「チ。」×東京シティビューは展示というより本、宇宙に包まれた感覚味わえるシアター

「『チ。 ―地球の運動について―』×東京シティビュー ~世界の見方が変わる体験を、展望台で~」より (c)魚豊/小学館

魚豊「チ。 ―地球の運動について―」と東京・六本木ヒルズ展望台 東京シティビューの期間限定イベント「『チ。 ―地球の運動について―』×東京シティビュー ~世界の見方が変わる体験を、展望台で~」が、本日4月10日にスタート。それに先がけ、4月9日にプレス内覧会が開催された。イベントの構成に携わった哲学者の谷川嘉浩氏と、会場内のプラネタリウム「星空シアター」を制作したプラネタリウムクリエイター・大平貴之氏も内覧会に帯同した。

この場所から見える東京の眺望がラファウの瞳に

イベントでは、海抜250mという“空に近い”展望台の空間を使って、地動説を命がけで証明しようとした中世の人々の物語「チ。 ―地球の運動について―」の世界観を表現。中世の天文学者たちが見上げた星空と現代の東京の夜景が交錯する場にて、「知」や「真理」をめぐるドラマが立体的に描き出される。

入口のゲートを抜けると、ラファウらの印象的なシーンを切り取った幕とともに、遠くに東京タワーを望む街並みが来場者をお出迎え。同じフロアには、アストロラーベを掲げて撮影できる写真スポットも設けられている。先にある右側の壁には、「感動」をキーワードに、心に訴えかけるような場面をセレクトして展示。イベントのテーマ「世界の見方が変わる」が記された正面の巨大な壁には、ラファウの瞳のコマが収められており、その瞳の中には、この場所から見える東京の眺望が捉えられているのもポイントだ。

まるで宇宙に包まれたような感覚

続いて、マンガ「チ。 ―地球の運動について―」のコマとセリフを、そこかしこにちりばめたコーナーが広がる。2部制となっており、いずれのパートも4つのセクションに分かれている。第1部では、作中で繰り返し出てくる「信念」という言葉を軸に構築。また第2部は、「自分の信念を忘れさせる何か」に出会ったときの感情を中心に構成されている。さらに第1部には、中世の天文学者たちが思案に没頭したと思われる部屋を再現した「思索の部屋」を設置。第2部には、蝋燭を模したランプの明かりをかざすと、言葉がはっきりと浮かび上がる体験コーナーも準備された。

「星空シアター」は、8分程度。天動説や地動説を映像にておさらいできるほか、星ぼしが同じ目線で投影され、まるで宇宙に包まれたような感覚が味わえる。

展示というより本

作品ファンで、公式トリビュートブック「『チ。 ―地球の運動について―』第Q巻」にも寄稿している谷川氏は、今回の展示について「展示というより本。ちょっとした本ぐらいの活字があります」と説明。さらに「今は動画や映像の時代で、誰も本を読まない、活字を読まないとか言われていますが、よく見るとめちゃくちゃ活字に溢れてますよね。今ほど膨大に言葉が生み出されている時代はない。ただ、その言葉って必ずしも心を揺さぶるものではなくて。このマンガは、まさに心を揺さぶるということに非常にフォーカスしていると思っています」と作品について語る。

また、感じ取ってほしいことを尋ねると、「まず、作品のタイトルがカタカナであることが象徴的。地球の話であり、bloodの血の話であり、知識の知の話でもある。それを踏まえ、信念と信念が揺らぐ瞬間、そして感動と感動の伝達という特定の強力な視点を設定した上で再構成することで、『チ。』のまた違った見え方を提示できるんじゃないかと。展示を見ていただくことで、見通しよく『チ。』というものを楽しんでいただけると思っています」と呼びかけた。

私たち自身も星の中の1つ

大平氏は「星空シアター」について、「かつて天文学という真理、事実を巡って、私たち人間は多くの血を流してきました。それほど激しい歴史のエネルギーを生んだ学問が、今度は人々による争いを制止する術となり得るのかを私なりに問いかけたい。そんな思いを作品に込めさせていただきました」とコメント。また見どころとして、「普通は上から見上げる宇宙が、ここでは横にも下にも見える。それは星が私たちとかけ離れた、浮世離れした空の世界ではなく、私たち自身も星の中の1つ。それを皆さんに実感していただけたら」と、言葉を結んだ。

「『チ。 ―地球の運動について―』×東京シティビュー ~世界の見方が変わる体験を、展望台で~」

期間:2026年4月10日(金)~6月8日(月)
会場:東京都 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー

(c)魚豊/小学館