援を呼びかけた。

最優秀アニソン賞は米津玄師「IRIS OUT」

そして最優秀アニソン賞は、「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」の主題歌である、米津玄師「IRIS OUT」が受賞した。代理登壇したソニー・ミュージックの藤江充夫氏は「数あるアニメと音楽の関係の中で、最優秀に選んでいただいたのは本当に幸せだなと思っています。私は代理ですが、アーティスト本人が一番喜んでいると思います。本当に感謝しております」とコメント。海外のファンへ向け、「こういった楽曲で知ってくださった海外の皆さんの前でパフォーマンスする機会が今後もあると思いますので、その際はぜひ足を運んでいただけたら」とメッセージを送った。

なお、授賞式ではそのほかDEAN FUJIOKA、高橋洋子、ポルノグラフィティ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONらがパフォーマンスを披露。授賞式の模様は後日クランチロールのYouTubeチャンネルやソニーグループのYouTubeチャンネルで配信予定だ。

「クランチロール・アニメアワード 2026」受賞結果一覧

※★が受賞作品/キャスト。

アニメ・オブ・ザ・イヤー

フィルム・オブ・ザ・イヤー

最優秀オリジナルアニメ賞

最優秀継続シリーズ賞

最優秀新シリーズ賞

最優秀オープニング賞

最優秀エンディング賞

最優秀アクション作品賞

最優秀コメディ作品賞

最優秀ドラマ作品賞

最優秀異世界アニメ賞

最優秀ロマンス作品賞

最優秀日常系作品賞

最優秀アニメーション賞

最優秀背景美術賞

最優秀キャラクターデザイン賞

最優秀監督賞

最優秀主演キャラクター賞

最優秀助演キャラクター賞

「何があっても守りたい」キャラクター賞

最優秀アニソン賞

最優秀作曲賞

最優秀声優賞(日本語)

最優秀声優賞(英語)

最優秀声優賞(アラビア語)

最優秀声優賞(ポルトガル語)

最優秀声優賞(カスティーリャ・スペイン語)

最優秀声優賞(フランス語)

最優秀声優賞(ドイツ語)

最優秀声優賞(ヒンディー語)

最優秀声優賞(イタリア語)

最優秀声優賞(中南米スペイン語)