「ダンまち」“とんでもない”朗読劇で爆笑、大西沙織は成長して演じる6期へ熱い思い
アニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の10周年記念イベント「Aedes Vesta -聖火の軌跡-」が、本日2月7日に千葉・幕張国際研修センターシンポジウムホールにて開催された。コミックナタリーでは昼の部・夜の部の模様をレポートする。
井口裕香が歌う第1期のOP「Hey World」で開幕
2025年に10周年を迎え、10周年イヤーを彩るさまざまな企画が行われてきたアニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」(以下「ダンまち」)。2015年のTVアニメ第1期を皮切りに、TVシリーズは2024年の第5期まで放送されたほか、外伝のTVアニメ化、劇場アニメ化も果たすなど、長期にわたって作品が楽しまれてきた。「Aedes Vesta -聖火の軌跡-」では開演前から、「ダンまち」本編や作者である大森藤ノのユーモアあふれる年表、イベントイラストを使ったパネル、ヘスティア・ナイフなど武器の立体物の展示、作中に登場する「ジャガ丸くん」の販売など多方面からファンを楽しませた。
昼の部は第1期冒頭のシーン、そして井口裕香が歌うアニメ第1期のオープニングテーマ「Hey World」で開幕。青色のドレスを着た井口が満面の笑みで歌唱を終えると、続いてベルとヘスティアの出会いの場面がステージ上のスクリーンに映し出される。これまでのアニメ「ダンまち」シリーズの歩みを振り返る映像、そしてヘスティアの神威解放のシーンに続き、ベル・クラネル役の松岡禎丞、ヘスティア役の水瀬いのり、アイズ・ヴァレンシュタイン役の大西沙織、リリルカ・アーデ役の内田真礼、ヴェルフ・クロッゾ役の細谷佳正、ヤマト・命役の赤﨑千夏、サンジョウノ・春姫役の千菅春香、リュー・リオン役の早見沙織といったメインキャストが登壇。ファンの盛大な拍手を浴びた。
厳かな映像を式典になぞらえてこれから参加するイベントへの期待を伝える早見や、初めてのヒロイン役を務めた「ダンまち」が10周年を迎えられた感謝を伝える水瀬などキャスト陣が思いおもいにトークを展開。イベントビジュアルに話題が移ると、背の小さなリリを囲む様子を家族写真に例えて笑いを起こす。さらにキャスト陣が衣装や髪型をビジュアルに寄せていることが伝えられると、早見は長髪のポニーテールをブンブンと振り回すファンサービスで会場を盛り上げた。
ファンも巻き込みすごろくで10年を振り返る
オープニングトークから「ダンまち」のイベントならではの賑やかさ、仲のよさが垣間見えたが、ゲームコーナーに入るとそれはさらに顕著に。サイコロを振って止まったマスに書かれたトークのお題に答えたり、ゲームに挑戦するすごろく「『ダンまち』と歩んだ10年間!目指せ!迷宮の楽園(アンダーリゾート)」では、ベルチーム、ヘスティアチームに分かれて対戦。勝者には叙々苑のお食事券1人1万円分がプレゼントされるとあって、両チームとも気合を入れる。
先攻となったヘスティアチームは水瀬が3の目を出し「キャラ同士のやり取りで印象的だったシーン」というお題に答える。水瀬は第1期でのリリとヘスティアがベルを取り合うシーンを挙げて、アドリブでのわちゃわちゃした2人の掛け合いが印象的だったと話す。その中で出た「泥棒ネコ」というワードは、のちにゲームにも採用されるなどヘスティアを象徴する語彙になったと明かした。一方ベルチームの松岡は客席にサイコロを投げ込み、観客の協力もあって6の目を出すことに成功。大幅にコマを進めるが、お絵描き伝言ゲームに挑戦することになってしまう。それでも自信ありげなベルチームだったが、トップバッターの松岡が描いた絵を見た大西は驚嘆の声を上げてリアクション。その後も、千菅、赤﨑からも絵の内容がわかっていなさそうな悲鳴が上がる。トリの赤﨑の回答はミアだったが、これは不正解。順々に絵を遡り、松岡の絵を見てやっと正解がロキであることがわかった。
早見沙織“画伯”がお絵描き伝言ゲームに挑戦
またヘスティアチームもベルチームと同じくお絵描き伝言ゲームに挑戦。“画伯”として知られる早見がトップバッターを務めることに自チームからも不安の声が上がる。早見の絵を見た瞬間に大笑いする内田、声を出さずに表情だけで驚きを観客に伝える水瀬、そしてなんとか絵の意図を汲み取ろうとする細谷。それぞれが懸命にゲームに臨むも答えは出ず、細谷が観客に助けを求めるも、その回答も不正解に終わってしまう。続いて後ろから順に絵を披露していくと、意外にも水瀬の時点で大幅に絵が変わっていたことが明らかになり、会場が笑いに包まれる。そして早見の絵を見て「片目が隠れている」というヒントからなんとか正解のヘファイストスを導き出した。
「ダンまち」のイベント初参加だという細谷は、しゃべり出した瞬間に、制限時間を知らせる鐘の音が被るという奇跡を起こし、その洗礼に抗議する姿で大爆笑を巻き起こす。さらに「印象的な技や能力は」というお題にコマが止まると、細谷は魔剣である火月(かづき)の名前を挙げる。その理由は人の名前を言っているようだからという意外なもので、会場にかずきさんがいるか呼びかけると、まさかのすぐ目の前に席に観客のかずきさんの姿が。奇跡の邂逅に細谷と観客の仲が深まっていた。ゲームは大盛り上がりした結果、時間が足らずにサイコロの出目が2倍となるボーナスタイムに突入。僅差でゴールにたどり着いたベルチームが勝利を収め、お食事券をゲットした。
10周年を音楽でも振り返るライブコーナー
笑いに包まれた前半が終わると、ライブコーナーにはsajou no hanaと井口が登場。sajou no hanaのsanaは第4期新章のオープニングテーマ「天灯」、第3期エンディングテーマ「Evergreen」、第4期深章エンディングテーマ「切り傷」を3曲続けて力強い歌声で披露する。
オープニングアクトも務めた井口は第2期オープニングテーマ「HELLO to DREAM」で会場のボルテージを上げた。sanaは歌唱後に「『ダンまち』ファンの前で3曲も歌わせてもらえて幸せな時間でした」と笑顔を見せ、井口も「『成長していくぞ』というベルくんの気持ちが乗っていて、私も元気付けられる」と長く歌ってきた楽曲への思いを伝えた。
朗読劇で本編ではありえないようなセリフが飛び交う
後半のメインコーナーは朗読劇。会場に展示されていた大森の年表で「朗読劇で大暴れ」と予告されていた通り、ヘスティア・ファミリアの拠点にベルを訪ねてやってきたアイズをヘスティアが案内するというストーリーを軸に、笑いが絶えない朗読劇を展開。始まりこそヘスティアの厳かな語りからスタートしたものの、ヴェルフがベルに恋愛相談し始めたあたりから空気が一変する。第5期でベルが多数の女の子を泣かせたというメタ発言やら、水瀬と大西の仲のよさが垣間見えるアドリブやら、BLのカップリングやらと、どんどんとシリアスさが増していく「ダンまち」本編ではありえないようなセリフが飛び交う。
大西によるフレイヤとロキ、赤﨑、千菅、内田によるへファイストスのモノマネなどキャストたちの演技力を使ったおふざけも満載。普段クールなリューさえ、裸で抱き合う4期の場面カットを最高のタイミングでスクリーンに映し出されてお笑い要員に。原作の宣伝からキャスト陣の出演アニメを褒め合うなど「大暴れ」の予告に偽りなしの内容が続く。しかしそれで終わらないのが「ダンまち」。ベルの恋に関するリリ、春姫、リュー、ヴェルフたちの真面目な思いが伝えられ、アイズの“恋”についての真剣な思いが明かされる場面も。ヘスティアのナレーションで約30分の朗読劇がしっとりと締めくくられると、分島花音が登場し「ライブでも毎回歌っている思い入れのある楽曲」だという「RIGHT LIGHT RISE」を歌唱。第1期のエンディングテーマということもあり、長いイベントの終わりを感じさせた。
「飽きずに紐を巻き続けて」水瀬いのり、感動スピーチを“例の紐”で落とす
最後にはキャスト、アーティストがステージに勢揃い。朗読劇の裏話として、細谷と松岡のやり取りで笑いが起きていたことを悔しく思った大西が、アドリブを始めたと水瀬が明かし、2人で笑い合っていた。また早見は「この振り幅の大きさが『ダンまち』なんだな」とイベントを総括。細谷は観客席のかずきさんとアイコンタクトで改めて絆を深める。内田はキャスト全員が揃ってのアフレコが難しくなっていると前置きしつつ、キャスト陣の声を聞きながら演じる「ダンまち」を「激しい」と表現。さらに「楽しいシーンがいっぱいでまだまだ演じたい」と「ダンまち」のさらなる飛躍に期待を寄せた。
「ダンまち」で初ヒロインができたことを改めてうれしいと口にした水瀬。まだまだヘスティアを演じていきたいという意気込みとともに、この日、入場者プレゼントとしてヘスティアが身につけている“例の紐”が配られたことから、「ぜひ皆さん飽きずに紐を巻き続けていただけたらなと思います。いつかあなたと私が紐で巡り会えるかもしれません」と感動のスピーチを笑いで落とした。
夜の部のすごろくで勝つのはどっちだ
夜の部のオープニングトークでは、神殿のような凝ったセットに昼の部の観客が固くなっていたと話すキャスト陣。水瀬、松岡、大西は東京・葛飾で行われたという「ダンまち」キャストが揃った最初のイベントを懐かしみ、松岡はまだまだ「ダンまち」を終わらせないと宣言し、大きな拍手を起こした。
夜の部でもキャスト陣は、すごろく「『ダンまち』と歩んだ10年間!目指せ!迷宮の楽園(アンダーリゾート)」に挑戦。昼公演で惜しくも敗れリベンジに燃えるヘスティアチームは、さっそくゲームのマスに止まる。今回のゲームは、お題を見てチームメンバー3人が連想される“二つ名”を書き、水瀬がその二つ名から連想される答えを当てていくというもの。細谷、早見、内田が「渋谷で待ち続ける」「棒に」「あたたかい生き物」とそれぞれ書き、水瀬が見事答えの「犬」を導き出して、一気にベルチームを引き離す。
「10年間のなかで演じていて特に楽しかったシーン」というマスに止まった内田は、自身の演じるリリが鋭いツッコミを入れるシーンが好きだと話す。リリとの絡みも多い水瀬は、リリは「常識人枠」だと自身の考えを明かしつつ、参謀として成長していく彼女の姿に感動していると伝えていた。続くベルチームの松岡は6の目を出したいと、昼の部と同じように、観客席にサイコロを投げ込み観客の協力を画策。しかし、観客は正直に出たままの3の目を掲げる。この正直な観客に、ヘスティアチームが頭を下げて感謝の意を示すと笑いが起きていた。
早見“画伯”に飛ぶ声援
なかなか前進できないベルチームが止まったのは「担当キャラを動物に例えると?」というお題のマス。松岡はうさぎに例えられるベルについて、ライオンのようだと思っているそう。その理由について、常に格上と戦っている、諦めない、自分の持てるものを出していく、と自身が考えるベル像を話した。
一歩先を行くヘスティアチームは次なるゲームマスでお絵描き伝言ゲームに挑戦。真剣な表情でペンを素早くはしらせる細谷、完成した絵を見て怯える内田と続き、早見の番には客席から「がんばれー!」という声援が飛ぶ。絵を見た瞬間に固まる水瀬が絵を描き上げるが、ミノタウロスという回答は不正解。細谷が描いた筋骨隆々で目つきの鋭いオッタルから、ふわふわとした謎の生物へと早見と水瀬のところで絵が変わっていく様子に大きな笑いが起こった。
やっと初めのゲームマスに到達したベルチームも二つ名連想ゲームにチャレンジ。野球が正解の中、大西が「涙と砂」、松岡が「丸いヤツ」、赤﨑が「9人の聖人」と正解を導けそうな二つ名を書き上げる。しかしスポーツに詳しくない千菅が出した答えは、シンクロナイズドスイミング。必死のヒントもむなしくここは不正解となってしまった。夜の部も最後は出目が2倍のボーナスゲームで決着をつけることに。大きくリードしていたヘスティアチームが夜の部ではリベンジを果たした。
朗読劇でハーレムルート断ち切ったヴェルフが裁かれ、アニメ第6期発表
昼の部の去り際に松岡が“とんでもない”と予告していた夜の部の朗読劇は、なぜか魔女裁判が行われるという謎のシチュエーションでスタート。裁かれるヴェルフにリリ、命、春姫からとんでもない量の罵声が浴びせかけられる。ヴェルフの罪はアニメ第5期でベルの恋愛相談にのった際のヴェルフの答えによって、ベルのハーレムルートが断ち切られたというもの。ハーレムか一途か、激しい両者の主張が入り乱れる中、突如放り込まれる現実世界での人気や数字といったメタ発言に爆笑が何度も起こる。アイズも、ベルにハートの矢印が30本ほど伸びている相関図とともにこの裁判に参戦。作り込まれた相関図や「牛に出会いを求めるのは間違っているだろうか」と書かれたロゴなど、製作陣のこだわりも随所に感じる。最後にはキャスト陣の熱のこもったセリフの応酬、そしてこの台本を書き下ろした大森に盛大な拍手が送られた。
笑いのまま朗読劇が終わったかと思いきや、振り幅の大きさこそが「ダンまち」の真骨頂。ライブを挟んで始まった朗読劇の後半は、1期でも描かれたようなベルとアイズの修行の場面からスタートする。ほかのキャスト陣も改めて登壇し、シリアスなセリフが続くとその流れでアニメ第6期の制作を発表。直前の朗読劇では「原作のストックがない」と自虐していただけに、この日一番の歓声が会場にこだました。
大西沙織「成長した自分で第6期のアイズを演じられるのがうれしい」
第6期発表の熱が収まらないまま最後の挨拶へ。千菅は第2期からヘスティア・ファミリアに加入した春姫の周りにたくさんの仲間ができていると改めてこの日のイベントで感じたそうで、「その気持ちも糧にして第6期に向けての力にしていきたい」と意気込みを述べる。赤﨑はキャストとファンの一体感に触れ「会場、そして配信で見てくださっているファンも含めて大森先生を神としたダンまちファミリアなんだろうなと感じました」と挨拶し、客席から賛同の声を引き出す。
この日もアイズの出番が少ないことを何度も口にしてきた大西だが、第6期ではアイズにもスポットが当たることに。大西はそれを踏まえて、10年前はまだ新人だったと前置きしつつ「10年経ってアイズを演じるのが楽しいという感覚まで成長できていると思います。この10年で成長した自分で第6期のアイズを演じられるのがうれしい」と新作への思いを語った。トリを務めた松岡は「次回のお話も楽しいところから、不穏なとんでもないところまであります。覚悟しておいてください。その期待に応えられるようにベルを全力で演じたいと思います」と力強く宣言し、イベントを締めくくった。
